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腫瘍・病理

網膜芽細胞腫に対する動脈注入化学療法

1. 網膜芽細胞腫に対する動脈注入化学療法とは

Section titled “1. 網膜芽細胞腫に対する動脈注入化学療法とは”

網膜芽細胞腫(retinoblastoma)は、胎児性神経網膜由来の悪性腫瘍である。5歳までに95%が診断され、現在の日本では年間70〜80名が発症している。15,000〜23,000出生に1人の頻度で発症し、小児がんの3.5%を占める。

選択的眼動脈注入化学療法は、超選択的動脈注入化学療法(superselective intra-arterial chemotherapy)またはケモサージェリー(chemosurgery)とも呼ばれる治療法である。眼内網膜芽細胞腫に対し、眼動脈へ直接カテーテルを挿入して化学療法剤を注入する。全身化学療法では達成不能な高い眼局所薬剤濃度を実現しつつ、全身毒性を低減できる点が特徴である。

選択的眼動脈注入化学療法の歴史は長く、幾度かの技術的発展を経て現在の形に至った。

  • 1954年:Algernon B. Reeseがアルキル化剤トリエチレンメラミンを内頸動脈へ直接注入した(最初の動脈内化学療法)。
  • 1968年:日本の桐淵らがイヌモデルで眼動脈からのマイトマイシン投与を研究。眼局所への選択的薬剤投与の有用性を示した。
  • 2004年:山根と金子が「選択的眼動脈注入法(SOAI)」を報告。内頸動脈にマイクロバルーンカテーテルを留置し、血流遮断により薬剤を眼動脈へ誘導する手法であった。著者らは「厳密には真に選択的とは言えない」と結論づけた。
  • 2006年5月:ニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(MSKCC)/ウェイル・コーネル医療センターで、AbramsonとGobinが施設審査委員会承認プロトコル下で「直接的眼動脈注入法」を開始。眼動脈への直接カテーテル挿入による真の選択的投与を初めて実証した。

現在、選択的眼動脈注入化学療法は世界31カ国以上で実施されており、20以上の査読済み論文が発表されている。

従来の世界的標準治療は全身化学療法(化学減量療法)と眼局所療法(経瞳孔温熱療法・網膜冷凍凝固)の組み合わせであった。近年では、選択的眼動脈動注化学療法と抗がん薬硝子体内注射が第一選択となりつつある。日本において選択的眼動脈注入化学療法は研究的治療であり、使用するアルケラン注射液(メルファラン)は保険適用外である。

Q 選択的眼動脈注入化学療法は日本で保険適用されていますか?
A

日本では選択的眼動脈注入化学療法は研究的治療の位置づけであり、使用するアルケラン注射液(メルファラン)は保険適用外である。世界20カ国以上では実施されている治療法だが、国内での施行は専門施設に限られる。

初期病巣は無症状で発見が困難なことが多い。主な発見契機となる症状は以下の通りである。

  • 白色瞳孔(最多、66%):腫瘍が大きくなると瞳孔が白く光る。最も頻度が高い発見契機である。
  • 斜視(15%)黄斑部への腫瘍浸潤による視力低下が原因となることが多い。
  • 視力低下・結膜充血:腫瘍の進行に伴い出現する。
  • 行動上の異変:幼少児では視力の悪い眼をこするしぐさが初発症状となることがある。乳児では頭痛や哺乳低下がきっかけとなることもある。
  • 疼痛:初期にはみられない。眼圧上昇を伴う進行例では角膜混濁・充血・眼瞼腫脹・疼痛が出現する。

白色の網膜腫瘍が内長性もしくは外長性に発育する。栄養血管は網膜血管であり、拡張した血管が腫瘍に没入しているのが観察される。腫瘤が大きいと内部に壊死や石灰化を生じ、網膜剥離・網膜下播種・硝子体前房への播種が生じる。

進行すると蜂窩織炎様の強い炎症所見を伴うことがある。

病期分類として、網膜芽細胞腫国際分類(International Classification of Retinoblastoma, ICRB)が広く用いられる。

