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その他

網膜電図(ERG)検査

光刺激により誘発される網膜の電位変化を、角膜や皮膚に置いた電極で記録する検査である。網膜ニューロンからの電流とグリア細胞の寄与が組み合わさった電気信号を、非侵襲的・客観的に計測できる。遺伝性網膜変性疾患の診断に非常に有用で、不可欠な検査と位置づけられる。

  • 網膜全体の機能評価: 他覚的・非侵襲的に網膜機能を評価する
  • 遺伝性網膜疾患の診断: 網膜色素変性先天停在性夜盲CSNB)・Leber先天盲など
  • 視力検査が困難な患者の網膜評価: 乳幼児・意識障害・非協力的患者
  • 眼底透見困難例の評価: 白内障硝子体出血などで眼底観察できない場合
  • 治療効果のモニタリング: ビタミンA補充療法・代謝疾患管理の経時的評価
  • 薬剤毒性評価: ヒドロキシクロロキン毒性・暗順応障害薬剤のモニタリング
  • 1865年: ホルムグレン(スウェーデン)が両生類網膜から最初のERGを記録
  • 1877年: デュワー(スコットランド)がヒトで初めてERGを記録
  • 1908年: アイントホーフェンとジョリーがa波・b波・c波の3成分を分離
  • 1941年: リッグス(米国)がコンタクトレンズ電極を導入し、臨床応用が始まる
  • 1967年: ラグナー・グラニトが暗順応ネコ網膜の研究によりノーベル賞を受賞
  • 1989年/2022年: ISCEV(国際臨床視覚電気生理学会)が標準記録プロトコールを策定・更新9)
Q 網膜電図ではどのような眼疾患が診断できるのか?
A

遺伝性・後天性の多様な網膜疾患の診断に使用される。網膜色素変性先天停在性夜盲CSNB)、Leber先天盲(LCA)、錐体・杆体ジストロフィ、ビタミンA欠乏夜盲、自己免疫性網膜症(AIR)、代謝疾患(cblC型メチルマロン酸血症)、ムコ多糖症(MPS)などが挙げられる。網膜色素変性の指定難病申請においてはERGが必須検査として認定基準に含まれる。

以下の症状を呈する患者にERG検査が適応となる。

  • 夜盲(暗所での視力低下): 杆体系機能障害を示唆する最も重要な症状
  • 原因不明の視力低下: 屈折白内障黄斑疾患で説明できない視力低下
  • 視野狭窄・暗点: 周辺視野の進行性障害
  • 羞明まぶしさ: 錐体機能障害を示唆することがある

ERG検査の適応疾患は全視野ERGと多局所/黄斑局所ERGで異なる。

ERGの種類主な適応疾患・状況
全視野ERG遺伝性網膜変性疾患の疑い・網膜血管障害・虚血性疾患・原因不明の視力低下や視野障害・眼底透見困難時
多局所ERG/黄斑局所ERGオカルト黄斑ジストロフィAZOOR・原因不明の局所性視野障害

疾患によりERG所見は異なる。代表的なパターンを以下に示す。

杆体優位の障害

網膜色素変性RP:早期に杆体応答が消失し、進行とともに全般的消失。RPの指定難病申請でERG(減弱型・陰性型・消失型)が必須所見である。7)

ビタミンA欠乏(VAD)夜盲:DA 0.01での暗所視応答消失、DA 3.0/DA 10.0のa波・b波振幅低下、律動様波振幅著減。錐体応答は遅延潜時。1)

先天停在性夜盲CSNB)完全型:陰性型ERG(b波 < a波)を示す。ON応答のみ低下しOFF応答は正常。4)

混合型・錐体障害

自己免疫性網膜症(AIR):杆体・錐体応答の両方が低下〜消失。AAO Task Force(2025)の診断基準にffERGの杆体・錐体応答低下が含まれる。3)

錐体ジストロフィ:錐体応答のみ消失。ERGなしでは診断不可能な症例もある。

陰性型ERG:正常a波+減衰b波。CSNBメラノーマ関連網膜症・若年性X連鎖網膜分離症で認められる。

その他の重要な所見:

