白内障・前眼部
水晶体は眼の中でレンズの役割を果たす透明な組織で、加齢やさまざまな原因により濁ることがあります。前眼部とは角膜の後方から水晶体までの領域を指します。このカテゴリでは、水晶体の混濁・位置異常や、虹彩・前房に関わる疾患を扱います。
全123件の疾患
よく参照される疾患
あ行
9件硬質ガス透過性(RGP)コンタクトレンズの長期装用は角膜形状を変化(角膜ワーページ)させ、眼内レンズ度数計算の精度に影響する。白内障手術前に十分な装用中止期間を設けて角膜形状を安定化させる必要がある。
白内障手術で移植する眼内レンズ(IOL)の度数を決定するために行う眼の生体計測。眼軸長・角膜屈折力・有効レンズ位置を主要パラメータとし、計算式の世代とともに精度が向上してきた。
長後毛様体神経が強膜内でループを形成する正常解剖学的変異。細隙灯検査で偶発的に発見され、強膜異物や腫瘍との鑑別が重要だが、治療は不要。
浅前房の原因分類(瞳孔ブロック・プラトー虹彩・術後・炎症性等)、van Herick法・隅角鏡・前眼部OCT・UBMによる診断、急性発作の緊急対応から水晶体再建術まで網羅する前眼部診療の基本記事。
アトピー性皮膚炎に伴う若年性白内障。前嚢下のヒトデ状混濁が特徴で、眼叩打行動と眼内好酸球顆粒蛋白流入が発症に関与する。Zinn小帯脆弱や網膜剥離の合併に注意した手術計画が求められる。
白内障手術後の眼内レンズ(IOL)挿入眼に生じる不快な光学現象。ハローやスターバーストなどの陽性型と、耳側の暗い影として現れる陰性型に分類される。
嚢胞性線維症(CF)の治療薬であるイバカフトルを服用する小児に生じる非先天性白内障。視機能への影響は軽微なことが多いが、定期的な眼科スクリーニングが推奨される。
ADAMTSL4遺伝子変異による先天性の眼異常。孤立性水晶体脱臼・水晶体瞳孔脱臼・先天白内障を主な表現型とし、常染色体劣性遺伝を示す稀少遺伝性眼疾患。
円錐角膜(角膜の進行性拡張性疾患)を合併した患者に対する白内障手術の術前計画・IOL度数計算・手術手技・術後管理について解説する。IOL度数計算の困難さと術後屈折誤差が主要な課題となる。
か行
31件白内障手術における水晶体核の分割・破砕技法の総称。分割統治法、フェイコチョップ法、ストップアンドチョップ法など複数の手技があり、核硬度・術者経験・合併症リスクに応じて選択する。
円錐角膜や屈折矯正手術後拡張症など角膜拡張症患者における白内障手術時のIOL度数計算の課題と対策を解説。角膜トモグラフィーや円錐角膜専用計算式の活用が鍵となる。
白内障手術における透明角膜切開(CCI)の閉鎖を補助するために、角膜実質に灌流液を注入して角膜を膨潤させる手技。術後眼内炎の予防を目的として広く普及している。
川崎病(皮膚粘膜リンパ節症候群)は主に小児に発症する急性血管炎で、両側性球結膜充血や前部ぶどう膜炎などの特徴的な眼所見を呈する。眼症状の早期認識が診断の遅れを防ぎ、冠動脈合併症の予防に直結する。
過熟白内障の超音波検査において、プローブの斜め走査により水晶体赤道部がぶどう膜メラノーマ様のドーム状病変として偽描出される稀な現象。正確な鑑別が重要。
筋強直性ジストロフィー(DM)に伴う眼症状の解説。白内障・眼瞼下垂・眼球運動障害・低眼圧・フックス角膜内皮ジストロフィなど、多岐にわたる眼科的合併症とその管理を記述する。
眼科手術に用いられる球後麻酔(後部眼球内注射)の手技、薬剤、合併症、および脳幹麻酔などの重篤な全身合併症への対応を解説する。