Group A

定義:3mm以下の網膜腫瘍。

特徴:黄斑部・視神経への近接なし。播種なし。眼球温存率が最も高い。

Group B

定義:3mmを超える、または黄斑部・視神経近傍の網膜腫瘍。

特徴:播種なし。TTT・小線源治療の主な対象となる。

Group C・D

Group C:限局性播種(硝子体・網膜下)。

Group D:びまん性播種(硝子体・網膜下)。選択的眼動脈注入化学療法の重要な対象となる進行例。

Group E

定義:視機能が温存できない進行例。

特徴:眼内充満腫瘍・前房内浸潤・血管新生緑内障など。眼球摘出が推奨される場合が多い。

網膜芽細胞腫は第13染色体長腕のバンド14(13q14)に存在するがん抑制遺伝子・RB1遺伝子の異常により発生する。Knudsonの2段階発癌説(two hit theory)が発症機序の基本であり、1番目の変異(遺伝的変異)と2番目の変異(体細胞変異)が1細胞内で生じることで細胞分裂が制御不能となり悪性化する。

遺伝性・非遺伝性の主な違いを以下に示す。

分類頻度遺伝子変異の段階臨床的特徴二次がん
遺伝性(germline)約40%生殖細胞系列両眼性・多発性・家族性高リスク(20年で15.7%)
非遺伝性(somatic)約60%体細胞レベル片眼性・単発性・孤発性一般人と同等

遺伝性(生殖細胞系列変異)の特徴は以下の通りである。

  • 全身の細胞にすでに1段階目の変異が存在する。
  • 浸透率は約90%で、見かけ上は常染色体優性遺伝のパターンを呈する。
  • 子に1/2の確率で遺伝する。
  • 骨肉腫などの二次がんが10歳代以降に発症しやすい。20年で15.7%に生じ、生命予後は70〜80%と原病より低い。
  • 片眼性であっても10〜15%は遺伝性である。
Q 網膜芽細胞腫は遺伝しますか?
A

約40%が生殖細胞系列変異(germline mutation)に起因する遺伝性であり、1/2の確率で子に遺伝する。両眼性発症例は必ずgermline mutationを有する。一方、約60%は体細胞変異(somatic mutation)による孤発性で、遺伝しない。遺伝性症例では二次がんのリスクも高いため、長期的な経過観察が重要である。

眼内病変は透明な組織を通して直接観察可能であり、臨床診断の確度が高い。眼球温存治療の際は臨床診断に基づく(生検は眼球外への腫瘍細胞散布のリスクがある)。

主要な検査法の特徴を以下に示す。

検査法主な目的備考
眼底検査主診断(血管に富む白色隆起+石灰化)確定診断の主軸
超音波断層検査腫瘍内石灰化・実質性腫瘍の確認5歳以上は石灰化乏しいことに留意
MRI視神経・脈絡膜・眼球外浸潤の評価三側性網膜芽細胞腫スクリーニングにも有用
CT石灰化の描出被曝あり。MRI可能なら意義低い
  • MRI所見:T1強調で脳実質と同程度の信号、T2強調で軽度低信号、造影効果あり。両側性の約3%に三側性網膜芽細胞腫を生じるため、頭部MRIスクリーニングが推奨される。
  • 遺伝子検査:FISH法とPCR法の組み合わせで95%程度の精度で遺伝子変異を検出できる(FISH法単独では5.0〜7.5%)。
  • 治療中の評価:RetCamデジタル写真、Bモード超音波、網膜電図(30Hzフリッカー反応の振幅)で腫瘍縮小・播種改善・網膜機能をモニタリングする。
  • 星細胞過誤腫:2〜3乳頭径の白色隆起病変。腫瘍血管の有無、光干渉断層計(OCT)による腫瘍部位(網膜実質か神経線維層か)、増大の有無を確認する。
  • 白色瞳孔を呈する疾患:胎児血管遺残(第一次硝子体過形成遺残)、未熟児網膜症、Coats病など網膜剥離を伴う疾患群。超音波検査で実質性腫瘍の有無を確認する。
  • その他:小児の硝子体出血ぶどう膜炎