  • Leber先天盲(LCA): ERGはしばしば平坦型(非記録的)となる4)
  • オカルト黄斑ジストロフィ(OMD): 全視野ERGは正常だが、黄斑局所ERGで異常を検出できる
  • 代謝性疾患(cblC型メチルマロン酸血症): 暗所視・明所視成分の振幅低下。黄斑症の進行モニタリングに有用2)
  • ムコ多糖症(MPS): 杆体媒介性網膜症が7年間にわたり杆体・錐体ジストロフィに進行。ERG異常が眼底検査所見に先行する6)

RPの通常型では、杆体応答が錐体応答よりも先に減弱する。錐体応答が優位に障害されている場合は錐体ジストロフィを疑う7)

IRD(遺伝性網膜ジストロフィ)の遺伝学的検査を実施する前には、ERGによる臨床表現型の確認が重要な役割を担う8)

ERGには目的に応じた複数の測定法がある。

代表的なERGの種類を比較する。

種類対象領域主な用途
全視野ERG(ffERG)網膜全体広範な機能障害の検出
多焦点ERG(mfERG)中心30度内黄斑内局所機能評価
パターンERG(pERG)黄斑RGC網膜神経節細胞評価
黄斑局所ERG黄斑部OMD等の黄斑疾患
正常全視野ERGの波形:a波・b波の振幅と頂点潜時の定義
正常全視野ERGの波形:a波・b波の振幅と頂点潜時の定義
Rasoul amini1372. Amplitude & Implicit time.jpg. Wikimedia Commons. 2017. Figure 1. Source ID: commons.wikimedia.org/wiki/File:Amplitude_%26_Implicit_time.jpg. License: CC BY-SA 4.0.
健常者における標準明所視全視野ERGの代表波形で、陰性偏向のa波と陽性偏向のb波それぞれの振幅(µV)および頂点潜時(ms)の計測定義が図示されている。本文「3. ERGの種類と原理」の項で扱うISCEV標準波形のa波・b波成分に対応する。

ERGは記録方法により分類される。全視野ERGはガンポフェルドームなどを使用して網膜全体を光刺激して記録し、複数の網膜発生源からの総和反応を評価する。

ISCEVが定める5種の標準的波形(2022年更新版9)):

1. 杆体応答(Rod response / DA 0.01)

20分以上の暗順応後に弱い光刺激で記録する。暗順応後の弱光刺激では錐体は反応せず杆体系細胞のみが反応する。緩やかな陽性波(杆体b波)のみが記録される。このb波の起源は主に杆体ON型双極細胞である。

2. フラッシュ最大応答(Standard combined response / DA 3.0)

20分以上の暗順応後に強い光刺激で記録する。錐体系・杆体系細胞の両方が反応する。最初の陰性波(a波)、続く陽性波(b波)、b波上行脚の律動様小波(OPs)の3成分からなる。a波の起源は視細胞、b波の起源は主に双極細胞である。

3. 律動様小波(OPs: Oscillatory potentials)

b波上行脚に乗る高周波成分。75〜300Hzの周波数帯域で抽出すると律動様小波のみが記録できる。起源は網膜内網状層付近(アマクリン細胞など)である。振幅低下・潜時遅延は網膜血流障害を示唆する。

4. 錐体応答(Single-flash cone response / LA 3.0)

背景光をつけて杆体を抑制した状態で光刺激して記録する。a波の起源は錐体視細胞と錐体OFF型双極細胞、b波の起源は主に錐体ON型双極細胞と考えられる。

5. 30Hzフリッカ応答(Flicker response)

杆体が追従できないような速い点滅光刺激を使用して錐体の応答のみを記録する。サイン波のような波形となる。

PhNR(Photopic Negative Response)

錐体ERGのb波後にみられる陰性波である。網膜神経節細胞網膜神経線維由来の電位が含まれており、視神経萎縮の症例ではPhNRが減弱する。緑内障視神経疾患の評価に応用される。

ON-OFF応答

100〜200 msの長時間光刺激を使って記録する錐体ERGである。ON応答の起源は主に錐体ON型双極細胞、OFF応答の起源は主に錐体OFF型双極細胞である。CSNB完全型ではOFF応答は正常だがON応答のみが低下する。

