小児眼科・斜視
子どもの視覚は出生後から発達を続け、6〜8歳頃までに完成します。この発達期に適切な視覚刺激が得られないと視機能が十分に育たないことがあります。このカテゴリでは、視機能の発達障害・眼位の異常・先天性の眼疾患など、主に小児期に問題となる疾患を扱います。
全155件の疾患
よく参照される疾患
あ行
13件弱視眼の視力改善を目的に健眼をアイパッチで遮閉する治療法。PEDIGの大規模RCTにより用量設定のエビデンスが確立されている。
視神経乳頭の漏斗状拡大・白色グリア組織・放射状血管走行を特徴とする先天性乳頭異常。網膜剥離を高頻度に合併し、経蝶形骨脳瘤との関連が知られる。
HOXA1遺伝子の機能喪失型変異により脳幹発育不全を来す極めて稀な常染色体劣性遺伝疾患。先天性水平共同注視麻痺・感音難聴・中枢性低換気・発達遅滞を主徴とする。
JAG1またはNOTCH2遺伝子の変異により肝臓・心臓・眼・骨格・腎臓など複数の臓器系に異常を来す常染色体優性遺伝疾患。後部胎生環が最も特徴的な眼所見である。
IV型コラーゲン遺伝子(COL4A3・COL4A4・COL4A5)の変異により、進行性腎障害・感音難聴・眼異常を三徴とする遺伝性基底膜疾患。X連鎖型が約85%を占め、男性は重症化しやすい。
小児に多いI型アレルギー反応による結膜炎。有病率は約20%で近年増加・低年齢化の傾向がある。季節性・通年性アレルギー性結膜炎、春季カタル、アトピー性角結膜炎に分類され、抗アレルギー点眼薬を基盤とし、重症例には免疫抑制点眼薬やステロイド点眼薬を使用する。
染色体15q11-q13上のUBE3A遺伝子の母性由来コピー機能喪失により発症する神経発達障害。斜視・眼振・色素沈着低下などの眼科的合併症を伴うことがある。
隠眼は癒合した眼瞼が眼球を覆い眼裂が欠如する稀な先天異常である。完全型・不完全型・不全型の3タイプがあり、フレーザー症候群との関連が深い。
FTL遺伝子のIRE変異によりL-フェリチンが過剰産生され、鉄過剰を伴わない高フェリチン血症と早期発症の両側白内障を特徴とする常染色体優性遺伝疾患。遺伝性ヘモクロマトーシスとの鑑別が重要。
眼科領域における遺伝学の基本用語、遺伝子検査の種類と選択戦略、および遺伝性眼疾患の診断・管理に役立つリソースをまとめた概説。
麻痺性斜視やデュアン症候群など外眼筋の機能障害に対して行われる筋移動術の適応・術式・合併症を解説。全幅筋腱移動術、Hummelsheim法、Jensen法、西田法など主要術式を網羅する。
嚢胞性線維症(CF)の治療薬であるイバカフトルを含むCFTRモジュレーターの副作用として小児に発症しうる非先天性白内障。定期的な眼科スクリーニングが推奨される。
頭蓋骨の片側の冠状縫合が早期に癒合する疾患で、眼窩の非対称変形・斜視・不同視性乱視・弱視を高率に合併する。内視鏡下縫合切除術または前頭眼窩前進術により治療される。
か行
34件カサバッハ・メリット現象(KMP)は、カポジ様血管内皮腫(KHE)または房状血管腫(TA)に伴う血小板減少症・消耗性凝固障害を特徴とする生命を脅かす臨床症候群である。
加齢に伴う外眼筋プーリー間の結合組織変性により外直筋が下方へ偏位し、遠見時の内斜視や回旋垂直斜視を生じる高齢者に多い後天斜視。プリズム矯正や斜視手術で管理される。
滑脳症(脳の神経細胞移動障害)に伴って認められる多彩な眼科的異常を、タイプ1(古典的)とタイプ2(石畳様)の病型別に解説する。
斜視や両眼視機能の異常を評価するための眼科検査法の総称。眼球運動検査・眼位検査・遮閉試験・立体視検査などを含み、小児から成人まで幅広く適用される。
間欠性外斜視は、日常では眼位が正常だが疲労時や遠方視時に片眼が外側にずれる斜視で、小児に最も多い斜視型である。分類・診断・治療法を解説する。
