どんな治療?
連続環状前嚢切開術は、白内障 手術のときに水晶体 の前嚢へ円形の開口部を作る手技です。この開口部は、眼内レンズ を安定して固定するための基盤になります。
この手技は何のために行うのですか?
水晶体 の前嚢に円形の開口部を作り、その後の超音波水晶体乳化吸引術 と眼内レンズ 挿入の基盤を整えるためです。正円で適切な大きさの開口部が眼内レンズ を均等に覆うことで、長期的な安定性と後発白内障 の予防にも役立つとされています。
作る円の大きさはどのくらいがよいのですか?
理想は、正円で眼内レンズ より小さく、眼内レンズ を覆える5〜5.5 mmとされています。小さすぎると前嚢が収縮しやすく、視力 低下につながることがあります。
手術中に気をつけることはありますか?
切開の縁が水晶体 の外側に向かって広がりそうなときは、すぐに目の中にOVD (粘弾性物質 )を追加して後方からの圧をやわらげることが大切です。発見が遅れると核落下 や硝子体 脱出などの重い合併症につながるため、注意が必要です。
本編
もっと詳しく知りたい方へ
ここからは、このテーマについて、さらに詳しく解説します。
この手技の要点
連続環状前嚢切開 (CCC)は1990年にGimbelとNeuhannが発表した白内障 手術の標準的前嚢切開手技である。
連続した曲線状の縁は力に対して裂けず伸びるため、前嚢裂け目のリスクを低減する。
眼内レンズ (IOL )光学部を完全に覆うサイズ(5〜5.5 mm)の正円を作製することが最重要である。
成熟白内障 ・小瞳孔 ・Zinn小帯脆弱 例など難症例ではトリパンブルーによる前嚢染色が有効である。
フェムトセカンドレーザー (FSLC)やPrecision Pulse Capsulotomy(PPC)など自動前嚢切開デバイスも普及している。
連続環状切嚢施行後の白内障 手術では術後1〜3か月で平均11〜12%の角膜内皮細胞密度 (ECD )低下が生じる。
前嚢切開が赤道部に向かって流れた場合は速やかにOVD 追加と方向転換操作で対応する。
連続環状前嚢切開術(continuous curvilinear capsulorhexis:CCC)は、白内障 手術中に水晶体 前嚢に円形の開口部を作成する外科的手技である。ギリシャ語で「裂く」を意味する「rhexis」に由来し、カプソロレキシとも呼ばれる。
18世紀以前、白内障 の除去は水晶体 を後方へ押し下げる「墜下法」で行われていた。18世紀半ばにJacques Davielがシストトーム(截嚢針)を用いた水晶体 核摘出法を開発し、前嚢切開の概念が生まれた。
その後、様々な手技が試みられた。「缶切り(can opener)法」「封筒(envelope)法」「クリスマスツリー法」などが開発されたが、いずれも縁からの裂け(ランアウト)や嚢収縮を招いた。
連続環状切嚢は1985〜1987年にかけて相次いで報告され、現代の標準手技となった。連続した曲線状の縁は手術操作による力に対して裂けず伸びる。連続環状切嚢と眼粘弾剤(OVD )の使用により、IOL を意図的に嚢内に挿入できるようになり、術後のIOL 偏位は激減した。
適切な連続環状切嚢の作製は、術後のIOL 安定性確保に直結する。正確な正円かつIOL 光学部よりも小さい連続環状切嚢は、IOL を嚢内に確実に固定する基盤となる。特に多焦点レンズや乱視 矯正レンズ(トーリック)などのプレミアムIOL 挿入例では、IOL の中心固定(centration)を最大化するために連続環状切嚢の精度が一層重要となる2) 。
Q
連続環状切嚢を作製する目的は何か?