61〜103個の六角形の配列からなる図形で網膜を刺激して記録する。中心30度内の局所反応を同時記録し、黄斑内機能不全を詳細に評価できる。ヒドロキシクロロキン毒性評価にも用いられる10)

黄斑網膜神経節細胞RGC)活動を評価する。N35・P50・N95の3成分で構成される。4回/秒の反転刺激で一過性pERGを記録する。

赤外線眼底カメラで眼底を観察しながら、5°・10°あるいは15°の大きさの円形の光で黄斑局所を刺激して記録するERGである。全視野ERGが正常でも黄斑局所ERGで異常を検出できるオカルト黄斑ジストロフィ(OMD)などの診断に特に有用である。

Q ffERGとmfERGの違いは何か?
A

ffERGは網膜全体の総和反応を記録し、広範な機能不全(網膜色素変性・毒性網膜症など)の検出に適する。mfERGは中心30度内の61〜103箇所の局所反応を同時記録し、黄斑内の局所的な機能不全の評価に特化する。ffERGでは検出できない小さな黄斑病変もmfERGなら検出できる場合がある。

  • 検査前に眼底写真・蛍光眼底造影FAG)等の強力照明を避ける(やむを得ない場合は室内照明下30分以上の回復を確保)
  • 最大散瞳を行い、検査前に瞳孔径を記録する
  • 暗順応20分、明順応10分
  • 暗順応後のコンタクトレンズ電極挿入は薄暗い赤色光下で行い、さらに5分の暗順応を確保
  • 弱フラッシュ→強フラッシュの順で提示(部分的明順応を防止するため)
  • 乳児は親の脚上に仰向けで検査可能
ERG検査の臨床実施場面:電極装着と記録の様子
ERG検査の臨床実施場面:電極装着と記録の様子
Qdavis. 2014 ERG test.jpg. Wikimedia Commons. 2014. Figure 2. Source ID: commons.wikimedia.org/wiki/File:2014_ERG_test.jpg. License: CC BY-SA 4.0.
電極を装着した患者が暗室で網膜電図検査を受けている臨床場面の写真で、角膜電極と参照電極の配置および遮光環境が確認できる。本文「4. 検査手順と実施方法」の項で扱う電極配置と検査環境の設定に対応する。
  1. 接地電極を耳介に設置
  2. 不関電極(−)を額に設置
  3. 角膜電極(または皮膚電極)を設置
  4. 暗順応下でERG記録(杆体応答→最大応答→OPs)
  5. 明順応(10分程度)後にERG記録(錐体応答→フリッカ)

主な記録電極の特性を比較する。

電極名素材・形態特徴
BA電極PMMAコンタクトレンズ再利用可・各サイズあり
DTL電極銀/ナイロン糸使い捨て・快適性高い
Jet電極金メッキプラスチック使い捨て
皮膚電極眼窩下縁配置小児に耐容性良好

角膜電極(コンタクトレンズ電極)は感度が高く標準的な電極として用いられるが、点眼麻酔が必要であり小学校高学年以上〜成人が対象となる。

皮膚電極によるERGの振幅は角膜電極の1/4〜1/5程度と低いが、全標準的反応を記録できる。代表的な皮膚電極ERG装置として、LE-4000(トーメーサービュレーション社)と RETeval®(LKC Technologies社)がある。RETeval®は1枚のシールを下眼瞼に貼るだけで3電極(記録・不関・接地)を設置できる。

電気生理学的検査は、特に小児では自覚的機能検査(視力・視野)の信頼性が低く、他覚的検査の重要性が増す。

小児でERGが特に必要な場合:

  • 眼底が透見できないほどの中間透光体の混濁がある場合
  • 遺伝性網膜疾患(網膜色素変性CSNB等)が疑われる場合
  • 視力低下の原因が不明の場合

乳児・非協力的患者では記録電極の選択と鎮静下記録が重要である。

  • 乳児では皮膚電極や鎮静下記録が診断実現可能性を向上させる4)
  • 小児IRDの診断ワークフローにはffERG±パターン/mfERGが組み込まれている4)
  • 乳児眼振の評価では、LCAやその他の網膜ジストロフィを含む感覚系疾患を拾い上げるため、眼科的所見に応じてERGを含む補助検査を選択する5)