骨髄検査・髄液検査・全身CT・核医学検査は、眼内限局期で陽性となることは皆無に近い。眼球外病変がある場合に限り、眼球摘出と前後して行うことが推奨される。

  • 眼内初期病変で視機能期待可能:眼球温存治療を積極的に実施する。
  • 眼内進行期:視機能が期待できないことも多いが、家族の希望があれば温存治療を検討する。初期治療として全身化学療法を行い、局所治療による地固めを行う方針が一般的である。
  • 緑内障・蜂窩織炎様炎症・眼球外浸潤疑い:眼球摘出を行い、病理検査結果に基づき後療法を検討する。

(1) レーザー治療(経瞳孔温熱療法、TTT)

腫瘍径3mm程度までの腫瘍に適応。赤外線レーザーの直接照射により90%程度の局所制御が可能である。300mWから開始し最大600mWまで調整、1か月ごとに3回追加する。黄斑部腫瘍は不可逆の視機能障害を避けるため、化学療法を先行することが推奨される。

(2) 冷凍凝固

赤道部より周辺の3mm程度の腫瘍が対象。凍結・融解を3回繰り返すtriple freeze-thaw法が一般的で、90%程度の局所制御が得られる。

(3) 小線源治療

日本・欧州では106Ru(β線源)、北米では125Iが用いられる。腫瘍厚5mm以下・横径15mm以下・視神経乳頭から離れた限局腫瘍が対象。80〜90%の局所制御が可能である。腫瘍に対応する強膜面に線源を一時的に縫着する治療であり、特殊治療室が必要で施設が限定される。

(4) 全身化学療法(化学減量療法)

眼球内進行期腫瘍に対して第一選択として行われる。3剤併用化学療法が広く行われているが、単独治療で治癒するのは10%以下に過ぎず、局所治療による地固めが必要となる。

3〜4週ごとに2〜6回繰り返す処方例(日本の教科書に基づく):

  • オンコビン注 1回量1.5mg/m²(36か月以下は0.05mg/kg) day1
  • パラプラチン注 1回量560mg/m²(36か月以下は18.6mg/kg) day1
  • ベプシド注 1回量150mg/m²(36か月以下は5mg/kg) day1, 2 (いずれも点滴静注)

(5) 選択的眼動脈注入化学療法

カテーテルを用いて眼動脈へ薬剤を直接投与する。眼球局所に高濃度投与しつつ全身への薬剤量を減らし、骨髄抑制等の副作用を軽減できる。日本では研究的治療であり、アルケラン注射液(メルファラン)を使用(保険適用外)。世界20カ国以上で実施されている。

選択的眼動脈注入化学療法で使用される主な薬剤を以下に示す(海外の報告に基づく)。

薬剤名標準用量(単眼)主な適応
メルファラン2.5〜7.5mg第一選択。最も広く使用
トポテカン0.3〜0.4mgメルファラン単剤無効例
カルボプラチン15〜30mg多剤無効例、タンデム療法

(6) 硝子体注入

硝子体播種に対して使用。全身化学療法・動脈注入の効果は限定的なため、これらと併用する。日本では研究的治療であり、アルケラン注射液を使用(保険適用外)。網膜病変に対する効果は期待できない。

(7) 放射線外照射

1990年代までは眼球温存治療の主軸であったが、眼窩骨変形・二次がん増加が明らかとなり、現在では他治療で制御不能な場合に限られる。40〜46GyのX線分割照射。定位放射線治療は小児への正確な照射が困難なこと・周囲への低線量域による二次がんリスク増加のため、推奨されない。

以下の場合に眼球摘出が推奨される:視機能の期待できない場合、緑内障・蜂窩織炎様炎症を伴う場合、前房浸潤・虹彩浸潤を伴う場合、眼球外浸潤を疑う場合。手術では視神経を長く切除し、摘出眼球の病理検査を行う。

