角膜合併症
眼帯状疱疹
1. 眼帯状疱疹(HZO)とは
Section titled “1. 眼帯状疱疹(HZO)とは”眼帯状疱疹(Herpes Zoster Ophthalmicus: HZO)は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が三叉神経第1枝(眼神経)の支配領域で再活性化して生じるウイルス性疾患である。片側性の痛みを伴う水疱性皮疹を特徴とし、眼および眼付属器に多彩な合併症を引き起こす。
VZVは単純ヘルペスウイルス(HSV)と同様にαヘルペスウイルス亜科に属する。初感染は水痘の形で生じ、その後に脊髄後根神経節や三叉神経節へ潜伏感染する。年余を経て免疫機能の低下に伴いウイルスが再活性化し、神経軸索を通じて皮膚や眼組織に到達する。VZVは細胞外では速やかに不活化されるため、皮疹は神経支配領域に限局して帯状の分布を示す。また、HSVと異なりVZVの再活性化は生涯に通常1回のみであるが、合併症は多彩で重症化しやすい。
再活性化した帯状疱疹のうち三叉神経第1枝領域に生じたものを「眼部帯状疱疹」と呼び、これに合併して種々のタイプの角膜炎・結膜炎・強膜炎・ぶどう膜炎・続発緑内障・眼筋麻痺・網膜炎などの眼合併症を生じる。
帯状疱疹の世界的な発症率は50〜54歳で5.15/1,000人、85歳以上で11.27/1,000人と加齢に伴い上昇する1)。帯状疱疹患者のうちHZOは**4〜20%**に認められる1)。米国データでは50歳以上の成人におけるHZO発症率は54.6〜131.6/10万人・年であり、年間3.6%ずつ増加傾向にある1)。女性は男性よりHZO発症率が高い(44.5 vs 33.1/10万人・年)1)。
帯状疱疹は50歳以上で特に高齢者・糖尿病患者・担癌者・ステロイドや免疫抑制薬の長期投与による免疫能低下者に発症するとされる。HIV感染における日和見感染としてもしばしば発症するが、まったく健康な人にも発症しうる。日本の感染性角膜炎診療ガイドライン第3版でも、若年者の発症はあるが加齢とともに発症頻度が高くなり重症化する傾向が示されている5)。
小児のHZO発症率は0〜10歳で4.8/10万人、11〜20歳で7.8/10万人と低い2)。主なリスク要因は子宮内での水痘帯状疱疹ウイルス曝露と乳児期の水痘感染であり、報告例の大部分は免疫正常児であった2)。
2. 主な症状と臨床所見
Section titled “2. 主な症状と臨床所見”
皮疹出現の数日〜1週間前から前駆症状として、三叉神経第1枝領域の感覚異常・神経痛様疼痛が出現する。発熱・頭痛・倦怠感を伴うことが多い。続いて正中線で境界された片側の眼瞼・前頭部・頭部・鼻部に浮腫性紅斑と小水疱が集簇して帯状に出現する。水疱は次第に膿疱・びらん・痂皮化をたどり、軽い瘢痕を残して治癒する。眼症状として眼痛・充血・流涙・羞明・霧視を訴える。
HZO患者の約**50%に眼合併症が生じ、そのうち最大25%**が慢性化または再発する1)。眼合併症は皮疹のピークよりも遅れて発症することが多く、皮膚科からの紹介で経過観察を行っても、初診時に眼所見がない場合でも継続した経過観察が必要である。
感染性角膜炎診療ガイドライン第3版では、HZOの角膜合併症として偽樹枝状角膜炎、実質角膜炎、神経栄養性角膜症などを整理している5)。
ぶどう膜・眼圧
前部ぶどう膜炎:豚脂様角膜後面沈着物を伴う肉芽腫性虹彩炎
扇形虹彩萎縮:HSVは限局性で丸いのに対し、VZVではより広範囲で扇形(区画性)の虹彩萎縮が特徴的である
麻痺性散瞳:VZVによる虹彩毛様体炎ではぶどう膜炎が軽快した後にも瞳孔が戻らず麻痺性散瞳が残存する
続発緑内障:線維柱帯炎による眼圧上昇が主因で、虹彩後癒着による瞳孔ブロックも合併しうる
神経系・その他
| 合併症 | 頻度 |
|---|---|
| 結膜炎 | 8〜76% |
| 角膜炎 | 5〜76% |
| ぶどう膜炎 | 11〜48% |
上記の頻度データは複数の研究をまとめたものである1)。帯状ヘルペス結膜炎はカタル性結膜炎の形をとり、粘液膿性の眼脂・濾胞形成・耳前リンパ節腫脹を伴うことがある。結膜に皮疹に似た小膿疱ができることや、上強膜炎・偽樹枝状角膜病変を合併することもある。
