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ぶどう膜炎

フックス虹彩異色性虹彩毛様体炎

1. フックス虹彩異色性虹彩毛様体炎とは

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1906年にオーストリアの眼科医Ernst Fuchsが、虹彩異色・毛様体炎・白内障を呈する38例を報告した。フックス異色性虹彩毛様体炎(Fuchs heterochromic iridocyclitis: FHI)は、フックスぶどう膜炎症候群(Fuchs uveitis syndrome: FUS)とも呼ばれる。虹彩異色・虹彩毛様体炎・白内障を3主徴とする片眼性ぶどう膜炎であり、20〜40歳代に多く性差はない。

FHIは全ぶどう膜炎の2〜11%を占めるとされる2)ぶどう膜炎診療ガイドラインの集計(3,055例)では0.5%(15例)であった3)。有病率は過小評価されている可能性があり、日本人では褐色虹彩のために虹彩異色が目立ちにくく診断が遅れやすい7)。大部分は片眼性であり、両眼性は約10〜13%にとどまる2)

FHI自体は続発緑内障を発症しない限り良性の経過をたどり、治療を必要としないことが多い。一方、続発緑内障はFHIにおいて最も視機能を脅かす合併症であり、長期追跡ほど合併率が高まる。

Q 日本人ではFHIの診断が難しいのはなぜですか?
A

日本人は褐色虹彩であるため、虹彩色調の左右差が明らかに現れにくい。単純な虹彩異色ではなく、虹彩輪や虹彩紋理が健眼と比べて不明瞭となること、また小虹彩輪を中心としたびまん性の虹彩萎縮が生じていることに注目する。散瞳前に僚眼と比較することが診断のポイントである。

フックス虹彩異色性虹彩毛様体炎の虹彩異色
フックス虹彩異色性虹彩毛様体炎の虹彩異色
Wikimedia Commons. Heterochromia iridis. License: CC BY-SA.
両眼の虹彩色の差(heterochromia iridis)。罹患眼側の虹彩実質萎縮により虹彩色素が減少し、対側眼と比較して虹彩の色が薄く変化している。FHIの3主徴のひとつである虹彩異色の所見。

FHI患者は他の前部ぶどう膜炎と異なり、痛み・充血羞明を伴わない。受診まで長年無症状であることも少なくない。

  • 白内障による視力低下:若年者の急速に進行する片眼性白内障としてFHIが発見されることが多い
  • 飛蚊症:前部硝子体を中心とした炎症性デブリによる硝子体混濁が原因となる

虹彩異色(虹彩萎縮)

患者の75〜90%にみられる。通常、色の薄い方が罹患眼である。日本人では褐色虹彩のためびまん性虹彩萎縮として現れる。無散瞳の状態で僚眼と比較することが大切である。

星状KP(角膜後面沈着物)