カバーテストは眼位ずれ(斜視)の有無・種類・程度を評価するための客観的検査のゴールドスタンダードである。遮閉試験、遮閉-遮閉除去試験、交代遮閉試験、プリズム遮閉試験の手技と判定を解説する。
特徴的な顔貌、知的障害、出生後発育障害、骨格異常、皮膚紋理異常を主徴とする希少な先天性遺伝疾患。KMT2DまたはKDM6A遺伝子変異が原因で、多彩な眼科的異常を伴うことがある。
ネパールに局在する謎の破壊的全ぶどう膜炎。白蛾(Gazalina属)との関連が疫学的に確立されており、小児に多く、受診時に2/3がすでに失明している。
調節痙攣・急性内斜視・縮瞳の三徴を特徴とする病態。多くは心因性で自然軽快するが、頭部外傷や神経疾患など器質的原因の除外が重要。
視神経乳頭が先天的に拡大した稀な良性異常。緑内障性視神経症に類似するが、乳頭縁面積・網膜神経線維層厚は保たれており、進行性の視機能障害を伴わない。
眼振患者の異常頭位(顔回し)を矯正する斜視手術。静止点を第一眼位へ移動させることで視機能を改善する。
検影器を用いて眼の屈折異常を客観的に測定する他覚的屈折検査法。乳幼児や発達遅滞者など主観的検査が困難な患者の評価に不可欠である。
HLHに関連する眼症状の分類・臨床所見・診断・治療を解説。網膜出血が最多で多様な眼合併症が報告されている。
交代性上転斜位(DVD)は非固視眼がゆっくり上転するHeringの法則に従わない異常眼球運動である。乳児内斜視に高率に合併し、下斜筋前方移動術や上直筋後転術が治療の選択肢となる。
甲状腺眼症(バセドウ病眼症)に伴う下斜視の病態・診断・治療について解説。下直筋の線維化による拘束性斜視の機序、プリズム治療・斜視手術の適応と術式、テプロツムマブの最新知見を網羅する。
甲状腺眼症(バセドウ眼症)に伴う外眼筋の炎症・線維化により生じる拘束性斜視。複視を主訴とし、下直筋・内直筋が好発部位である。治療は甲状腺機能の正常化を前提に、プリズム療法や斜視手術が行われる。
強度近視に伴う進行性の大角度内斜視・下斜視で、眼球運動制限を伴う疾患。横山法(ループ筋固定術)による外科的治療が第一選択となる。
胎生裂の閉鎖不全により眼のさまざまな部位に組織欠損を生じる先天性眼疾患。小眼球症を伴うことが多く、欠損部位に応じた視力障害や合併症を引き起こす。
外斜視は片眼が外側に偏位する眼位異常であり、間欠性外斜視が最多の病型である。分類・診断・手術を含む治療法を解説する。
外転神経(第VI脳神経)の障害により外直筋が麻痺し、眼球の外転制限と非共同性内斜視を生じる疾患。成人では最も頻度の高い眼運動神経麻痺であり、小児では腫瘍・外傷が主因となる。
外眼筋は4つの直筋、2つの斜筋、上眼瞼挙筋からなり、3本の脳神経による支配のもと眼球運動と眼瞼挙上を担う。
ガラクトース代謝を担う酵素の先天的欠損により代謝産物が蓄積する常染色体潜性遺伝疾患群。白内障が主要な眼科的合併症であり、早期の乳糖制限が治療の基本。
ガラクトキナーゼ欠損症はII型ガラクトース血症とも呼ばれ、GALK1遺伝子変異により両眼性白内障を生じる先天代謝異常である。早期の食事療法で白内障は可逆的となる。
眼窩脂肪類皮腫(デルモリポーマ)は、脂肪組織を含む先天性分離腫の一種で、主に耳側上方の結膜下に発生する良性腫瘤である。診断、治療、関連症候群について解説する。
眼窩隔膜より後方の眼窩内軟部組織に生じる感染症。副鼻腔炎からの波及が最多で小児に好発する。眼球突出・眼球運動障害・視力低下を伴い迅速な抗菌薬治療と必要に応じた外科的排膿が不可欠である。
先天眼振(律動眼振・振り子様眼振)、眼振阻止症候群、潜伏眼振、点頭痙攣、周期交代眼振の定義・分類・診断・治療を包括的に解説する。屈折矯正・プリズム療法・Kestenbaum法等の手術適応を含む。
眼心反射(OCR)は外眼筋や眼球への刺激で心拍数が20%以上低下する三叉神経迷走神経反射であり、斜視手術や眼窩外傷時に高頻度で発生する。病態生理・診断・管理・予防を解説する。