HSVの樹枝状角膜炎とVZVの偽樹枝状角膜炎の鑑別は重要である。偽樹枝状角膜炎は角膜上皮表層の隆起性病変であり、中央の溝状陥凹がなく、フルオレセイン染色が弱く、terminal bulb が認められない5)。HSVの樹枝状角膜炎には terminal bulb があり、ある程度の幅と辺縁の浸潤を伴う。
皮疹消退後何か月も経過してから角膜上皮に淡白色で軽度隆起性の線状・星芒状・偽樹枝状病変が出現することがあり、**遅延型偽樹枝状角膜炎(delayed herpes zoster pseudodendrite / mucous plaque keratitis)**と呼ばれる。以前は免疫反応と考えられていたが、現在はウイルス増殖による病態と考えられている。
水痘帯状疱疹ウイルス血管障害では脳動脈の炎症により脳梗塞を引き起こすことがある。HZO患者では脳卒中のハザード比が1.31と上昇する3)。VZV血管障害症例の97%でCT/MRIに異常を認め、髄液中の抗水痘帯状疱疹ウイルスIgG抗体検出が診断感度93%と最も有用である3)。
Hutchinson徴候は、鼻の先端・側面・付け根に帯状疱疹の皮疹が認められる所見です。鼻毛様体神経が角膜や虹彩にも分布しているため、この徴候は眼合併症の強力な予測因子となります。日本の感染性角膜炎診療ガイドラインでも、鼻背・鼻尖の皮疹がある場合は眼合併症が有意に高率になると明記されています。ただし、Hutchinson徴候が陰性でも眼合併症が生じることがあるため、帯状疱疹が三叉神経第1枝領域に出現した場合は必ず眼科受診が必要です。
3. 原因とリスク要因
Section titled “3. 原因とリスク要因”水痘帯状疱疹ウイルス(2本鎖DNAウイルス、αヘルペスウイルス亜科)が三叉神経節に潜伏感染し、加齢や免疫抑制に伴って再活性化する。VZVはHSVと異なり神経節の外套細胞(satellite cell)に潜伏するため、再活性化時に隣接の神経細胞にも感染が広がり、病変範囲がHSVより広い。VZVは細胞外で速やかに不活化されるため、皮疹は神経支配領域に限局して片側性となる。
主なリスク要因
Section titled “主なリスク要因”帯状疱疹の約90%は免疫正常者に生じる1)。特に50歳以上の高齢者・糖尿病患者・担癌者・ステロイドや免疫抑制薬の長期投与により生じた免疫能低下患者に発症しやすく、HIV感染の日和見感染としてもしばしば発症するが、まったく健康な人にも発症しうる。
メタアナリシスで最も強い関連が示されたのは免疫抑制(HIV/AIDS、血液悪性腫瘍、臓器移植)、家族歴、外傷、加齢であった1)。JAK阻害薬などの疾患修飾薬の使用もリスクを高める1)。HIV陽性者では帯状疱疹リスクが15倍に上昇し、HZOの頻度は22.1%に達する1)。
COVID-19罹患後に帯状疱疹リスクが14〜15%上昇するとの報告がある1)。一方、COVID-19ワクチン接種後のHZOリスク増加について大規模データベース研究では有意な上昇は認められていない1)。
4. 診断と検査方法
Section titled “4. 診断と検査方法”HZOは臨床診断が基本であり、典型例では確認検査を必要としない。三叉神経第1枝のデルマトームに沿った片側性の水疱性皮疹と神経痛、およびそれに関連する眼所見がHZOを強く示唆する。眼部の神経痛を伴った皮疹の既往は診断上きわめて有用であり、初診時に皮疹がなくても問診で数か月以上前に帯状疱疹があったことが判明することがある。
日本の感染性角膜炎診療ガイドライン第3版では、帯状ヘルペス角膜炎の診断基準として以下の所見の総合判断を推奨している5):
- 三叉神経支配領域の皮疹と神経痛
- 血清抗体価(補体結合反応)の4倍以上の上昇
- 皮疹からの多核巨細胞やウイルス抗原の検出
- 房水や角膜病変からのPCRによるVZV-DNAの証明
角膜上皮欠損・角膜知覚低下、いずれかの眼内構造における炎症が診断を支持する。HZOに伴うぶどう膜炎はしばしば高眼圧を合併することにも留意する。
角膜知覚検査:HZOでは角膜知覚低下が高頻度にみられる。麻酔薬点眼前にCochet-Bonnet角膜知覚計で計測する。