球状水晶体は水晶体の赤道径縮小・前後径増大を特徴とする先天奇形であり、円錐水晶体は水晶体前面または後面に円錐状突出を生じる先天異常である。いずれもチン小帯異常や水晶体嚢の発生異常に起因し、続発緑内障・強度近視・白内障を合併しやすい。
強度近視眼における白内障手術の術前評価・IOL度数計算・術中合併症・術後管理について解説。眼軸長の延長に伴う特有の課題と、AI駆動の新世代計算式による精度向上を含む。
駆出性出血(駆逐性出血)は白内障手術中に脈絡膜の血管が破綻し、上脈絡膜腔に急速な出血が生じる最重篤な術中合併症である。発症頻度は0.04〜0.1%と稀であるが、重症例では眼球内容の脱出により失明に至り得る。
眼科レジデント教育のための顕微鏡手術シミュレーション施設の設計・構築に関する実践的ガイド。ウェットラボ・ドライラボの設備仕様、デジタル教育技術の活用方法を解説する。
水晶体後極部に円盤状混濁を生じる先天性白内障の亜型。常染色体優性遺伝を示し、後嚢の脆弱性により白内障手術の難度が高い。
周辺部虹彩の後方湾曲と虹彩の水晶体前面への固着を特徴とする稀な疾患。網膜剥離・低眼圧・眼内炎症に伴って発生し、虹彩膨隆とは逆の深前房を呈する。
瞳孔縁に生じる先天性の良性嚢胞様病変。虹彩色素上皮に由来し、通常は良性経過をたどるが、ACTA2遺伝子変異に関連する家族性大動脈疾患の眼科的マーカーとなりうる。
虹彩嚢胞は虹彩に生じる液体を含む嚢状構造で、原発性(色素上皮嚢胞・間質嚢胞)と続発性(外傷・手術後・薬剤性)に分類される。多くは無症候性だが、大型化すると緑内障や角膜内皮障害をきたす。
虹彩静脈瘤(Iris Varix)は、虹彩血管の異常拡張・蛇行を特徴とする良性病変。多くは無症状で片側性に発症し、長期にわたって安定した経過をたどる。
瞳孔縁に生じる微小な絡み合い状の血管病変(Cobb房、虹彩血管房とも呼ばれる)。通常は無症状であるが、自然前房出血や続発緑内障の原因となりうる稀な良性血管性病変。
白内障手術中に水晶体後嚢に生じる破綻。早期認識と適切な対処が視機能予後を大きく左右する術中合併症。
白内障手術後の後嚢混濁(後発白内障)の病態・予防・治療と、後方光学部ボタンホール固定(POBH)によるOptic Captureテクニックを解説する。
白内障手術後に残存した水晶体上皮細胞が増殖・移動して後嚢を混濁させる、最も頻度の高い術後合併症。Nd:YAGレーザー後嚢切開術で効果的に治療できる。
水晶体核が極度に硬化・黒色化した白内障の最重症型。法的失明レベルの視力低下を来し、手術リスクが高い難症例として知られる。
眼外傷後に生じる外傷性白内障の分類・診断・術前計画・手術手技・小児への対応・予後を解説。穿孔性・鈍的外傷の臨床像、OTSスコア、一次的vs二次的摘出の選択基準も詳述。
眼科手術で使用される三次元(3D)ディスプレイシステム(ヘッズアップサージェリー)の概要・種類・利点・限界について解説。NGENUITY、TrueVision、ヘッドマウントシステムを含む最新技術。
眼科手術用粘弾性物質(OVD)は白内障手術などの内眼手術で使用される手術補助物質であり、前房の空間保持・角膜内皮保護・組織の分離・IOL挿入補助などの多様な役割を果たす不可欠な手術器具である。
眼内レンズ(IOL)の種類・適応・度数計算・術後視機能をまとめた総論ハブ。単焦点から三焦点・EDOF・トーリック・有水晶体IOLまで比較表と度数計算式選択表で整理する。