以下の因子がERG結果に影響するため、検査条件の標準化が重要である。

  • 刺激持続時間・照射網膜面積・刺激間隔
  • 瞳孔
  • 全身循環・薬剤
  • 網膜発達度(年齢・乳幼児)
  • 眼透光体の透明度(白内障など)
  • 強度近視・麻酔
Q 小児では網膜電図をどのように行うのか?
A

乳児・非協力的な小児では、皮膚電極(眼窩下縁配置)や鎮静下記録が診断実現可能性を向上させる。乳児は親の脚上に仰向けで検査することも可能である。皮膚電極は振幅が小さいため、施設ごとの基準値と検査条件に基づく解釈が必要である。4)

5. 検査結果の臨床応用とモニタリング

Section titled “5. 検査結果の臨床応用とモニタリング”

ERGは診断のみならず、治療効果の客観的評価にも活用される。

網膜色素変性(RP)診療における位置づけ

Section titled “網膜色素変性(RP)診療における位置づけ”

初期RPは眼底所見だけでは診断困難な場合があり、ERGが診断の鍵となる。RPの指定難病の新規申請において、ERG異常(減弱型・陰性型・消失型)の確認が必須検査として認定基準に含まれている7)

通常型RPでは杆体応答が錐体応答よりも先に減弱する。錐体応答が優位に障害されている場合は錐体ジストロフィを疑う7)

IRD(遺伝性網膜ジストロフィ)の遺伝学的検査を実施する前に、ERGによる臨床診断を確立することが重要である。IRDの表現型確認においてERGが重要な役割を担う8)

ビタミンA欠乏(VAD)夜盲のERGモニタリング

Section titled “ビタミンA欠乏(VAD)夜盲のERGモニタリング”

ビタミンA欠乏夜盲に対するビタミンA補充療法の効果をERGで経時的に評価できる。

Poornachandraら(2022)は、腸リポフスチン症の20代男性と酒精性肝疾患の50代男性(いずれも血清ビタミンA 0.02 mg/mL、正常0.3〜0.6 mg/mL)の2症例について、ビタミンA補充(筋注100,000単位/日×3日→経口50,000単位/日×2週間)前後の経時的ERGを報告した1)。治療前ERGではDA 0.01での暗所視応答消失、DA 3.0/DA 10.0のa波・b波振幅低下、律動様波振幅著減を認めた。治療1週間後に暗所視応答の改善が始まり、1か月後にはほぼ正常化した。

ERGから得られる重要な知見:

  • 杆体はRPEからのビタミンA供給に依存しており、錐体より早期かつ広範に障害される1)
  • 機能回復の順序は錐体→周辺杆体→傍中心窩杆体である1)
  • 治療1週間で応答改善がない場合はVAD以外の原因を再検討する1)

cblC型メチルマロン酸血症のERGモニタリング

Section titled “cblC型メチルマロン酸血症のERGモニタリング”

Michielettoら(2025)は、新生児スクリーニングで発見されたcblC型メチルマロン酸血症の1例を報告した2)。生後8日で治療開始(OHCbl 1 mg筋注/日、ベタイン100 mg×3/日、葉酸5 mg×2/週)したが、7か月時のffERGで暗所視・明所視成分の振幅低下を認め、同時期にbull’s eye黄斑症が出現した。治療下でも網膜変性は進行した。

cblC患者の管理における示唆:

  • ERGはcblC患者で黄斑症が明らかでない段階でも実施が推奨される2)
  • 高用量OHCbl(6.5±3.3 mg/kg/日)投与例で眼科的転帰が良好との報告がある2)

自己免疫性網膜症(AIR)の診断

Section titled “自己免疫性網膜症(AIR)の診断”

AAO Task Force(2025)のAIR診断フレームワーク3):