PCR検査:診断が不確実な場合(皮疹を伴わない zoster sine herpete、再発性前部ぶどう膜炎など)に皮膚・眼病変の擦過物や前房水でVZV-DNAを検出する5)。VZVではHSVと異なり spontaneous shedding はないと考えられており、たとえDNAだけでも検出されると病因の可能性がきわめて高い。ただし、眼部帯状疱疹を起こした患者では何か月もの間、涙液からVZV-DNAが検出されることがある。
血清抗体価:補体結合抗体価(CF価)の4倍以上の上昇は最近の感染を示唆する5)。VZVではHSVと異なり血清抗体価の上昇が診断に有用である。
ウイルス抗原検出:皮疹擦過物のギムザ染色による多核巨細胞、蛍光抗体法・酵素抗体法によるウイルス抗原の証明も行われる。
Zoster sine herpete:皮疹を伴わず神経痛のみで経過する帯状疱疹。前房水PCRが診断に有用である。
Zosteriform herpes simplex:HSVが帯状疱疹様の広範な皮疹をとる病態で、特にアトピー性皮膚炎患者で経験される。神経痛を伴わず、皮疹が瘢痕を残さず治癒する点が帯状疱疹と異なる。
HSV樹枝状角膜炎:terminal bulb があり、フルオレセイン染色が強い点で偽樹枝状角膜炎と鑑別する。
その他に再発性角膜びらん、アカントアメーバ角膜炎、薬剤毒性角膜症による epithelial crack line、カタル性角膜潰瘍などとの鑑別が必要である。
5. 標準的な治療法
Section titled “5. 標準的な治療法”抗ウイルス薬全身投与(皮膚科主導)
Section titled “抗ウイルス薬全身投与(皮膚科主導)”発症72時間以内の抗ウイルス薬全身投与が眼合併症の予防に重要である1)。抗ウイルス薬投与群では慢性眼合併症が30%にとどまり、非投与群の50%と比較して有意に低い1)。また抗ウイルス薬投与は6か月以内の神経栄養性角膜症の発症率を有意に低下させる1)。
日本の感染性角膜炎診療ガイドライン第3版では、帯状疱疹に対しては主に皮膚科で抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩、ファムシクロビル、アメナメビル)の全身投与をできるだけ早期に開始し、重症例ではアシクロビル点滴静注、中等症ではバラシクロビル塩酸塩・ファムシクロビル・アメナメビルの内服を選択することが推奨されている5)。
| 薬剤 | 用量 | 投与経路 |
|---|---|---|
| アシクロビル | 800mg 1日5回 | 内服 |
| バラシクロビル塩酸塩(バルトレックス®) | 1,000mg 1日3回(合計3,000mg/日) | 内服 |
| ファムシクロビル(ファムビル®) | 500mg 1日3回 | 内服 |
| アメナメビル(アメナリーフ®) | 400mg 1日1回 | 内服 |
| アシクロビル | 5〜10mg/kg 8時間ごと | 点滴静注 |
治療期間は7〜10日間である1)。バラシクロビルとファムシクロビルは服薬回数が少なくアドヒアランスに優れ、いずれもアシクロビルと同等の効果を示す1)。アメナメビル400mg 1日1回(ヘリカーゼ・プライマーゼ阻害薬)も選択肢として利用可能である。重症例や免疫不全者にはアシクロビル5〜10mg/kgの8時間ごとの点滴静注が用いられる。
角膜炎の治療
Section titled “角膜炎の治療”偽樹枝状角膜炎に対しては**アシクロビル眼軟膏(ゾビラックス®3%)**を使用する。日本では角膜炎への眼軟膏使用は保険適用外であるが、感染性角膜炎ガイドライン第3版でも標準治療として推奨されている5)。上皮性病変が消失すれば投与を中止する。HSVと異なり、偽樹枝状角膜炎の段階からステロイド点眼の併用が安全とされる。
実質角膜炎を生じてきた場合は、アシクロビル眼軟膏とステロイド点眼を併用する。HSVによる実質型角膜ヘルペスに比べて高濃度のステロイド点眼が必要になる場合が多い5)。短期間でステロイドを中止すると再燃するため、漸減しながら比較的長期に使用する必要がある。ACV眼軟膏の回数は少なくてよいが必ず併用する。ステロイド点眼による治療が不十分であると、角膜瘢痕・虹彩後癒着・続発緑内障といった重篤な後遺症がみられる場合があると警告されている5)。
処方例(実質炎に対する併用療法):
- サンベタゾン眼耳鼻科用液(0.1%)1日5回 点眼