白色・微細な星状で角膜後面全体にびまん性分布。角膜上方まで均等に分布する点が他のぶどう膜炎と異なる。診断上最も特異的な所見である。

虹彩毛様体炎・白内障

前房炎症は慢性・軽度。白内障は他のぶどう膜炎より進行が早い。虹彩後癒着は生じない(最重要の鑑別点)。Koeppe/Busacca型虹彩結節を認めることがある。

  • 虹彩異色(heterochromia):患者の75〜90%にみられる2)。通常、色の薄い方が罹患眼である。虹彩の前実質が消失し暗色の色素上皮が露出する「逆異色」も報告されている
  • 虹彩萎縮:びまん性に虹彩が萎縮し、虹彩陰窩が消失して滑らかな実質構造(虫食い状外観)を呈する。萎縮はしばしば虹彩異色に先行する。日本人をはじめアジア人では褐色虹彩のため虹彩異色が明らかでないことが多く、虹彩捲縮輪より瞳孔側(小虹彩輪)の色調に着目することが重要である。無散瞳の状態で僚眼と比較することが大切である
  • 虹彩結節:Koeppe結節(瞳孔縁)やBusacca結節(虹彩実質)がみられることがある3)。しかし虹彩後癒着は生じない
  • 星状KP:白色・微細な星状で、フィブリンの架橋により相互連結する2)。通常のぶどう膜炎のKPが角膜下方のArlt三角内に集中するのに対し、FHIのKPは角膜後面全体にびまん性に分布する。嚢胞様黄斑浮腫CME)は通常みられない
  • 隅角新生血管隅角鏡検査線維柱帯上を通過する血管新生がしばしば確認される2)前房穿刺隅角圧迫によりこれらの脆弱な血管が破綻し、対側の隅角から前房出血を生じることがある(Amsler徴候)
  • 後嚢下白内障(PSC):FHI患者の水晶体混濁の約3/4を占める2)白内障は他のぶどう膜炎に比べて進行が早い
  • Russell小体虹彩表面にみられる小さく屈折性の高い結晶で、球状免疫グロブリンの凝集体である2)
  • 脈絡網膜瘢痕:症例の7〜65%に認められるが、トキソプラズマ症との決定的な関連は証明されていない
  • 続発緑内障(10〜59%):開放隅角型。最も視機能を脅かす合併症2)
  • Amsler徴候前房穿刺時の隅角からの出血。隅角新生血管の脆弱性による
  • 硝子体混濁:軽度〜中等度。重度例では硝子体手術を要する
Q 虹彩後癒着がある場合はFHIではないのですか?
A

その通りである。FHIでは虹彩後癒着は生じないのが原則であり、虹彩後癒着の存在はFHIに反する重要な所見である。虹彩後癒着を認めた場合はサルコイドーシス・ヘルペス性虹彩炎・CMV虹彩毛様体炎など他疾患の鑑別を要する。

FHIの正確な病因はいまだ不明であり、多因子性と考えられている。歴史的には変性疾患説・トキソプラズマ/HSV感染説・免疫異常説・血管異常説(Amsler徴候から)など多くの仮説が提唱されてきたが、現在は多くが否定されている。

  • HSV・チクングニアウイルス前房水からウイルスDNA/RNAが分離された報告があるが、症例報告レベルにとどまる
  • 交感神経機能不全説虹彩実質メラノサイトへの神経支配減少を想定した理論であるが、1,746例中ホルネル症候群との関連はわずか25例(1.4%)であり否定的である
  • トキソプラズマ症:脈絡網膜瘢痕の有病率は高いが、液性・細胞性免疫との有意な関連は証明されていない

近年最も有力な仮説として風疹ウイルスとの関連が注目されている。Mohamed & Zamir(2005)のレビューでは、胎児期・小児期の風疹感染後に持続的眼内低悪性度感染が成立する可能性が示された7)。de Groot-Mijnes ら(2006)はFHI患者の前房水PCRで風疹ウイルスRNA(ゲノム)を検出し、Goldmann-Witmer係数による眼内抗体産生を確認した。欧州の64例中48例(75%)でRVに対する眼内抗体産生が認められた8)。風疹ワクチン普及地域でFHIの発生率が低下傾向にあることも風疹関与説の根拠となっている。

アジアではCMV感染がFHI様炎症として報告されている。Chee & Jap(2008)はCMV陽性FHI様前部ぶどう膜炎をCMV陰性のFHIおよびPosner-Schlossman症候群と比較し、高眼圧前房細胞が共通するが、FHI的所見(星状KP・虹彩萎縮)はCMV陰性例と類似していることを示した9)CMV前部ぶどう膜炎の国際タスクフォース(TITAN 2024)では、前房水PCRによるCMV-DNAの同定が鑑別に有用であることが強調されている4)

FHIに伴う続発緑内障の報告頻度は10〜59%と幅が広く、長期追跡ほど高率となる2)ぶどう膜炎診療ガイドラインでは10〜20%とされている3)。リスクを高める因子として以下が報告されている。

  • 高齢
  • 診断までの期間が長い
  • 男性
  • ベースライン時の虹彩結節の存在
  • 白内障の合併
  • 両眼性の症例2)

FHIの診断は臨床所見の組み合わせに基づく。確定的な診断テストは存在しない。La Hey ら(1994)が提示した診断基準10)が参照される。他疾患の除外後に初めて診断される。