眼の異常に対する代償機序として生じる異常頭位(眼性斜頸)について、原因となる眼疾患、診断法、治療法を解説する。
眼精疲労(asthenopia)の原因、症状、診断、治療法について、最新のメタ解析データを含めて解説する。
先天的なメラニン産生低下により眼・皮膚に色素欠乏をきたす遺伝性疾患群。眼振・羞明・視力低下を三主徴とし、黄斑低形成を伴う。根治療法はなく、屈折矯正・遮光レンズ・ロービジョンケアが管理の中心となる。
先天的なメラニン産生低下により眼・皮膚に色素欠乏をきたす遺伝性疾患群。眼振・羞明・視力低下を三主徴とし、黄斑低形成を伴う。根治療法はなく、屈折矯正・遮光レンズ・ロービジョンケアが管理の中心となる。
視軸の真のずれがないにもかかわらず、眼位がずれているように見える状態。内眥贅皮や異常なカッパ角などの顔面形態学的特徴が原因で、偽内斜視が最も一般的である。
前房隅角の発育異常による房水流出障害で眼圧が上昇する稀な先天性緑内障。手術が第一選択であり、早期診断と治療が視機能予後を左右する。
第1・第2鰓弓の発生異常に起因し、眼球上皮皮様腫・副耳・耳瘻孔を3徴とする先天性頭蓋顔面症候群。椎体・心臓・腎臓・中枢神経系にも異常を伴いうる。
さ行
46件3歳児健診における視覚スクリーニングの目的・方法・フローを解説する。母子保健法に基づく一次〜三次検査の流れ、フォトスクリーナーの導入状況、弱視の早期発見・治療、就学時健診・学校健診との連携について詳述する。
TBCE遺伝子変異による先天性副甲状腺機能低下症・発育遅滞・奇形症候群(HRD症候群)。小眼球症・角膜混濁・網膜血管蛇行などの眼科的所見を高率に伴う。
上斜視(上斜筋麻痺など)で麻痺筋を同定するためのParks-Bielschowsky 3段階テスト。第一眼位・側方視・頭部傾斜の3ステップで候補筋を絞り込む。
視神経低形成(ONH)は視神経軸索数の減少を特徴とする先天性視神経異常のうち最も頻度が高い疾患。中隔視神経異形成症(SOD)との関連、画像診断・内分泌スクリーニング・多職種連携による管理について解説。
胎生裂(眼杯裂)の後部閉鎖不全により視神経乳頭に先天性の陥凹・欠損を生じる疾患。視力は乳頭黄斑線維束の巻き込み程度で決まり、漿液性網膜剥離や裂孔原性網膜剥離を合併しうる。CHARGE症候群・腎コロボーマ症候群など全身合併症の検索が重要である。
視能訓練士(ORT)は、医師の指示の下に両眼視機能の矯正訓練と眼科検査を行う国家資格の医療専門職である。業務内容、法的位置づけ、教育制度、勤務形態について解説する。
シノプトフォア(大型弱視鏡)は左右独立した光学系で両眼視機能(同時視・融像・立体視)を 検査・訓練する器械である。9方向の自覚的斜視角定量、融像幅測定、回旋偏位測定が可能で、 3歳以降の斜視・弱視患児に対する視能訓練にも用いられる。
神経線維腫症1型(NF1/von Recklinghausen病)に伴う眼合併症について解説する。虹彩Lisch結節・視神経膠腫・緑内障・眼瞼眼窩の神経線維腫が主要所見であり、小児期からの定期的眼科検査と長期的管理が必要である。
神経線維腫症1型(NF1/von Recklinghausen病)に伴う眼合併症について解説する。虹彩Lisch結節・視神経膠腫・緑内障・眼瞼眼窩の神経線維腫が主要所見であり、小児期からの定期的眼科検査と長期的管理が必要である。
新生児結膜炎は生後28日以内に発生する結膜の炎症である。クラミジア・淋菌が主な原因で、早期診断・治療により良好な予後が得られるが、治療遅延は重篤な合併症を招く。
斜視手術後に外眼筋の位置を再調整し、過矯正・低矯正を軽減するための手技。蝶結び法やスライディング・ヌース法など複数の術式がある。