- ゾビラックス眼軟膏(3%)1日5回 点入
ぶどう膜炎・眼圧管理
Section titled “ぶどう膜炎・眼圧管理”前部ぶどう膜炎には1%プレドニゾロン酢酸エステル点眼と散瞳薬(アトロピンまたはトロピカミド)を使用する。線維柱帯炎による眼圧上昇には、β遮断薬・炭酸脱水酵素阻害薬・α2作動薬などの房水産生抑制薬を投与する。プロスタグランジン関連薬は炎症を悪化させる懸念があり第一選択にはなりにくい。
帯状疱疹後神経痛(PHN)
Section titled “帯状疱疹後神経痛(PHN)”PHNは60歳以上のHZO患者の36.6%に発症する慢性疼痛である1)。アミトリプチリン25mg就寝前投与がPHN発症率を低下させる1)。プレガバリン150mg/日の分割投与も急性期の疼痛緩和に有効とされる1)。ガバペンチン・三環系抗うつ薬・リドカインパッチも選択肢である。
角膜瘢痕による視力障害にはハードコンタクトレンズまたは角膜移植(全層角膜移植・深層層状角膜移植)を検討する。神経栄養性角膜潰瘍に対しては治療用ソフトコンタクトレンズ装用、自己血清点眼、羊膜移植が用いられる。眼圧コントロール不良例には濾過手術(線維柱帯切除術・チューブシャント手術)を考慮する。急性網膜壊死(ARN)には硝子体手術と抗ウイルス薬硝子体内投与を要する場合がある。
6. 病態生理学・詳細な発症機序
Section titled “6. 病態生理学・詳細な発症機序”水痘帯状疱疹ウイルスの潜伏と再活性化
Section titled “水痘帯状疱疹ウイルスの潜伏と再活性化”水痘帯状疱疹ウイルスは初感染(水痘)後、脊髄後根神経節や三叉神経節の**外套細胞(satellite cell)**に潜伏感染する。HSVが神経細胞そのものに潜伏するのとは異なり、VZVは外套細胞に潜伏するため、再活性化時に隣接の神経細胞にも感染が拡大し、より広範な病変を形成する。
細胞性免疫(特にVZV特異的T細胞応答)がウイルスの抑制に中心的な役割を果たす。加齢・免疫抑制薬・HIV感染・悪性腫瘍・心理的ストレスなどによりVZV特異的細胞性免疫が低下すると、ウイルスが再活性化する。
眼組織への到達と炎症
Section titled “眼組織への到達と炎症”再活性化したVZVは三叉神経第1枝の軸索を順行性に伝わって皮膚・角膜・結膜に到達する。侵された組織では局所の免疫反応が水疱形成や眼内炎症を引き起こす。神経周囲炎が神経支配領域に沿った激しい疼痛の原因となる。VZVは細胞外では速やかに不活化されるため、皮膚面上での横方向の拡大は乏しく、皮疹は神経支配領域に限局する。
VZV血管障害
Section titled “VZV血管障害”VZVは神経軸索から周囲の血管に経軸索的に伝播し、動脈壁に感染する3)。これにより血管リモデリング・血栓形成・動脈解離・動脈瘤が生じる3)。VZV血管障害は脳梗塞・脳出血・巨細胞性動脈炎類似の病像など多彩な臨床像を呈する。免疫正常者では皮疹と抗VZV抗体検出が多く、免疫不全者ではVZV-DNAと髄液細胞増多が多いとの特徴がある3)。HZO患者で脳卒中のハザード比が1.31に上昇するという報告は、この血管障害機序を反映している3)。
その他の希少合併症
Section titled “その他の希少合併症”球後視神経炎はHZOの稀な合併症であり、特に免疫不全者で報告されている4)。皮疹出現から平均14.1日後に発症し、視力予後は不良であることが多い4)。
HSVとの違い
Section titled “HSVとの違い”VZVはHSVと異なり、細胞外では速やかに不活化されるため皮膚面上の拡大は少ない。再発は生涯に通常1回であるが(HSVは頻回再発)、病変範囲は広く合併症も多彩で重症となりやすい。一方で角膜炎の再発はHSV角膜炎と比較してまれであり、ステロイドを比較的積極的に使用してよい点も両者の重要な相違である。
7. 最新の研究と今後の展望
Section titled “7. 最新の研究と今後の展望”ワクチンによる予防