白内障手術後に眼内レンズ(IOL)の光学部が混濁する合併症。カルシウム沈着やグリスニングなど複数の機序があり、視機能障害を来す場合はIOL摘出交換が必要となる。
白内障手術で使用される眼内レンズ(IOL)の素材別特性を比較解説する。疎水性アクリル・親水性アクリル・シリコーン・PMMA・コラマーなど主要素材の光学特性、生体適合性、合併症を網羅する。
白内障手術後の合併症の一つで、眼内レンズの光学部が虹彩前に脱出する状態。縫着IOL・強膜内固定IOL後に起こりやすく、強膜縫着IOLでの発生率は約3.6%である。グレア・羞明感が特徴的で、逆瞳孔ブロックによる再発に注意を要する。
白内障手術後に眼内レンズが正常位置からずれる合併症。落屑症候群やチン氏帯脆弱が主要なリスク要因であり、視力低下や眼圧上昇を引き起こす。
水晶体嚢・虹彩・毛様体などに線維性異常物質が沈着する全身性疾患。白内障手術の合併症リスクを高め、緑内障の重要な原因となる。70歳以上の約4%に認められ、20〜40%に緑内障を合併する。
仰臥位(仰向けで平らになった状態)がとれない患者に対する白内障手術の体位管理。強直性脊椎炎・起坐呼吸・脊椎後弯症などの患者に対応するための3つの選択肢を解説する。
さ行
22件細隙灯顕微鏡(スリットランプ)による前眼部・後眼部の検査方法を解説。照明技術、系統的観察手順、臨床的意義、処置への応用まで網羅。シリコーンオイル誘発性瞳孔ブロックへのスリットランプ下処置など最新の応用も解説。
白内障手術後に眼内レンズ(IOL)の支持部(haptic)が水晶体嚢と毛様溝に非対称に配置されることで生じるIOL上方亜脱臼。術後の視機能異常の原因となる。
自己閉鎖性の強角膜トンネル切開から核を摘出する水晶体嚢外摘出術の一種。縫合不要で低コスト・短時間を特徴とし、途上国を中心に広く普及している。
硝子体切除術後に進行した白内障に対する手術と、白内障と硝子体手術を同時に行う白内障硝子体同時手術(phacovitrectomy)の概要。術前・術中・術後の注意点を解説する。
水晶体蛋白に対するⅢ型アレルギーにより生じる肉芽腫性前部ぶどう膜炎。外傷・手術・過熟白内障による水晶体囊破損後に発症し、早期の水晶体物質除去が根本治療である。
水晶体欠損は毛様小帯線維の部分的欠損により水晶体赤道部にノッチ状の凹みを生じる先天性疾患である。胎生裂閉鎖不全に関連し、虹彩・網脈絡膜コロボーマとの合併が多い。
過熟白内障の自然破囊や白内障手術・外傷後の水晶体蛋白漏出により発症する眼内炎。マクロファージが水晶体蛋白を貪食し線維柱帯を閉塞することで眼圧上昇を伴うことが多い。水晶体成分の外科的除去が根本治療である。
水晶体が正常位置からずれる疾患。Zinn小帯の脆弱化・断裂が原因で、先天性ではマルファン症候群やホモシスチン尿症などの全身疾患に合併し、後天性では外傷が最多原因である。軽症例は屈折矯正で経過観察し、進行例では水晶体摘出術を行う。
白内障手術における核分割法の一つ。超音波チップとチョッパーを垂直面で近づけることで核を分割し、超音波エネルギー使用量の低減と硬核・小瞳孔・チン小帯脆弱症例での安全性向上が利点となる。
白内障手術(超音波乳化吸引術)における核処理技法のひとつ。ディバイド・アンド・コンカー法で核を2分割した後、フェイコチョップ法に移行して残りの核を処理する混合術式。汎用性が高く、初心者から上級者まで広く用いられる。