斜視手術の適応・術式(後転術・前転術・筋移動術・調整縫合)・手術時期・合併症・術後管理を総論的に解説する。乳児内斜視の早期手術から成人斜視の手術計画まで網羅する。
斜視手術における術中・術後の合併症の発生率・診断・治療について解説する。強膜穿孔・眼心臓反射・筋紛失から前眼部虚血・術後感染まで、合併症の予防と管理を網羅する。
ボツリヌス毒素A型の外眼筋注入による斜視治療。2015年承認(ボトックス®)、12歳以上の斜視が保険適応。日本弱視斜視学会・日本神経眼科学会のガイドラインに基づく実施医基準・投与プロトコルを詳説する。
ボツリヌス毒素A型の外眼筋注入による斜視治療。小〜中程度の偏位角を持つ内斜視に対して手術の代替手段となりうる。
斜視手術で用いられる全身麻酔・局所ブロック麻酔・テノン嚢下麻酔・点眼麻酔の適応・禁忌・合併症を解説。小児では全身麻酔が標準であり、成人では術式や患者背景に応じた麻酔法の選択が重要である。
晶体様分離腫(phakomatous choristoma)は、異所性の水晶体組織からなる極めて稀な良性先天性腫瘍である。下眼瞼鼻側に好発し、外科的切除により根治が可能で再発報告はない。
小児近視は学童期に発症し眼軸延長を主因とする屈折異常である。低濃度アトロピン点眼・近視管理用眼鏡・多焦点CL・オルソケラトロジーなど複数の進行抑制療法がエビデンスを蓄積している。
弱視・斜視・屈折異常などの早期発見を目的とした小児の視力スクリーニング。年齢に応じた検査法の選択と、日本の3歳児健診を中心としたスクリーニング体制について解説する。
小児へのコンタクトレンズ処方は弱視治療・屈折矯正・近視進行抑制と多岐にわたる。適応の判断、レンズ選択、安全管理の要点を解説する。
乳幼児から就学前児までの視力検査法を年齢ごとに解説。選好注視法・テラー視力カード・LEAシンボル・ランドルト環など各検査法の特徴と実施法を紹介する。
小児への点眼は非協力・全身副作用リスクなど成人と異なる困難がある。年齢別の点眼手技、アトロピン等の調節麻痺薬の指導法、涙嚢閉塞法、保護者への説明ポイントを解説する。
MOG抗体陽性を特徴とする小児の中枢神経系脱髄疾患。ADEMや視神経炎を主な表現型とし、年齢によって臨床像が異なる。
小児ロービジョンは21歳未満の不可逆的な視力低下であり、屈折矯正・内科的治療・外科的介入で改善できない状態を指す。原因、年齢別評価法、多職種による管理を解説する。
小児の眼瞼縁の慢性炎症に角膜・結膜病変を伴う疾患。マイボーム腺機能不全や細菌性眼瞼炎を基盤とし、角膜瘢痕や弱視による永続的な視力障害を引き起こしうる。
小眼球症は眼軸長が年齢平均より2標準偏差以上短い先天性の眼球発生異常である。コロボーマ・白内障・緑内障などの合併症を伴うことが多く、多職種連携による早期介入と長期的な管理が必要である。
デジタルデバイスの長時間使用が小児の視力・屈折に与える影響と、近視進行リスク、スクリーンタイム管理の実践的指針を解説する。
錐体視物質の先天的な欠損・機能異常により色の識別能力が正常と異なる状態。先天赤緑色覚異常は日本人男性の約5%に認められ、X連鎖劣性遺伝を示す。色覚以外の視機能は正常であり、進行しない。
神経筋接合部の遺伝的異常により生じる不均一な疾患群。出生時または小児期に易疲労性の眼瞼下垂・眼筋麻痺・四肢の筋力低下を呈し、遺伝子亜型に基づく治療が求められる。
先天性脳神経異常支配症候群(CCDDs)は、脳神経の発達異常による先天性・非進行性の眼球運動障害群である。デュアン症候群やCFEOMなどを含み、外眼筋への異常支配により麻痺性斜視を呈する。
先天性嚢胞眼(CCE)は、胚発生初期の一次眼胞陥入障害により眼球の代わりに眼窩内に嚢胞が形成される極めて稀な先天性眼奇形である。嚢胞摘出と義眼装着が標準治療となる。