  • 後療法の絶対適応:視神経断端陽性・強膜外浸潤→全身化学療法+放射線治療
  • 後療法の相対的適応:著明な脈絡膜浸潤・篩状板を越える視神経浸潤→全身化学療法

選択的眼動脈注入化学療法の手技(海外の報告)

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以下は海外施設(メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター)で確立された手技の概要である。

  • チーム構成:眼腫瘍医、脳神経血管内治療医、麻酔科医、小児腫瘍医、薬剤師、看護師等による多職種チームを要する。
  • 全身麻酔・挿管下の外来手技。大腿動脈穿刺→ヘパリン静注→ガイドワイヤー+マイクロカテーテルで眼動脈にアクセス。
  • 眼動脈起始部にカテーテル留置→造影剤で選択的血管造影→脈絡膜ブラッシュを確認。
  • 全注入の約12.5%でカテーテル挿入困難→中硬膜動脈経由→失敗時は内頸動脈バルーン閉塞法(日本の選択的眼動脈注入法と同様の原理)。
  • 化学療法剤を30ccの生理食塩水で希釈し、30分かけて手動で拍動性に注入する。バルーン閉塞法では交互注入(拡張4分)+再灌流(収縮2分)、バルーンサイクルは3回以内。
  • 終了後:カテーテル抜去→手動圧迫で止血→回復室で4〜6時間観察後帰宅。骨髄抑制監視のため7〜10日後に全血球計算を実施。
Q 選択的眼動脈注入化学療法で使われる薬剤にはどのようなものがありますか?
A

海外では主にメルファラン(最も広く使用)、トポテカン、カルボプラチンの3剤が用いられる。メルファランは網膜芽細胞腫細胞に対してインビトロで最大の効果を示す。トポテカンはメルファラン単剤無効例に対して使用が増えており、眼動脈注入では眼球周囲注入より高い硝子体濃度と低い全身曝露を実現する。日本ではアルケラン注射液(メルファラン)が使用されるが保険適用外である。

6. 病態生理学・詳細な発症機序

Section titled “6. 病態生理学・詳細な発症機序”

RB1遺伝子は細胞分裂制御に重要なRB1蛋白を産生する。1細胞内に2つの遺伝子座があり、一方の変異だけでは機能が維持される。両方の変異が生じると細胞分裂が制御不能となり悪性化する(Knudsonの2段階発癌説)。

  • 体細胞変異(somatic mutation):網膜の1細胞でRB1遺伝子の両遺伝子座に変異→片眼性・単発・孤発性。子への遺伝なし。
  • 生殖細胞系列変異(germline mutation):生殖細胞の段階で1遺伝子座に変異→全身細胞に1段階目の変異が存在→網膜で2段階目→両側性・多発。1/2の確率で子に遺伝。骨肉腫等の二次がんを生じやすい。

病理組織学的に、分化型(ロゼット・フルーレットと呼ばれる悪性化した視細胞の花冠状細胞配列が特徴的)と未分化型(細胞質に乏しくクロマチンに富んだ大型核の細胞が一定の配列で血管周囲に多い)が病変内に混在する。

選択的眼動脈注入化学療法の薬理学的根拠は、眼動脈へ直接薬剤を注入することで全身投与では達成不能な高い眼局所薬剤濃度を実現し、全身毒性を最小化することにある。メルファランはヒト培養網膜芽細胞腫細胞に対してクローノジェニック・アッセイで最大の細胞傷害効果を示すアルキル化剤である。トポテカンは眼動脈注入により眼球周囲注入と比較して有意に高い硝子体内濃度と長い曝露時間を実現しつつ、全身曝露を低く抑えることがブタモデルで示されている。


7. 最新の研究と今後の展望(研究段階の報告)

Section titled “7. 最新の研究と今後の展望(研究段階の報告)”

選択的眼動脈注入化学療法の主要臨床成績

Section titled “選択的眼動脈注入化学療法の主要臨床成績”