生下時または乳幼児期に発症する水晶体混濁。出生1,000〜10,000人に1人の頻度で発生し、形態覚遮断弱視を防ぐための早期手術と長期的な弱視治療・屈折矯正が視力予後を左右する。
白内障手術(超音波水晶体乳化吸引術)における切開創の作製方法を解説。透明角膜切開・強角膜切開・経結膜強角膜一面切開の手技、位置・サイズ・構造の選択基準、合併症予防のポイントをまとめる。
先天性虹彩コロボーマ・外傷・白内障手術後の虹彩損傷に対する虹彩縫合術(pupilloplasty)の適応・手技(Siepser法・McCannel法・SFT法)・術後成績を詳解。人工虹彩デバイスとの適応の分岐基準も解説。
白内障手術中に眼内レンズ(IOL)度数の確認・最適化を行う波面収差測定技術。屈折矯正手術の既往眼やトーリックIOLの軸合わせで特に有用とされる。
白内障手術中にα1アドレナリン受容体遮断薬(タムスロシンなど)の服用歴がある患者で発症する虹彩の弛緩・脱出・進行性縮瞳を特徴とする症候群。術前の薬歴聴取と適切な術中対策が重要である。
白内障手術後に発症する術後眼内炎の総説。術後1週以内に発症する急性型と、1か月以降に発症する遅発型(Cutibacterium acnes が代表)を一括して解説。疫学・起炎菌・臨床像・診断・段階的治療・EVS の推奨・予防戦略を扱う。
白内障手術後の感染性眼内炎を予防するための周術期戦略。術前消毒・術前後抗菌薬点眼・前房内抗菌薬投与・切開創管理など、エビデンスに基づく予防法を解説する。
白内障手術・屈折矯正手術前に行う角膜形状解析(コーニアル・トポグラフィー)の目的・種類・臨床的意義を解説。IOL度数計算の精度向上、ドライアイの影響、術前評価の実際を網羅する。
角膜・虹彩・水晶体など前眼部の発生過程に異常をきたす先天性疾患群の総称。遺伝的多様性が高く、続発緑内障を合併しやすいことが共通した特徴である。
前房(角膜と虹彩の間)内に血液が貯留する状態。鈍的外傷が最多の原因であり、眼圧上昇や角膜血染など視力に関わる合併症を引き起こしうる。
前房内の血液・膿・炎症物質・化学物質・粘弾性物質などを灌流液で洗い出す手技。眼内炎・前房出血・角膜血染症・化学熱傷・白内障術後合併症など幅広い前眼部疾患に適応される。
水晶体嚢またはチン氏帯の支持が失われた場合に用いる前房固定型の眼内レンズ(ACIOL)。柔軟なオープンループ型設計により、現代では旧式設計と比べて良好な転帰が得られる。
た行
14件白内障手術における多焦点眼内レンズ(三焦点・EDOF・調節型IOL)の分類・光学原理・適応選択・視力成績・合併症管理・ミックス&マッチ戦略について包括的に解説する。
白内障手術で最も多く使用される単焦点眼内レンズ(IOL)の種類・素材・光学設計・度数計算・手術成績・術後合併症を解説。 疎水性アクリルが標準素材であり、非球面設計やトーリック設計など多様な選択肢がある。
水晶体を支えるチン氏帯(Zinn小帯)の支持機能が低下した状態。偽落屑症候群・外傷・全身疾患など多様な原因で生じ、白内障手術の難度を著しく高める。
35〜100 MHzの高周波超音波を用いて前眼部を高解像度で断層画像化する検査装置。虹彩後方・毛様体など光学的に観察困難な構造を描出でき、閉塞隅角緑内障・前眼部外傷・腫瘍などの診断に不可欠なツール。
チン小帯が通常の水晶体赤道部への付着部を超えて前方に伸展する解剖学的変異。推定有病率は約2%。色素散布症候群、閉塞隅角緑内障、白内障手術合併症のリスクと関連する。
