直筋群
内直筋(MR):腱長4.5mm(最短)。内転が主な作用。最短の腱を持つ。
外直筋(LR):接触弧12mm(最広)。外転が主な作用1)。
上直筋(SR):角膜縁から7.7mm(最遠位)。主=上転、副=内方回旋・内転1)。支配ニューロンは中脳で交叉し対側支配となる。
下直筋(IR):主=下転、副=外方回旋・内転1)。
外眼筋は人体で最も特殊化した骨格筋群の一つである。眼球運動を制御する6本の随意筋(4直筋+2斜筋)と眼瞼挙上を担う上眼瞼挙筋(LPS)、および不随意筋3本(上足根筋・下足根筋・眼窩筋)から構成される。
発生学的に外眼筋の筋肉本体は中胚葉に由来し、結合組織成分は神経堤細胞に由来する。
眼球運動を担う随意筋は6本(内直筋・外直筋・上直筋・下直筋・上斜筋・下斜筋)であり、眼瞼を挙上する上眼瞼挙筋を加えると随意筋は合計7本となる。これに上足根筋・下足根筋・眼窩筋の不随意筋3本を合わせると10本が眼窩内の筋肉である。
各筋の停止位置(角膜縁からの距離)・主作用・神経支配を以下に示す。
| 筋名 | 角膜縁からの距離 | 主作用 | 神経支配 |
|---|---|---|---|
| 内直筋(MR) | 5.5mm | 内転 | CN3下枝 |
| 外直筋(LR) | 6.9mm | 外転 | CN6 |
| 上直筋(SR) | 7.7mm | 上転・内方回旋・内転 | CN3上枝 |
| 下直筋(IR) | 6.5mm | 下転・外方回旋・内転 | CN3下枝 |
| 上斜筋(SO) | —(後外側) | 内方回旋・下転・外転 | CN4(滑車神経) |
| 下斜筋(IO) | —(後外側) | 外方回旋・上転・外転 | CN3下枝 |
4直筋の停止点を結ぶと螺旋状の曲線(ティローの渦巻)を形成する。角膜縁からの距離は内直筋(5.5mm)→下直筋(6.5mm)→外直筋(6.9mm)→上直筋(7.7mm)の順に増加する。
直筋群
内直筋(MR):腱長4.5mm(最短)。内転が主な作用。最短の腱を持つ。
外直筋(LR):接触弧12mm(最広)。外転が主な作用1)。
上直筋(SR):角膜縁から7.7mm(最遠位)。主=上転、副=内方回旋・内転1)。支配ニューロンは中脳で交叉し対側支配となる。
下直筋(IR):主=下転、副=外方回旋・内転1)。
斜筋群
上斜筋(SO):外眼筋の中で最長。眼窩上内側から起始し、滑車で反転後に上直筋下を通過して後外側に停止する。主=内方回旋、副=下転・外転1)。滑車神経(CN4)が支配し、脳幹背面から出る唯一の脳神経である。
下斜筋(IO):鼻涙溝外側の眼窩底から起始する。主=外方回旋、副=上転・外転1)。
ジン腱環上方から起始し、ホイットノール靭帯(上横靭帯)で方向を垂直から水平に転換して挙筋腱膜を介して瞼板に停止する。動眼神経上枝が支配する。
前眼部虚血のリスクから、一度に手術する直筋は最大2本までが原則とされる。4直筋はすべて前毛様体動脈を介して眼球前部に血流を供給しており、複数筋の同時手術では虚血リスクが上昇する。
眼球運動は複数の生理法則によって調整される。
ヘリングの法則
等分神経支配の法則:共役眼球運動において配偶筋(協同筋)へ等量の神経支配が同時に流れる。
臨床的意義:麻痺性斜視では、麻痺眼で固視するときの二次偏差(健眼の偏位)が健眼固視時の一次偏差(麻痺眼の偏位)より大きくなる。
シェリントンの法則
相反神経支配の法則:主動筋への神経支配が増加すると、同側の拮抗筋への神経支配が同時に減少する。
臨床的意義:例えば外転神経麻痺(外直筋麻痺)では患眼内直筋の拘縮が続発性に生じる。
先天性外眼筋線維症(CFEOM)はCN3・CN4の発達異常による代表的なCCDDである1)。眼瞼下垂と上転制限を特徴とし、眼球が下方を向いた状態で固定される。CCDDは関与する脳神経の種類によってデュアン後退症候群・CFEOM・Moebius症候群などに細分される1)。
共役眼球運動において、一対の配偶筋(例:右眼外直筋と左眼内直筋)に等量の神経支配が同時に送られるという法則である。麻痺性斜視では、麻痺眼で固視しようとするとき配偶筋への神経支配が増大し、健眼の配偶筋も過剰収縮するため、二次偏差が一次偏差より大きくなる。これが麻痺性斜視の診断に重要な所見を生む。