Gobinら(メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、2006〜2010年)は78名95眼を対象とした非ランダム化前向き研究を報告した。発症時病期はRE Vbが73眼、RE Vaが10眼、RE IVが4眼、RE I-IIIが8眼。52眼(54.7%)が全身化学療法または外部放射線照射後の無効例であった。カテーテル挿入成功率は98.5%(259回中255回)、平均注入回数3.1回(中央値3、範囲2〜7)。2年間の眼球生存率(KM推定)は全眼70.0%、初回治療眼81.7%、既治療眼58.4%。追跡期間中央値13か月(範囲1〜29か月)で死亡例なし、転移例2名(現在寛解)、三側性網膜芽細胞腫発症例なし。RE I-IVで眼球摘出は0眼、RE Vの83眼中19眼が摘出となった。

Abramsonら(メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、2006〜2010年)は硝子体および/または網膜下播種を伴う67名76眼を対象に後方視的研究を行った。43眼(56.5%)が既治療、29眼(38.1%)が未治療(初回治療)であった。生存眼の追跡期間中央値2.04年(範囲0.19〜5.04)。未治療眼の2年間眼球保存確率は網膜下播種のみ83%、硝子体播種のみ64%、両方あり80%。既治療眼では網膜下播種のみ50%、硝子体播種のみ76%、両方あり54%。

より最近のシリーズでは眼球保存率のさらなる向上が報告されている。2018年のメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの発表では、2006〜2017年の452眼シリーズで追跡期間中央値約2年における眼球生存率は96%(全眼)であった。2019年のウィルズ眼科病院のシリーズでは、Group D 88%・Group B/C 100%の眼球保存率が示された。ただし、文献に発表されたすべての選択的眼動脈注入化学療法シリーズのメタ解析では、全眼および進行眼(Group D/E)の成功率はこれより低い値を示しており、施設間の差異の原因は不明である。

化学減量療法・外部放射線照射との比較

Section titled “化学減量療法・外部放射線照射との比較”

外部放射線照射でRE V期の眼球摘出を回避できたのは約20〜25%(Reeseら)にとどまった。化学減量療法で治療されたRE V期眼の最良の成績(Shieldsら)でも、5年時点で47%が外部放射線照射必要、53%が眼球摘出必要と報告されており、選択的眼動脈注入化学療法はこれらより高い眼球摘出回避率を実現している。特に網膜下播種を伴う未治療眼での選択的眼動脈注入化学療法の有効性が示されている。

バスコム・パルマー研究(2008〜2009年)

Section titled “バスコム・パルマー研究(2008〜2009年)”

バスコム・パルマー眼科研究所(フロリダ州マイアミ)では、全例RE Vb(網膜芽細胞腫国際分類 Group D)かつ全例硝子体播種あり・ほぼ全例が多剤化学療法無効の15名17眼に対して計26回の注入を実施した。成功率100%、眼球保存率76.5%(17眼中13眼)、平均追跡期間8.6か月。

ジゴキシン等の強心配糖体はインビトロ・インビボで網膜芽細胞腫に対する抗腫瘍活性を持つことが示されている。動脈注入での臨床使用では症例報告レベルで中程度の反応が報告されている。一方、メトトレキサートは6mg・12mgの2回投与で効果が認められなかった。

Q 選択的眼動脈注入化学療法の眼球保存率はどの程度ですか?
A

施設や病期によって異なる。メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの初期研究(2006〜2010年)では全眼2年間眼球生存率70.0%、初回治療眼81.7%であった。より最近の同センターのシリーズ(2006〜2017年、452眼)では追跡期間中央値約2年で96%の眼球生存率が示された。ただし、すべての公表シリーズのメタ解析では全眼および進行眼の成功率はこれより低く、施設間に差がある。


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  2. Ancona-Lezama D et al. Modern treatment of retinoblastoma: A 2020 review. Indian J Ophthalmol. 2020;68(11):2356-2365.
  3. Runnels J et al. The role for intra-arterial chemotherapy for refractory retinoblastoma: a systematic review. Clin Transl Oncol. 2021;23(10):2066-2077.

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