A
水晶体 前嚢に円形の開口部を作成し、その後の超音波水晶体乳化吸引術 とIOL 挿入の基盤を整えるためである。正円で適切なサイズの連続環状切嚢がIOL 光学部を均等に覆うことで、長期的なIOL 安定性と後発白内障 の予防にも寄与する。
連続環状前嚢切開 は手技的に難しい操作であり、その成否が手術全体の安全性を左右する。
連続環状切嚢作製の基本原則は以下の通りである。
OVD による前房 形成 :連続的な嚢の引き裂きは、OVD による圧力下で安定した前房 内で行う
中心からの開始 :引き裂きは前嚢の中心から開始し、開始点が円状の裂け目に含まれるようにする
方向制御 :連続的な引き裂きを時計回りまたは反時計回りに進め、裂ける方向(ベクトル)を制御する
後嚢保護 :後嚢(posterior capsule)を損傷させない
ターンオーバー法は連続環状切嚢縁が円周に沿うように前嚢を反転させていく方法である。
OVD を前房 に注入して前嚢を平坦化する
チストトームまたは鑷子の先端を前嚢の中心部に突き刺し、曲線状のスリットを入れる(CCCの予定半径の5〜7割を目安とする)
前嚢フラップを捕捉し、上方および前方へ押して裂け目を進める
フラップの捕捉ポイントがリーディングエッジに近いほど、牽引方向に直接裂け目が追従する
1/4〜1/3周を目安にフラップを持ちかえながら連続環状切嚢を完成させる
裂け目が一周したら、外側から内側へ向かうようにして元の線に合流させる
鑷子は前嚢を確実に把持できるため、初心者にはチストトームよりも難易度が低い。
前嚢切開用鑷子を使用することで、確実にフラップを捕捉できる
切開創から鑷子を挿入して操作する場合は、創口を支点に動かすことが重要である
サイドポートから鑷子を挿入するアプローチも安全かつ容易に連続環状切嚢を作製できる
両手を用いた連続環状切嚢法(バイマニュアルカプスロトミー)は、1989年に谷口ら(IOL , 3:82-87)により報告された。従来のone hand法では創口付近での操作が困難なことがあり、これを克服する目的で開発された。
右手で保持した23ゲージ灌流付き注射針で左側半分の連続環状切嚢を行い、左手の27ゲージ灌流なし注射針で右側半分を行う形式である。前房 形成にOVD でなく灌流液を用いることで、連続環状切嚢作製中の前嚢フラップが前房 側に浮き上がり、視認性が向上する。
Can-Vac 連続環状切嚢は25ゲージの鈍的カニューレと5 mlシリンジの真空吸引を利用した手技である。シリンジのピストンで生成した陰圧によって嚢フラップを把持・操作する点が最大の特徴であり、膨隆白内障 (intumescent cataract)など嚢内圧が高い困難症例への適応が主な利点である。
手技の手順は以下の通りである。
26ゲージの針チストトームで前嚢に切り込みを入れ、小さなフラップを持ち上げる
25ゲージカニューレをサイドポートから前房 内に挿入する
シリンジのピストンを手動で引き、陰圧でフラップ遊離縁を把持する
吸引圧を調節しながらフラップの把持と再把持を繰り返し、円を描くように連続環状切嚢を完成する
膨隆白内障 では、操作中に放出される乳白色の液化皮質をカニューレで吸引しながら同時にフラップを把持できるため、器具の出し入れや粘弾性物質 の再注入なしに一段階で連続環状切嚢を完成できる。25ゲージという口径は、フラップを確実に把持できる最小限の吸引口であると同時に、粘弾性物質 の過剰吸引やフラップ切断を防ぐのに適している。
通常の白内障 手術器具にカニューレを加えるだけで実施できる低コスト手技であるが、学習曲線が存在するため、まず通常症例で習熟してから難症例への応用を検討することが望ましい。
前嚢表面にZinn小帯が付着していない中央のzonular-free-zoneの直径は約6.9 mmである。直径7 mm以上の連続環状切嚢はZinn小帯を損傷させる可能性が高い。理想的な連続環状切嚢のサイズは、正円でIOL 光学部よりも小さく、IOL 光学部をカバーできる5〜5.5 mmである。6.0 mmのIOL に対して最適なオーバーラップを得るために5.0〜5.2 mmの開口部を作成することが目標となる。
Q
連続環状切嚢が小さすぎた場合はどうするか?