  1. 前眼部炎症(片眼性または著しく非対称性)
  2. 微細・白色・星状KPの角膜後面全体へのびまん性分布
  3. 虹彩変化(異色・萎縮・結節のいずれか)
  4. 虹彩後癒着の不在
  5. 隅角の血管異常(新生血管)の可能性
  6. 白内障硝子体混濁を合併しうる
  • 散瞳での僚眼比較虹彩萎縮の確認に必須。散瞳後では萎縮が不明瞭になる
  • 前房水PCR:風疹ウイルス・CMV-DNAの同定に有用。特に高眼圧を伴う場合のCMV鑑別に活用する9)
  • 蛍光虹彩造影虹彩血管異常・Amsler徴候の評価
  • 隅角鏡検査:開放隅角新生血管の確認
疾患KP虹彩後癒着眼圧特徴
FHI星状・びまん性なし慢性上昇(10〜59%)無症状・単眼性
Posner-Schlossman症候群少数・白色なし発作性(40〜70 mmHg)2)反復・急性
CMV虹彩毛様体少数なし上昇CMV-PCR陽性4)
サルコイドーシス羊脂状・肉芽腫性あり正常〜上昇両眼性・全身所見
ヘルペス性虹彩炎少数可能性あり上昇角膜知覚低下・セクター萎縮

その他の鑑別疾患は以下の通りである。

  • VZV虹彩毛様体:経過中に限局性の虹彩萎縮と麻痺性散瞳がみられることが多く、FHIのびまん性萎縮とは異なる3)
  • HSV虹彩毛様体:小円形の限局性虹彩萎縮を特徴とする
  • 先天性ホルネル症候群虹彩色素脱失を伴う
  • Waardenburg症候群虹彩異色に加え内眼角側方偏位、感音難聴を伴う
  • ICE症候群:片眼性の虹彩萎縮を伴うが、角膜浮腫角膜虹彩癒着を特徴とする
  • びまん性虹彩メラノーマ:色素沈着型の虹彩異色を呈する
  • ステロイド緑内障:FHIに対し長期にステロイドが使用された場合、ステロイド緑内障との鑑別が問題となる5)
Q 前房水の検査(PCR)は必要ですか?
A

すべての例で必須ではないが、高眼圧を伴う場合・治療にステロイドや抗ウイルス薬の使い分けが必要な場合・CMVとFHIの鑑別が困難な場合には前房水PCRが有用である9)。特にアジア人ではCMV陽性FHI様炎症の報告が多く、鑑別が治療方針を変えうる。

FHIの前房症状はステロイド点眼にほとんど反応せず、長期使用はステロイド白内障ステロイド緑内障のリスクを高める。ぶどう膜炎診療ガイドラインでは「ステロイド薬を点眼せずに経過観察する」ことを原則としている3)虹彩後癒着が生じないため散瞳薬も不要である。

FHIに合併する白内障は他のぶどう膜炎と比較して手術結果が良好である。ぶどう膜炎診療ガイドラインでは「活動性の炎症が存在していても白内障手術によって炎症の増悪を来すことの少ない疾患」と明記されている3)

  • 水晶体乳化吸引術+後房IOL挿入術が標準。術後炎症は比較的少ない
  • 術中はAmsler徴候(隅角からの出血)に注意し、低眼圧灌流・粘弾性物質の充分な使用が推奨される
  • 術後に虹彩異色が進行することがあるため術前説明が必要である
  • 続発緑内障に対する濾過手術の可能性がある場合は、上方結膜を温存して角膜切開白内障手術を行う

続発緑内障の有病率は10〜59%に及び、73%が最大量の薬物療法に反応せず手術が必要となる2)

薬剤使用注意点
β遮断薬(チモロール0.5% 1日2回等)第一選択2, 6)房水産生抑制
炭酸脱水酵素阻害薬ドルゾラミド等)第二選択2, 5)点眼・内服
α2作動薬(ブリモニジン0.1%)第二選択2)房水産生+ぶどう膜強膜流出促進
PGA製剤慎重投与炎症悪化・CMEリスクあり2)
縮瞳薬(ピロカルピン等)禁忌2)炎症悪化・毛様体痙攣