先天性風疹症候群(CRS)は、妊娠初期の母体風疹感染により胎児に生じる先天異常であり、白内障・先天性心疾患・難聴を三主徴とする。眼症状が最も高頻度で、色素性網膜症・緑内障・小眼球症などを伴う。
動眼神経(第3脳神経)の先天性麻痺で、眼瞼下垂・外斜視・眼球運動制限を呈する小児眼科疾患。周産期の末梢神経損傷が主因とされ、弱視予防のための早期治療介入が重要である。
先天性鼻涙管閉塞は新生児の6〜20%に発生する涙液排泄系の閉塞で、ハスナー弁の膜性閉塞が主因である。生後1年以内に大部分が自然治癒するが、持続例にはプロービングやステント留置などの外科的治療が行われる。
眼底がほぼ正常でERGにより診断される非進行性の先天性網膜機能障害。完全型(cCSNB)と不全型(iCSNB)の2型に分類され、X連鎖劣性遺伝が最多である。
生下時または乳幼児期に発症する水晶体混濁であり、形態覚遮断弱視の原因となる。手術時期・IOL挿入の適否・術後弱視治療が視機能予後を決定する。
先天鼻涙管閉塞症は鼻涙管下端の膜性閉塞を主因とする涙液排泄系の先天的閉塞で、新生児の6〜20%に発生する。生後12か月までに約90%が自然治癒するが、持続例には涙嚢マッサージ(Crigler法)による保存療法やプロービング、涙道内視鏡手術が行われる。
セザレ・チョッツェン症候群(尖頭合指症III型)は、TWIST1遺伝子の変異による常染色体優性遺伝の頭蓋顔面症候群である。眼瞼下垂や斜視をはじめとする眼科的異常を高頻度に伴う。
自閉スペクトラム症(ASD)は早期発症の神経発達障害であり、屈折異常・斜視・弱視などの眼科疾患のリスクが高い。コミュニケーション障害のため眼科検査に工夫が必要となる。
視覚発達の感受性期に異常な視覚入力が生じ、矯正視力が十分に発達しない状態。 屈折異常・不同視・斜視・形態覚遮断の4型に分類される。小児の約1〜5%に認められ、 早期発見・早期治療が視力予後を左右する。
若年性黄色肉芽腫(JXG)は乳幼児に好発する非ランゲルハンス細胞組織球症の最も一般的な形態であり、皮膚の黄色結節を主徴とする。眼球はJXGの皮膚外浸潤部位として最多であり、虹彩病変は前房出血・二次緑内障の原因となる。
13番染色体が3本存在する染色体異常で、小眼球・無眼球・コロボーマなど重篤な眼球奇形を高頻度に伴う。生命予後は不良であるが、近年の集中治療の進歩により生存率は改善傾向にある。
一次繊毛の機能異常に起因するシリオパチーで、臼歯サイン・筋緊張低下・発達遅滞を3主徴とする先天性疾患。眼球運動失行や網膜ジストロフィーなど多彩な眼科所見を伴う。
上斜視は一方の睩が他方より上方に偏位する垂直斜視である。上斜筋麻痹が最多の原因であり、先天性・後天性ともに認められる。診断にはParks 3段階法やBielschowsky頭部傾斜試験が用いられ、治療は原因に応じてプリズム等題や斜視手術が選択される。
上下斜視は垂直方向の眼位ずれの総称である。先天性上斜筋麻痺が最多の原因で、下斜筋過動・Brown症候群・A-V型斜視・両上転筋麻痺も含まれる。Parks 3段階法で診断し、斜視角・病型に応じて下斜筋減弱術・上斜筋tuck・Harada-Ito変法等の手術が行われる。
小児の全身麻酔下検査(EUA)の適応・術前評価・鎮静薬の選択・実施手順を解説。 網膜芽細胞腫スクリーニング、発達緑内障の診断、ERG・VEP等の電気生理検査が 主な適応である。トリクロホスナトリウムや抱水クロラールなど外来鎮静薬の用量、 絶飲食基準、眼球心臓反射への対処、鎮静後の帰宅基準を包括的にまとめる。
た行
15件胎児性アルコール症候群は妊娠中のアルコール摂取により生じる不可逆的先天性疾患であり、特徴的顔貌・成長遅滞・神経行動障害に加え多彩な眼合併症を呈する。
SALL1遺伝子変異による常染色体優性遺伝疾患で、鎖肛・耳介形成不全・母指奇形の三徴を特徴とする。腎異常・先天性心疾患・難聴・眼科的異常を合併しうる。