テノン嚢と強膜の間の潜在的腔隙に局所麻酔薬を注入する眼科手術用麻酔法。鈍針を使用するため眼球穿孔などの重篤な合併症が少なく、白内障手術から硝子体手術まで幅広く用いられる。
白内障手術における乱視矯正眼内レンズ(トーリックIOL)の適応基準・IOL計算・後部角膜乱視の考慮・手術手技・軸合わせ・合併症・最新エビデンスを解説。
糖尿病に伴う水晶体混濁。ポリオール経路によるソルビトール蓄積が主要機序であり、皮質混濁・後嚢下混濁が特徴的である。白内障手術は有効だが、術後の網膜症・黄斑浮腫悪化に注意を要する。
白内障のない透明な水晶体を摘出し眼内レンズを挿入する屈折矯正手術。強度屈折異常や閉塞隅角緑内障に対して行われる。
手動小切開白内障手術(MSICS)の新しい核処理手技。6mm未満の強角膜トンネル内で水晶体核を分割・除去することで、誘発乱視を軽減する術式である。
瞳孔の縮瞳(小瞳孔)と散瞳の原因・鑑別・診断を網羅し、白内障手術時の小瞳孔対策まで包括的にまとめた解説記事。Horner症候群、Adie瞳孔、動眼神経麻痺、IFISなどの鑑別と治療を整理する。
白内障手術における小瞳孔・術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)に対し、虹彩レトラクター・瞳孔拡張リング・機械的伸展などで瞳孔を確保する手技・デバイスの解説。
瞳孔膜遺残(Persistent Pupillary Membrane: PPM)は前水晶体血管膜の遺残による先天異常。疫学・分類・臨床所見・診断・治療(散瞳薬・レーザー・手術)を詳説する。
白内障手術などの前眼部手術後12〜48時間以内に発症する無菌性急性炎症反応。適切なステロイド治療により多くは回復するが、感染性眼内炎との鑑別が重要。
な行
6件内視鏡を用いて毛様体突起を直視下にレーザー焼灼し、房水産生を抑制して眼圧を下降させる緑内障手術。白内障手術との同時施行が増加している。
PAX6遺伝子変異による先天性虹彩欠損症。緑内障・白内障・角膜輪部疲弊症・黄斑低形成を高率に合併し、定義・診断基準・重症度分類・治療戦略を解説する。
初回白内障手術時にIOLを挿入できなかった無水晶体眼や、IOL脱臼・混濁・屈折誤差などを生じた眼に対して行う二次的なIOL移植術。嚢支持の状態に応じて術式を選択する。
CYP27A1遺伝子変異によるステロール27-ヒドロキシラーゼ欠損で胆汁酸合成が障害され、コレスタノールが脳・腱・水晶体に蓄積する稀な常染色体劣性の脂質蓄積疾患。
チン氏帯脆弱・断裂を伴う白内障手術において水晶体嚢の安定性を維持するために使用されるデバイス群。嚢拡張リング(CTR)・改良型CTR・嚢拡張セグメント(CTS)・嚢支持フックが含まれる。
白内障手術後に眼内レンズ後面と水晶体後嚢の間に血液が貯留する稀な合併症。
は行
26件白内障手術における水流を用いた水晶体組織の分離手技。ハイドロディセクションとハイドロデリニエーションの2手技を中心に、核の授動・皮質除去・後嚢保護を実現する基本操作である。
水晶体の混濁が高度に進行し、白色を呈した成熟・過熟白内障。手術難度が高く、特殊な術前評価と前嚢切開技術が求められる。
水晶体が混濁し視力低下をきたす疾患。加齢が最大の原因であり、80歳以上では有病率が100%に達する。超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術が唯一の根治的治療法である。