A
連続環状切嚢が小さい場合、特に落屑症候群 やZinn小帯脆弱 例では前嚢収縮が起こりやすい。重度の収縮では前嚢縁がIOL の光学面にかぶり視力 低下を招く。IOL 挿入後に連続環状切嚢縁に切れ目を入れ、前嚢鑷子を用いてIOL 光学部のエッジを目安に修正する。また、小さすぎる連続環状切嚢では核乳化の際に前嚢亀裂やZinn小帯断裂を生じる恐れがある。
連続環状切嚢が困難となる代表的な症例は以下の通りである。
赤色反射が減弱する場合(成熟白内障 ・白色白内障 ・角膜 混濁など)は、トリパンブルー(trypan blue)などの染色剤を用いることで前嚢の視認性が向上する。最も一般的な方法は、空気の泡の下にトリパンブルーを注入し、その後余分な染料を洗浄する方法である。
白色白内障 の連続環状切嚢では、前嚢染色による視認性確保・高分子量高濃度OVD (ヒーロンV®など viscous dispersive型)による前房 形成・液化皮質の除去・サイドポートから挿入する鑷子と剪刀の選択が重要である。
マニュアル連続環状切嚢の問題点として、①正円を安定して作製するのが難しい、②偏位や変形を生じやすい、③連続環状切嚢径が瞳孔 サイズに惑わされやすい、といった点がある。これを克服するために以下のデバイスが開発されている。
FSLC(フェムトセカンドレーザー)
特徴 :レーザー設定により、意図した径と位置に正円の連続環状切嚢が作製できる。最も正確な前嚢切開が可能。パルスレーザーが前嚢組織を光破砕(photodisruption)する機序に基づく。
利点 :白色白内障 での前嚢亀裂リスクをマニュアル連続環状切嚢より低減する。水晶体 脱臼例でも核が軟らかい症例であれば90%で水晶体嚢 を温存できると報告されている。2020年のメタ解析(73研究、FLACS 12,769眼 vs 従来法 12,274眼)では、前嚢切開真円性の有意な改善と超音波累積エネルギー(CDE)の低減が示された5) 。ESCRSガイドラインでは、FLACSと連続環状切嚢はともに安全かつ有効であり術後視力 ・屈折 結果は同等とされている4) 。
限界 :大がかりな装置でコストがかかる。角膜 混濁例や散瞳 径が約5.0 mm以下の散瞳 不良例は非適応。後嚢破嚢や角膜内皮 細胞減少の低減は一貫していない5) 。FLACSに特有の合併症として不完全前嚢切開や切り残しタグ(anterior capsule tags)があり、嚢縁の残留小断片が放射状裂傷の起点となりうる。
PPC(Zepto®)
特徴 :2017年にFDA承認を取得した使い捨てデバイス。薄型透明シリコン吸引シェルと柔軟なニチノール製熱電気リング、小型コンソールで構成される。吸引シェルを前嚢に360度密着させた後、5 ms未満の迅速なエネルギーパルスにより直径約5.2 mmの円形前嚢切開を瞬時に作成する。2019年に日本で保険承認。
利点 :操作が簡単で正円の前嚢切開がオートでできる。前嚢切開のエッジがめくれ上がるため、引っ張ったときの強度が連続環状切嚢やFSLCより強い。軽度角膜 混濁例・成熟白内障 例に有用。Purkinje反射を用いた視軸中心固定が可能であり、多焦点IOL ・トーリックIOL 使用症例でのIOL 中心固定精度の向上が期待される。FLACSと比較して追加スペース不要・低コスト・通常ワークフローへのシームレスな組み込みが利点である。
限界 :浅前房 例はデバイスの角膜内皮 接触リスクがあり非適応。通常連続環状切嚢手技と操作が異なるためラーニングカーブがある。
CAPSULaser
特徴 :手術顕微鏡への移動式アタッチメントとして取り付け可能なデバイス(EXCEL-LENS Inc.)。トリパンブルーで染色した前嚢に連続熱エネルギーを照射し、選択的光熱分解機序(selective photothermal lysis)により1秒で円形前嚢切開を作成する。直径4.5〜7 mmまで容易に調整可能。