  1. 6か月以内の進行所見
  2. 前房/硝子体細胞1+未満
  3. OCT外層障害
  4. FAF異常
  5. ffERGで杆体・錐体応答低下
  6. 網膜抗体(ARA)陽性

ffERGによる杆体・錐体応答低下の確認が診断基準の一つを構成する。

Chenら(2025)は重症筋無力症(MG)患者における自己免疫性網膜症(AIR)3例を含む計7例を報告した3)。全例でERGは杆体・錐体機能障害を示した。ARA陽性6例は免疫抑制療法によるMG改善にもかかわらず、視力悪化が継続した。

6. 病態生理学・各波形成分の発生機序

Section titled “6. 病態生理学・各波形成分の発生機序”

各波形成分の細胞起源は以下の通りである。

a波:

  • 暗順応下強フラッシュ: 杆体+錐体の両視細胞(ヒト網膜では杆体の寄与が優位)
  • 明順応下(錐体応答): 錐体視細胞+錐体OFF型双極細胞

b波:

  • 暗順応下弱フラッシュ(杆体応答): ON型双極細胞(杆体ON双極細胞)由来
  • 明順応下(錐体応答): 錐体ON型双極細胞が主体、錐体OFF型双極細胞も寄与

律動様小波(OPs):

  • 網膜内網状層付近(アマクリン細胞など)由来
  • 75〜300Hzの高周波成分
  • 網膜血流障害で振幅低下・潜時遅延

PhNR:

  • 網膜神経節細胞網膜神経線維由来
  • 視神経萎縮で減弱

正常a波に減衰b波が組み合わさる陰性型ERGは、光受容器が正常でも内顆粒層以降のシグナル伝達が障害されていることを示す。CSNB完全型ではON型双極細胞機能障害によりDA 0.01でのb波が消失する4)

  • 杆体はRPEからのビタミンA(11-シス-レチナール)供給に依存しており、VADで早期・広範に障害される1)
  • 錐体にはMüller細胞を介した独自の視色素再生経路が存在し、VADに対する相対的抵抗性を説明する1)
  • MMACHC蛋白欠損→ビタミンB12のアデノシルコバラミン・メチルコバラミンへの変換障害→メチルマロン酸(MMA)・ホモシステイン(Hcy)蓄積2)
  • 網膜視細胞RPE・Müller細胞は高密度ミトコンドリアを有し、代謝障害に脆弱である2)
  • 中心窩発達は出生後〜幼児期に進行するため、この時期にHcy・MMAの毒性蓄積に対し脆弱である2)

小児IRD診断ワークフローへのERG統合

Section titled “小児IRD診断ワークフローへのERG統合”

遺伝性網膜疾患(IRD)の診断ワークフローへのERG統合が進んでいる。

Mordàら(2025)は、小児IRDの段階的診断ワークフローとして、年齢適応画像診断(OCT/FAF)+電気生理検査(ffERG±パターン/mfERG)+標的全身スクリーニング→遺伝子検査(パネル→WES→WGS)の順序を提案した4)。トリオ解析・CNV/SV検出・定期的再解析により診断率が向上するとしている。

高用量OHCbl療法の小規模報告では、0.4〜2.7 mg/kg/日投与6例中5例で黄斑症・網膜症の発症がなかったとされる。歴史的コホート(0.3 mg/kg/日)では全27例で黄斑症が発症している2)。別の4例報告でも、高用量(平均6.5±3.3 mg/kg/日)を5か月未満で開始した症例では、眼科的・認知的転帰が良好であったと報告された2)

AIR診断バイオマーカーの標準化

Section titled “AIR診断バイオマーカーの標準化”

AAO Task Force(2025)がAIRの診断・管理・研究ガイドラインを策定し、ffERGの杆体・錐体応答低下を診断基準の一つとして位置づけた3)。抗網膜抗体(ARA)検出法の標準化が今後の課題である3)

IRD遺伝子治療とERGモニタリング

Section titled “IRD遺伝子治療とERGモニタリング”

RPE65遺伝子変異に伴うLCA・RPに対するボレチゲンネパルボベク(voretigene neparvovec)が承認され、遺伝子治療後の網膜機能評価にERGが活用されている。治療前後のERG変化が治療効果の客観的指標として重要性を増している。


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  3. Chen Y, Zhang Y, Luo J, et al. Autoimmune retinopathy in patients with myasthenia gravis: cases series and literature review. BMC Ophthalmology. 2025;25:521.
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