薬物療法で眼圧コントロールが不十分な場合、手術治療が必要となる。日本緑内障診療ガイドライン第5版では、ぶどう膜炎続発緑内障に対して線維柱帯切除術代謝拮抗薬併用)またはチューブシャント手術が推奨されている5)

FHIを含むぶどう膜炎緑内障の手術成績を以下に示す。

術式対象成績
MMC併用線維柱帯切除術(1年)ぶどう膜炎緑内障成功率58〜90.9%2)
MMC併用線維柱帯切除術(4年)ぶどう膜炎緑内障成功率62.3%2)
Baerveldt(2年)ぶどう膜炎緑内障成功率91.7%2)
Ahmed弁(2年)ぶどう膜炎緑内障成功率68.4%2)
  • 線維柱帯切除術(MMC併用)ぶどう膜炎眼は結膜下瘢痕化の傾向から成功率が低下しやすい。1年成功率58〜90.9%、4年成功率62.3%2)
  • 緑内障ドレナージデバイス(GDD):Ahmed弁、Baerveldtインプラント、Moltenoインプラントが選択肢となる。特にBaerveldtでは2年成功率91.7%と良好な成績が報告されている2)結膜の瘢痕化がある症例では特に有用である
  • GATT:FUS関連緑内障への有効性は限定的(Yuksel Elgin 2025 の4症例で全例不成功)1)
  • 毛様体光凝固術(ダイオード・Nd:YAGレーザー)房水産生を抑制するが、炎症を増悪させるリスクがある。視機能予後が不良な眼での最終手段として位置づけられる2)
  • レーザー線維柱帯形成術SLT/ALT):無効なことが多く原則として行わない5, 6)
Q FHIの炎症にステロイドを使った方がよいですか?
A

原則として使用しない。FHIの軽度の前房反応はステロイド点眼にほとんど反応せず、長期使用はステロイド白内障ステロイド緑内障のリスクを高める。虹彩後癒着が生じないため散瞳薬も不要である。ぶどう膜炎診療ガイドラインでも「必要以上の治療は行わない」とされている3)

6. 病態生理学・詳細な発症機序

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風疹ウイルス仮説(現在最有力)

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胎児期・小児期の風疹感染後に前房内で持続的低悪性度感染が成立するとする説が最も有力とされている7, 8)前房水中の風疹ウイルスRNA・Goldmann-Witmer係数による眼内抗体産生の証明、および風疹ワクチン普及地域でのFHI減少傾向がエビデンスとして蓄積されている8)

  • CD8+T細胞優位の慢性T細胞介在性炎症が星状KP・虹彩萎縮・血管新生を誘発する
  • 虹彩メラノサイトへの持続的な免疫攻撃が脱色素(虹彩萎縮)を引き起こす
  • 前房関連免疫偏向(ACAID)の破綻が慢性炎症の持続を促す

FHIに伴う続発緑内障は開放隅角型であり、以下の機序が眼圧上昇に関与する2)

  • 線維柱帯炎(trabeculitis):リンパ球・形質細胞主体の炎症細胞浸潤。炎症細胞・デブリの蓄積、二次的な瘢痕化が房水流出路を閉塞する6)
  • 隅角新生血管(ルベオーシス):脆弱な血管がAmsler徴候(前房出血)を引き起こす
  • 線維柱帯の不可逆的瘢痕化GATT等の線維柱帯切開術が効果を発揮しにくい原因1)
  • Schlemm管の虚脱房水流出抵抗が恒常的に増大する
  • 不可逆的な構造変化:炎症が消退した後も緑内障が持続する症例が多く、可逆的な炎症性閉塞だけでなく不可逆的な線維柱帯の構造変化が生じていると考えられている

FHIでは虹彩後癒着周辺虹彩前癒着PAS)・瞳孔ブロックは通常みられないため、閉塞隅角機序は一般的ではなく、開放隅角における線維柱帯レベルの障害が主体である5)。典型的にFHIの緑内障は炎症が沈静化した後も持続する傾向があり、ステロイドに反応しない2)。この点がステロイド緑内障との鑑別の一助となる。