組織学的知見 :CAPSULaserの切除縁は前方側にわずかに屈曲する熱変性効果(cauterized margin)を示す。嚢縁にロール形成を伴う相変化が生じ、手技連続環状切嚢やFLACSより安定した縁強度が得られるとされる。熱変性域は幅62.12 μmで測定されており、透過型電子顕微鏡(TEM)では縁が断片化しbulbousな外観を呈する。これはFLACSによるパルスエネルギーの多回照射とは異なる機序に起因する2) 。
連続環状切嚢縁との違い :マニュアル連続環状切嚢の切除縁は鋭く、前方から後方へ細くなる形状で、TEMでは角張った明確な縁を示す2) 。
Aperture CTC
特徴 :Aperture連続熱前嚢切開(CTC: Continuous Thermal Capsulotomy)は前臨床試験段階のデバイス(International Biomedical Devices)。リング状鋼鉄製切削エレメントを通じて熱エネルギーを前嚢に360度接触伝達し、コラーゲンを融解させて前嚢切開を作成する。効率性を重視した設計で、通常手術ワークフローへの容易な組み込みを特徴とする。
補助器具 特徴 主な適応 角膜 連続環状切嚢マーカー角膜 表面に圧痕リングを作製して目印にする。連続環状切嚢コンプリートカバー率はほぼ100%瞳孔 偏位・極大散瞳 例半円式連続環状切嚢マーカー 眼内から水晶体 前嚢に直接5.5 mm径の圧痕を形成。前房 深度の影響なし。viscous dispersive型OVD が最適 前房 深度の影響を回避したい症例イメージガイドシステム 手術顕微鏡内にリング投影 術前データ活用例
前嚢切開がIOL 光学部を360度完全被覆すると、一部のIOL 設計では水晶体 上皮細胞の後嚢への遊走が抑制され、後発白内障 (PCO)形成が抑制される3) 。前嚢切開径が4 mm未満または6 mmを超えると被覆が不完全となりPCOリスクが上昇する。自動化デバイスはこの適切なサイズを安定的に達成しやすい点が利点であるが、自動化が手技法より有意にPCOを減少させるという確立したエビデンスは現時点では不十分である。
連続環状切嚢施行中に後方圧がかかると、裂け目が水晶体 赤道部に向かって放射状に広がる(ランアウト)ことがある。
対処手順:
速やかな発見が鍵 :裂け目が流れそうになったら手を止め、速やかに前房 にOVD を追加して後方圧を解消する
リトル法による方向転換 :嚢フラップを掴み、同一平面上で逆方向に牽引を加えてフラップを中心方向へ方向転換させる
反対側からの連続環状切嚢完成 :方向転換できない場合は、反対側から連続環状切嚢を完成させるか眼内剪刀で縁を切る
反対側からの新規切開 :赤道部に流れて切開線が瞳孔 縁に見えない場合は、反対側から新たな切開を作製してつなげる
裂け目が赤道部に向かって伸び速やかに捕捉できない場合は、後方へ放射状に広がり続け、核落下 (nucleus drop)や硝子体 脱出(vitreous loss)につながる可能性がある。
連続環状切嚢切開縁の亀裂は、連続環状切嚢繋ぎ目のノッチ・サイドポート作製時の前嚢誤穿刺・小さい連続環状切嚢での大きな核の前房 への亜脱臼などが原因で生じる。
亀裂が生じた場合は後嚢側に回る恐れがあるため、核乳化やIOL 挿入時には細心の注意が必要である。IOL をインジェクターで射出するときは、支持部の先端が亀裂部の赤道部を直接圧迫しないよう注意し、支持部は亀裂部と直角の方向の嚢内に挿入する。
亀裂部辺縁のフラップの角はめくれ上がって虹彩 との癒着を生じ、瞳孔 の変形や散瞳 不良の原因となりうる。灌流吸引(I/A)チップで角を落として滑らかにする処置が推奨される。
ランアウト予防のポイント
眼内操作器具は常に点対称の動きを意識する
連続環状切嚢が流れそうなときは手を止めてOVD を連続環状切嚢の進行方向に注入し状況を確認する
鑷子で連続環状切嚢を行う場合は患者が眼を動かした際に即座にフラップを放す
初心者はフラップをしっかり保持することを最優先とする(熟練者のスピードを真似ない)
Q
連続環状切嚢が赤道部に向かって流れ始めた場合、最初にすべき操作は何か?