白内障手術(水晶体乳化吸引術)の習得に向けた教育手法の解説。VRシミュレーター・ウェットラボ・コンピテンシー評価など、現代的な外科教育の全体像を示す。
白内障の診断・眼内レンズ度数計算・手術支援に応用される人工知能(AI)やデジタル技術の概要。深層学習による自動診断、AIベースのIOL計算式、術中フェーズ認識などの最新動向を解説する。
古代の墜下法から現代の超音波乳化吸引術・フェムト秒レーザー手術に至るまで、白内障手術の進化の歴史を時系列で解説する。
白内障手術に伴う術中・術後の合併症の総称。後嚢破損、後発白内障、嚢胞様黄斑浮腫、眼内炎、眼内レンズ脱臼などが含まれ、適切な予防と管理が視機能予後に直結する。
白内障手術後に生じる近視・遠視・乱視などの屈折誤差の原因、分類、予防策、および眼鏡・レーザー・IOL交換などの治療法について解説する。
白内障手術時に既存の角膜乱視を同時に矯正する治療戦略。トーリック眼内レンズ・フェムトセカンドレーザー弧状切開・輪部減張切開など複数の手法を解説する。
白内障と緑内障を同時に手術する併用療法の考え方を整理。白内障単独、MIGS併用、線維柱帯切除術併用、ドレナージデバイス併用の選択軸をわかりやすく解説する。
白内障手術後に使用される局所点眼薬(抗菌薬・ステロイド・NSAIDs・ドライアイ治療薬)の種類・用法・エビデンスと、術中投与により点眼を省略するドロップレス戦略を解説する。
白内障手術後に黄斑部網膜の外網状層・内顆粒層に嚢胞状の液体貯留を生じ、視力低下を引き起こす術後合併症。Irvine-Gass症候群とも呼ばれ、多くは自然軽快するが、慢性化すると永続的な視力障害に至ることがある。
白内障手術後に生じる水晶体嚢の合併症群。前嚢収縮症候群(嚢の過剰収縮・線維化)、水晶体嚢拡張症候群(嚢内液体貯留)、デッドバッグ症候群(水晶体上皮細胞消失によるIOL晩期脱臼)の3病態を解説する。
白内障手術後に紫外線照射によって度数を術後調整できる眼内レンズ(LAL)。2017年にFDA承認。屈折精度の向上と患者満足度の改善をもたらす先進的なIOL技術。
副腎皮質ステロイドの投与により生じる眼科的合併症として、後嚢下白内障とステロイド緑内障が代表的である。投与経路・用量・期間に関わらず発症リスクがあり、定期的な眼科的モニタリングが必要。
超音波水晶体乳化吸引術(PEA)における流体力学と超音波エネルギーの物理的原理。安全・効率的な白内障手術のために術者が制御すべきパラメータと機序を解説する。
フェムト秒レーザーを用いて白内障手術の主要ステップ(角膜切開・前嚢切開・核分割)を自動化する技術。従来の超音波水晶体乳化吸引術と同等の安全性・視力予後を持ち、前嚢切開の精度と再現性に優れる。
ぶどう膜炎や全身疾患(糖尿病・アトピー性皮膚炎・筋強直性ジストロフィなど)に伴って生じる白内障。術前の炎症コントロールと周術期管理が手術成績を左右する。
電離放射線(X線・γ線)曝露により生じる白内障。後嚢下白内障が特徴的で、ICRP は2012年にしきい線量を0.5 Gyに引き下げた。含鉛保護眼鏡による予防が最も重要であり、視機能障害には通常の白内障手術で対応する。
眼内レンズの脱臼・落下に対する手術法。縫着術は縫合糸でIOLを強膜に固定し、強膜内固定術(Yamane法)はハプティックを強膜トンネルに埋め込む。適応・術式選択・手技・合併症を解説する。
シスタチオニンβ合成酵素(CBS)の欠損による先天性アミノ酸代謝異常症。水晶体脱臼を高率に合併し、骨格異常・血栓塞栓症・知的障害を伴う常染色体劣性遺伝疾患である。