Section titled “ワクチンによる予防”帯状疱疹ワクチンは2種類が承認されている。組換え亜単位アジュバントワクチン(RZV: Shingrix)は50歳以上で帯状疱疹を97.2%、70歳以上で**91.3%予防する1)。HZOに対する有効性はメタアナリシスで88%**と報告されている1)。実世界研究ではHZO発症率がワクチン接種群11.9/10万人・年、非接種群72.1/10万人・年であった1)。日本でも2020年にShingrixが50歳以上および18歳以上の免疫不全患者に承認されている。
生ワクチン(ZVL: Zostavax)は10年間のHZO予防効果が37%にとどまり、免疫不全者には使用できない1)。現在はRZVが推奨されている。
HZOの既往がある患者へのワクチン接種は、接種後56日間に再燃・増悪リスクがわずかに上昇する可能性が報告されている1)。米国眼科学会(AAO)は、HZO既往者がワクチン接種する場合、接種前後数週間に眼科診察を受けることを推奨している1)。
Zoster Eye Disease Study(ZEDS)
Section titled “Zoster Eye Disease Study(ZEDS)”バラシクロビル1,000mg/日を1年間投与することで、HZO患者の眼合併症(角膜炎・ぶどう膜炎の再発)を減少させるかを検証する大規模ランダム化試験(NCT03134196)が進行中である1)。慢性化・再発するHZOに対する長期低用量抗ウイルス薬投与の有効性が明らかになることが期待される。
小児HZOの課題
Section titled “小児HZOの課題”小児HZOに関する体系的な疫学データは不足しており、診断・治療プロトコールの確立が今後の課題である2)。長期予後やCOVID-19との関連についても更なる研究が必要である2)。
はい、組換え亜単位ワクチン(Shingrix)はHZOの発症を約88%予防する効果が報告されています。50歳以上の成人、および免疫不全のある18歳以上の成人への接種が推奨されており、日本でも承認されています。過去にHZOを経験した方でもワクチン接種は推奨されますが、眼疾患が十分にコントロールされた後に接種し、米国眼科学会のガイダンスに従って接種前後に眼科受診することが勧められています。
8. 参考文献
Section titled “8. 参考文献”
- Litt J, Cunningham AL, Arnalich-Montiel F, Parikh R. Herpes Zoster Ophthalmicus: Presentation, Complications, Treatment, and Prevention. Infectious diseases and therapy. 2024;13(7):1439-1459. doi:10.1007/s40121-024-00990-7. PMID:38834857; PMCID:PMC11219696.
- Hakim FE, Riaz K, Farooq A. Pediatric herpes zoster ophthalmicus: a systematic review. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2023. doi:10.1007/s00417-023-06033-0.
- Philip AM, George LJ, N A, Nayar J. Varicella Zoster Virus Vasculopathy: An Under-Recognized Entity. Cureus. 2024;16(5):e61419. doi:10.7759/cureus.61419. PMID:38947631; PMCID:PMC11214726.
- Phang DSK, Ettikan JV, Abd Aziz H, Vendargon FM, Sonny Teo KS. A Rare Complication of Herpes Zoster Ophthalmicus (HZO). Cureus. 2023;15(3):e35693. doi:10.7759/cureus.35693. PMID:37012964; PMCID:PMC10066721.
- 日本眼感染症学会感染性角膜炎診療ガイドライン第3版作成委員会. 感染性角膜炎診療ガイドライン(第3版). 日眼会誌. 2023;127(10):859-895.