片眼の上転が内転・外転いずれの方向でも制限される眼球運動障害。先天性が多く、下斜視・眼瞼下垂・異常頭位を呈する。
片眼の黄斑暗点により中心窩融像が欠如しつつも周辺融像を維持する感覚適応状態。外見上正常で無症状だが、精細な立体視の欠如や軽度弱視を伴う。斜視手術後の良好な転帰として認識されることが多い。
単眼症は無分葉全前脳胞症の最重度の発現形態であり、顔面中央に単一眼窩が形成される致死的先天異常である。ソニック・ヘッジホッグ経路の障害が主な発症機序とされる。
CHD7遺伝子変異によるコロボーマ・心奇形・後鼻孔閉鎖・成長障害・性腺異常・耳奇形を主徴とする多発奇形症候群。集学的管理が必要であり、眼科的にはコロボーマに伴う網膜剥離リスクへの注意が重要である。
遠視や高AC/A比による調節努力に伴い、片眼または両眼が内側に偏位する小児期に多い内斜視。眼鏡矯正が治療の基本であり、早期介入が両眼視機能の獲得に重要である。
生後2年以内に発症する後天性眼振の一種で、眼振・頭部振盪・斜頸の三徴を特徴とする。大半が特発性で3〜4歳までに自然消退するが、視路膠腫や網膜ジストロフィーの除外が必要である。
頭蓋骨の縫合が早期に癒合することで頭蓋変形や神経学的合併症を生じる疾患群。Crouzon症候群、Apert症候群、Pfeiffer症候群などが含まれ、多職種による集学的管理が必要となる。
第一次硝子体過形成遺残(PFV)は胎生期の硝子体血管系の退縮不全により生じる先天性眼疾患である。 片眼性・非遺伝性で、小眼球を伴う白色瞳孔として発見されることが多い。 前部型・後部型・混合型に分類され、前部型に限局する場合は水晶体切除と弱視治療により 視力改善が期待できるが、後部型では予後不良である。
ダウン症候群(21トリソミー)に伴う眼科的合併症の種類・頻度・診断・治療について解説する。斜視・屈折異常・円錐角膜・白内障など多彩な眼所見を呈し、小児期からの定期的な眼科スクリーニングが重要である。
デュアン後退症候群は外転神経の先天的異常による非進行性の斜視症候群である。臨床分類・病態生理・治療を解説する。
デュアン症候群(Duane retraction syndrome; DRS)は外転神経の先天的異常と動眼神経による外直筋の異常支配を本態とする非進行性の斜視症候群である。分類・病態・診断・手術適応を解説する。
読字障害(ディスレクシア)は音韻処理の神経学的異常に起因する学習障害である。視覚との関係、診断、治療を解説する。
読字障害(ディスレクシア)は音韻処理の神経学的異常に起因する学習障害である。視覚との関係、診断、治療を解説する。
な行
7件内斜視は片眼が内側(鼻側)に偏位する眼位異常であり、乳児内斜視と調節性内斜視が代表的な病型である。 乳児内斜視は超早期手術(≤8か月)が両眼視獲得に有利であり、調節性内斜視は完全屈折矯正眼鏡が治療の基本となる。
ナノフタルモスは胎生期の眼球成長停止により両眼の前眼部・後眼部が短縮する稀な発達異常である。高度遠視、浅前房、強膜肥厚を特徴とし、緑内障やぶどう膜滲出を高率に合併する。
EDI-OCTで視神経乳頭周囲に認められる高反射の卵円形構造であり、軸索流停滞のマーカーとして多様な視神経疾患に関連する非特異的なOCT所見である。
生後6か月以内に発症する大角度の恒常性内斜視。早期の外科的矯正が両眼視機能の獲得に重要。
ヌクレオチド除去修復経路の欠陥による極めて稀な常染色体劣性遺伝疾患。小頭症・先天白内障・小眼球症・多発関節拘縮を呈し、予後は極めて不良である。
外側膝状体以降の視路損傷による小児の視覚障害。先進国における小児視覚障害の主要原因であり、低酸素性虚血性脳症が最多の病因である。多職種連携によるリハビリテーションが重要となる。