A
最も重要な最初のステップは、前房 にOVD を追加して後方圧を解消することである。後方圧の解消後、速やかにリトル法でフラップを中心方向に方向転換させる。発見が遅れると核落下 や硝子体 脱出などの重篤な合併症につながる。
白内障 手術後の角膜内皮細胞密度 (ECD )低下は、前嚢切開方法(CCC vs PPC)ではなく、主に超音波乳化吸引 (phacoemulsification)によるエネルギーと液流の乱流に起因すると考えられている1) 。
Vitalら(2023)は67例(CCC群33例・PPC群34例)を対象とした前向きランダム化多施設試験で、術後1か月のECD 低下率は連続環状切嚢群11.5%・PPC群12.3%(P=0.818)、術後3か月では連続環状切嚢群11.7%・PPC群12.4%(P=0.815)と、両群間に有意差がないことを示した1) 。
術後3か月時点のPPC群の95% CI の上限が非劣性デルタ7%を下回っており、PPCは連続環状切嚢と同等の角膜内皮 細胞安全性を有することが証明された1) 。
角膜内皮 細胞は加齢に伴い幼少期の4000個/mm²から80歳代では約2250〜2500個/mm²まで自然減少する。ECD が600〜800個/mm²まで低下すると角膜浮腫 ・角膜 混濁などの角膜 機能不全が生じ、角膜移植 などの外科的介入が必要となる可能性がある1) 。
また、累積分散エネルギー(CDE)とECD 低下率の間には線形関係があり、CDEが1単位増加するごとに術後1か月のECD 低下率が約1.6%増加することが示されている1) 。
ECD の低下に伴い、六角形細胞の割合(%Hex)が低下し、細胞サイズの変動係数(CV)が増加する。連続環状切嚢群・PPC群ともに術前の%Hex約58%が術後3か月時点で約54〜56%に低下したが、両群間で有意差は認められなかった1) 。
Q
前嚢切開方法(CCC vs PPC)が角膜内皮細胞に与える影響は異なるか?
A
Vitalら(2023)のランダム化比較試験では、術後1か月・3か月のECD 低下率、六角形細胞割合、細胞サイズ変動係数のいずれも、連続環状切嚢群とPPC群で統計的な有意差を示さなかった1) 。前嚢切開方法自体よりも超音波乳化吸引 のエネルギー量(CDE)が角膜内皮 細胞損傷の主な要因と考えられている。
Pothikamjornら(2025)は、同一患者の両眼でCAPSULaserと連続環状切嚢を比較した症例報告を発表した。CAPSULaser使用前嚢の最大レンズ皮質コラーゲン繊維厚は237.1 μmと測定され、組織が広範囲に取り込まれた構造を示した。一方で連続環状切嚢検体はレンズ皮質コラーゲン繊維を含まず、前嚢と立方上皮細胞のみで構成されていた2) 。
CAPSULaserの切除縁が前方側に折れ曲がる傾向は、コラーゲンの相変化(phase change)が組織弾性を向上させることに起因する。このような特性は前嚢線維化などの複雑な前嚢病理を有する症例でCAPSULaserが有利である可能性を示唆する2) 。ただし今後の大規模研究での確認が必要である。
スパイラル(渦巻き状)カプソロレキシ :二重カプソロレキシなどの変法
YAGレーザー 前嚢切開 :白内障 手術直前に施行するアプローチ
高周波エンドディアテルミープローブ :電気凝固を用いた前嚢切開
シリコン製眼内テンプレート :形状を規定するデバイスの開発
Vital MC, Jong KY, Trinh CE, Starck T, Sretavan D. Endothelial Cell Loss Following Cataract Surgery Using Continuous Curvilinear Capsulorhexis or Precision Pulse Capsulotomy. Clin Ophthalmol. 2023;17:1701-1708. doi:10.2147/OPTH.S411454
Pothikamjorn T, Prasanpanich M, Somkijrungroj T. Comparative evaluation of anterior lens capsule electron microscopic pathology in a case undergoing simultaneous bilateral cataract surgery: A study of CAPSULaser and continuous curvilinear capsulorhexis. Am J Ophthalmol Case Rep. 2025;39:102400. doi:10.1016/j.ajoc.2025.102400
Miller KM, Oetting TA, Tweeten JP, Carter K, Lee BS, Lin S, et al. Cataract in the Adult Eye Preferred Practice Pattern. Ophthalmology. 2022;129(1):P1-P126. doi:10.1016/j.ophtha.2021.10.006. PMID:34780842.
European Society of Cataract and Refractive Surgeons. ESCRS Recommendations for Cataract Surgery. ESCRS; 2024. https://www.escrs.org/escrs-guideline-for-cataract-surgery/
Kolb CM, Shajari M, Mathys L, Herrmann E, Petermann K, Mayer WJ, et al. Comparison of femtosecond laser-assisted cataract surgery and conventional cataract surgery: a meta-analysis and systematic review. J Cataract Refract Surg. 2020;46(8):1075-1085. doi:10.1097/j.jcrs.0000000000000228.
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