前嚢と後嚢の両切開縁を眼内レンズの溝に嵌合させることで後発白内障を予防する革新的な白内障手術手技。成人・小児の両方に適応される。
白内障手術後(特に水晶体嚢内摘出術後)の無水晶体眼に生じる、周辺部角膜浮腫を特徴とする稀な疾患。中央角膜は長期にわたり温存されることが多く、視機能への影響は軽度にとどまる場合が多い。
水晶体皮質の液化・膨化により水晶体内圧が上昇した進行白内障。手術時の前嚢切開が困難であり、特別な術前評価と術中対策が求められる。
膨隆白内障(水晶体の混濁と腫脹を伴う複雑型白内障)に対する外科的管理の要点。水晶体内圧上昇・赤色反射消失に伴う前嚢切開の困難と、トリパンブルー染色・減圧・粘弾性物質・AS-OCTによる対処法を解説する。
小開口(ピンホール)原理を利用して焦点深度を延長する眼内レンズ。白内障手術と同時に老視矯正や不正乱視の軽減を目的として使用される。
ま行
3件FBN1遺伝子変異による常染色体優性遺伝性結合組織疾患。眼科的には水晶体異位(ectopia lentis)を高頻度に合併し、緑内障・白内障・網膜剥離のリスクも高い。
先天無虹彩症患者が眼内手術後に発症する稀な合併症。痕跡的な虹彩根部から線維性膜が形成され、眼内レンズの変位・角膜内皮不全・低眼圧などを引き起こす。
過熟白内障が進行し皮質が液化することで、硬い核が水晶体嚢内の底部へ沈下した状態。発展途上国に多く、水晶体溶解性緑内障や水晶体過敏性ぶどう膜炎を合併するリスクがある。
や行
1件ら行
4件白内障手術中に水晶体核が硝子体腔に落下した状態の診断と治療法を解説。発生率0.1〜0.28%の術中合併症に対する硝子体手術の適応・手技(PFCL法・ケバブ法)、IOL二次固定、視力予後について詳述する。
両眼同時白内障手術(即時順次両眼白内障手術:ISBCS)の適応・禁忌・手術手技・合併症と安全プロトコルを解説。片眼ずつ行う逐次手術との比較、眼内炎予防のための完全無菌分離の重要性も詳述。
白内障手術における前嚢切開の標準手技。水晶体前嚢に円形の開口部を作成し、眼内レンズの安定した固定を実現する。
X連鎖劣性遺伝のOCRL遺伝子変異による先天代謝異常症。先天白内障・緑内障・知的障害・腎機能障害を三徴とし、男児に発症する稀な疾患。
わ行
1件その他
6件白内障手術中に灌流液がチン小帯を通過して後方に迷入し、毛様体ブロック様の機序で前房消失と眼圧上昇をきたす重篤な術中合併症である。早期認識と適切な術中対応が視力予後を左右する。
白内障手術後に既存の眼内レンズの前に追加挿入するアドオンIOL(ピギーバックIOL)の種類・適応・手技・合併症について解説する。
虹彩欠損(コロボーマ)は胎生裂の閉鎖不全により虹彩下方に先天性の欠損を生じる疾患。鍵穴状瞳孔が特徴的で、脈絡膜・視神経への合併を伴うことがある。分類・診断・治療・遺伝的背景を解説する。
無虹彩・外傷・白化症などに対する人工虹彩デバイスの種類・適応・手術手技・合併症と、美容目的使用の危険性を詳解。
EPG5遺伝子の機能喪失型変異を原因とする常染色体劣性遺伝の稀な多臓器疾患。脳梁欠損、両側性白内障、色素沈着低下、心筋症、免疫不全を特徴とし、予後は不良である。
眼内レンズ(IOL)の位置異常により虹彩を機械的に擦過し、ぶどう膜炎・緑内障・前房出血の三徴を呈する症候群。シングルピースアクリルIOLの毛様溝挿入やIOL偏位が主なリスク因子であり、IOLの整復・交換が根本治療となる。