嚢胞性線維症(CF)はCFTR遺伝子変異による全身性疾患であり、ビタミンA欠乏による眼球乾燥症やCFRD関連網膜症、CFTRモジュレーター関連白内障など多彩な眼科的合併症を伴う。
は行
17件白色瞳孔(Leukocoria)は瞳孔が白く見える状態で、網膜芽細胞腫をはじめとする多くの眼疾患の徴候である。小児の赤色反射異常として発見され、迅速な鑑別診断が求められる。
特徴的な頭蓋顔面形態、先天白内障、小眼球症、乏毛症、皮膚萎縮、均衡性低身長を特徴とする非常にまれな先天性症候群。約90%に眼科的所見を伴い、多職種連携による管理が必要。
皮様嚢腫は胚性外胚葉の迷入により骨縫合線に生じる先天性眼窩分離腫である。病態・診断・手術治療を解説する。
輻輳近点(NPC)検査と跳躍輻輳検査による輻輳能の評価方法、および輻輳不全・輻輳麻痺・輻輳けいれんの診断と治療について解説する。
近方視における両眼の輻輳能力が不十分となり、眼精疲労・複視・頭痛などを生じる両眼視障害。輻輳訓練やプリズム眼鏡が主な治療法であり、小児から成人まで幅広い年齢層に発症する。
両眼の屈折異常に左右差があり、屈折異常が強い側の眼に生じる片眼性の弱視。弱視の原因として最も多く、3歳児健診や就学前健診で発見されることが多い。早期の屈折矯正と遮蔽療法により良好な視力回復が期待できる。
PHACES症候群は、顔面の巨大な乳児血管腫に後頭蓋穩奇形・動脈異常・心臓異常・眼異常・胸骨欠損を伴う稀な神経皮膚症候群である。
フォトスクリーニングはカメラを用いて小児の赤色反射を撮影・解析し、弱視の危険因子となる屈折異常や斜視を検出する視機能スクリーニング法である。
外眼筋の機能不全や過動を記録し、非共同性斜視を評価するための臨床検査法。赤緑眼鏡を用いて眼位偏位を図式的に記録するヘスチャートについて解説する。
小児に好発する眼瞼の急性化膿性炎症(麦粒腫)と慢性肉芽腫性炎症(霰粒腫)。麦粒腫は抗菌薬点眼が主体で大半が自然排膿するが、乳幼児では眼瞼膿瘍・眼窩蜂窩織炎への急速進展に注意が必要である。霰粒腫は温罨法・ステロイド局所注射で保存的に管理し、奏効しない場合は全身麻酔下での摘出術を検討する。
上斜筋腱・滑車複合体の異常による内転位での眼球挙上制限を特徴とする垂直斜視。先天性と後天性に分類され、自然寛解も多いが、下斜視や異常頭位が高度な場合は手術適応となる。
OPA1遺伝子の両アレル性変異により発症する稀な常染色体劣性遺伝疾患。小児期発症の視神経萎縮に加え、小脳性運動失調・痙性対麻痺・末梢神経障害など多彩な神経学的症状を呈する。
NR2F1遺伝子の変異による稀な常染色体優性遺伝疾患。視神経萎縮、知的障害、発達遅滞を主徴とし、皮質視覚障害を伴うことがある。
上方視と下方視で水平斜視の偏位量に差が生じるパターン斜視(A-V型斜視)について、V型・A型・Y型・X型・λ型の分類、病因、診断法、手術治療を解説する。
角膜中央部のDescemet膜欠損と角膜後面欠損に伴う先天性角膜混濁を主体とし、虹彩-角膜癒着や水晶体異常を合併する前眼部形成異常。50〜70%に緑内障を併発し、視力予後は不良である。
15番染色体15q11.2-q13領域の父親由来遺伝子の発現欠如により発症する遺伝性疾患。斜視(40%)、屈折異常、色素脱失など多彩な眼科的異常を伴い、多職種連携による管理が必要である。
斜視・複視の光学的治療として用いるプリズム眼鏡の種類、適応、処方法、プリズム順応試験、および漸減療法について解説する。フレネル膜プリズムの特性と限界、小児・成人両方の使用場面を網羅する。
ま行
15件下顎の動きに伴い下垂した眼瞼が挙上する先天性の神経原性眼瞼下垂。三叉神経と動眼神経の異常接続が原因で、先天性眼瞼下垂の2〜13%を占める。
肺炎マイコプラズマ感染に伴う粘膜皮膚疾患。SJS/TENとは異なる独立した疾患単位で、若年者に好発し口腔・眼・生殖器の粘膜炎を主体とする。眼の予後はSJS/TENより良好である。