隅角鏡検査では開放隅角線維柱帯を横切る血管新生が確認される2)虹彩蛍光造影では虹彩血管の漏出や虚血性変化が認められることがある。

ぶどう膜炎における眼圧上昇の一般的機序

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参考として、ぶどう膜炎に伴う眼圧上昇には以下の機序も関与しうる2)

  • 線維柱帯への炎症性デブリの蓄積
  • 線維柱帯浮腫
  • 隅角結節
  • 周辺虹彩前癒着PAS
  • ステロイド
  • 血管新生
  • 虹彩後癒着に伴う瞳孔ブロック

このうちFHIでは後癒着・PAS瞳孔ブロックは通常関与せず、主に線維柱帯炎と構造変化が眼圧上昇の原因となる。

慢性・低グレードの炎症が持続することにより、水晶体上皮細胞が変性し後嚢下白内障(PSC)が形成される。FHI患者の水晶体混濁の約3/4を後嚢下型が占め、他のぶどう膜炎に比べ進行が早い。ステロイド治療を行わない場合でも白内障は進行するため、定期的な経過観察が必要である。

GATT(隅角切開術)のFUS緑内障への効果

Section titled “GATT(隅角切開術)のFUS緑内障への効果”

Yuksel Elgin & Hepokur(2025)は、FUS関連緑内障に対するGATTを4症例で報告した。全例で手術は不成功に終わり、平均6か月後に3例はMMC併用線維柱帯切除術を、1例はダイオードレーザー毛様体光凝固術を要した1)。FUS緑内障では後線維柱帯領域の瘢痕化が主因であり、GATTでは十分な眼圧下降が得られない可能性が示された。

多重PCR技術の向上により、風疹ウイルス・CMV・HSVの前房内共存・鑑別が精度よく行えるようになった。アジアのCMV前部ぶどう膜炎では抗ウイルス治療(ガンシクロビル点眼・バルガンシクロビル内服)の有用性が検討されている4)

低侵襲緑内障手術(MIGS)の展望

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iStentHydrusなどのインプラントデバイスは炎症性デブリによる閉塞が懸念されるが、カナルプラスティでは予備的に有望な成績が報告されている。FHI緑内障特有のMIGSアルゴリズムの確立が課題となっている。

風疹ワクチンの普及に伴うFHI疫学変化の継続的追跡が行われており、若年世代でのFHI発生率の低下傾向が報告されている7)

  • FHI関連緑内障におけるGDDと濾過手術の優劣を明らかにする大規模研究
  • 風疹ウイルスやCMVの病因的役割の解明と、抗ウイルス治療の有用性の検討
  • FHI特異的な緑内障治療アルゴリズムの確立
Q FHIの緑内障に低侵襲緑内障手術(MIGS)は有効ですか?
A

現時点ではFHI緑内障に対するMIGSの有効性は限定的と考えられている。GATTの4症例報告では全例が不成功に終わった1)。FHI緑内障では後線維柱帯領域の瘢痕化が関与する可能性があり、隅角手術のみでは十分な効果が得られない場合がある。iStentやXenなどのインプラントデバイスは炎症性デブリによる閉塞が懸念される。

  1. Yuksel Elgin C, Hepokur M. Highlighting the limited efficacy of gonioscopy-assisted transluminal trabeculectomy in Fuchs uveitis syndrome: a case series. BMC Ophthalmol. 2025;25(1):180.
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  3. 日本眼炎症学会. ぶどう膜炎診療ガイドライン. 日眼会誌. 2019;123(6):635-696.
  4. Chee SP, Jap A, Engelen S, et al. CMV anterior uveitis: what we have learnt. The International Taskforce for Anterior segment Novel therapies (TITAN) report 2. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2024;262(5):1415-1428.
  5. 日本緑内障学会. 緑内障診療ガイドライン(第5版). 日眼会誌. 2022;126(2):85-177.
  6. European Glaucoma Society. Terminology and Guidelines for Glaucoma. 5th ed. Savona: PubliComm; 2020.
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