マキューン・オルブライト症候群(MAS)の線維性骨異形成症が視神経管を圧迫して生じる視神経症。早期診断と適切な外科的介入のタイミングが視力予後を左右する。
マルファン症候群(MFS)はFBN1遺伝子変異による常染色体優性遺伝性結合組織疾患で、約60%に水晶体偏位を生じる。強度近視、網膜剝離、緑内障、白内障を高率に合併し、散瞳下の定期検査と早期介入が視力予後を左右する。
マルファン症候群(MFS)はFBN1遺伝子変異による常染色体優性遺伝性結合組織疾患で、約60%に水晶体偏位を生じる。強度近視、網膜剝離、緑内障、白内障を高率に合併し、散瞳下の定期検査と早期介入が視力予後を左右する。
ムコ多糖症VI型はアリルスルファターゼBの欠損によりデルマタン硫酸が蓄積するライソゾーム病。進行性の角膜混濁・緑内障・視神経障害を引き起こし、知的障害を伴わない点が特徴。
早産児に発生する特有の近視で、眼軸長延長ではなく前眼部(角膜・水晶体)の発達異常が主因である。未熟児網膜症(ROP)およびその治療と密接に関連し、治療法の選択が屈折予後に大きく影響する。
早産児の未熟な網膜血管に生じる増殖性血管疾患。在胎週数・出生体重が小さいほど重症化しやすく、 小児失明原因の約30%を占める。ICROP3に基づきzone・stage・plus diseaseで分類し、 ETROP基準のtype 1 ROPに対してレーザー光凝固または抗VEGF療法を行う。
PAX6遺伝子の変異によって虹彩がさまざまな程度で欠損する稀な先天性疾患。中心窩形成不全・緑内障・白内障・角膜症など多彩な眼合併症を伴い、進行性に視機能が低下する。
ムコ多糖症(MPS)はライソゾーム酵素の遺伝的欠損によりグリコサミノグリカンが眼組織に蓄積する疾患群である。角膜混濁・緑内障・網膜症・視神経乳頭病変が主な眼所見であり、型ごとに異なる特徴を示す。
眼球が先天的に完全に欠損する稀な眼球形成異常。遺伝的要因と環境的要因が関与し、早期の眼窩拡大治療と多職種連携による管理が不可欠である。
TWIST2遺伝子変異による稀な外胚葉異形成症。眼瞼の低形成、大口症、小耳症、皮膚弛緩などを特徴とし、角膜保護と眼瞼再建が治療の中心となる。
メビウス症候群は第6・第7脳神経の先天性障害により、水平眼球運動障害と顔面筋麻痺を呈する稀な先天性疾患である。先天性脳神経異常支配症候群(CCDDs)に分類される。
小児期で最も一般的な良性眼窩腫瘍。生後1年以内に増大し、その後数年で自然退縮する。弱視リスクがある場合はβ遮断薬による治療が第一選択となる。
網膜内の神経線維に髄鞘が限局性に形成される先天異常。眼底検査で刷毛状の白色混濁として偶然発見されることが多く、多くは無症状で治療不要である。
や行
1件ら行
5件ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は、ランゲルハンス細胞のクローン性増殖を特徴とする稀な疾患で、眼窩骨の溶骨性病変による眼球突出を主徴とする。小児に好発し、発生率は100万人あたり2〜9人である。
涙点が先天的に欠損する疾患。流涙が主症状で、約43%に外胚葉異形成症やダウン症候群などの全身性症候群を伴う。閉塞レベルに応じた外科的治療が必要となる場合がある。
涙嚢瘤は先天鼻涙管閉塞により涙嚢が嚢胞状に拡張する新生児期の疾患である。診断・治療・合併症について解説する。
出生時〜乳児期に重度の視覚障害を来す先天性網膜ジストロフィの中で最も重篤な型。常染色体劣性遺伝が主で、27以上の原因遺伝子が同定されている。
ろう・難聴児では言語的応答を前提とした従来の視力検査が困難となるため、年齢・発達段階に応じた非言語的手法の選択が重要となる。各種検査法の特徴と適応年齢、ろう・難聴児専用のJEI/JEI検査表の使用法を解説する。