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Retina ve vitreus

Kanserle İlişkili Retinopati

Kanser İlişkili Retinopati (Cancer Associated Retinopathy; CAR), malign tümörlere eşlik eden otoimmün retinal dejeneratif bir hastalıktır. Paraneoplastik sendromun oftalmik fenotiplerinden biri olarak kabul edilir1).

1970’lerden 1980’lere kadar hastalık kavramı ve otoimmün mekanizma netleştirildi. Tümör hücreleri, retina proteinleriyle çapraz reaksiyona giren antijenleri ektopik olarak eksprese eder ve buna karşı üretilen otoantikorlar fotoreseptörlere zarar verir.

Otoimmün retinopati (AIR) sınıflandırmasında tümörle ilişkili (tümoral AIR) ve tümörle ilişkili olmayan (non-tümoral AIR; npAIR) olarak ikiye ayrılır. Tümörle ilişkili tip, CAR ve melanomla ilişkili retinopatiyi (MAR) içerir1).

En sık görülen neden olan tümör küçük hücreli akciğer kanseridir (SCLC), bunu gastrointestinal kanserler, jinekolojik kanserler, meme kanseri, böbrek kanseri, pankreas kanseri ve lenfoma takip eder. Başlangıç yaşı 40-85 arasındadır ve cinsiyet farkı belirgin değildir. Adamus ve arkadaşlarının 209 vakalık serisinde kadın baskınlığı bildirilmiştir.

ICI’ye bağlı oküler immün ilişkili advers olaylar rapor edilmiştir ve CAR/MAR benzeri retina semptomları ile ayırıcı tanı sorun oluşturabilir3).

Q Göz belirtileri ortaya çıktıktan sonra kanser bulunabilir mi?
A

Birçok vakada göz belirtileri kanser tanısından önce ortaya çıkar. Nispeten nadir bir hastalık olmasına rağmen, gözle ilgili tanı bazen sistemik kanserin keşfedilmesine yol açabilir. 50 yaş üstünde, retinitis pigmentozaya (RP) benzer fundus bulguları olan ve aile öyküsü bulunmayan hastalarda CAR düşünülmeli ve sistemik tarama değerlendirilmelidir4).

CARの自覚症状は亜急性・両側性(しばしば非対称)の無痛性視力低下を特徴とする。数週〜数ヶ月で進行する。

  • 光視症・羞明:早期から出現しやすい症状である。
  • 夜盲・視野狭窄:桿体優位型では輪状暗点・視野狭窄が主体となる。
  • 中心暗点・色覚異常:錐体優位型では羞明・中心暗点・色覚障害が前景に立つ。

原因抗体によって症状の特徴が異なる。抗リカバリン抗体陽性例では急速かつ重篤な視力低下を呈し、傍中心〜赤道部の暗点を形成することが多い。抗エノラーゼ抗体陽性例では比較的緩徐で非対称な中心視力低下を示す傾向がある。

代表的な症例として、以下の報告がある1)

Bordinら(2023)の症例1:58歳女性。右肺腫瘍の葉切除後に進行性の視力低下と視野狭窄、両眼の暗点を訴えた。最良矯正視力は20/401)。 症例2:66歳男性。1.5年前に腎腫瘍の腎摘除術を受けた既往があり、進行性の無痛性視力低下を呈した。右眼20/200、左眼手動弁。

ICI投与中の急速な視力低下では、薬剤関連の眼炎症、腫瘍関連AIR、転移性病変を並行して評価する3)

桿体優位型

主な症状:夜盲・視野狭窄・輪状暗点

代表的抗体:抗リカバリン抗体

進行速度:急速(数週〜数ヶ月)

特徴:急激な重度視力低下。傍中心〜赤道部の暗点が典型的。

錐体優位型

主な症状:羞明・中心暗点・色覚異常

代表的抗体:抗エノラーゼ抗体

進行速度:比較的緩徐・非対称

特徴:中心視力が早期に障害される。

早期には眼底所見がほぼ正常に見えることがあり、診断を困難にする。

  • 眼底所見(進行期)RPE菲薄化・色素斑、細動脈狭細、視神経乳頭蒼白。軽度の硝子体細胞浸潤や血管炎を伴うことがある。
  • OCT:外層(楕円体帯EZ・視細胞層)の消失、嚢胞状変化。
  • 網膜電図:ほぼ全例で異常を示し、桿体・錐体系ともに低下する。診断上必須の検査である。
  • FAF(眼底自発蛍光):傍中心窩の高蛍光リングが特徴的であり、APECED関連症例でも確認されている2)

以下の表に自己抗体別の主な臨床的特徴を示す。

自己抗体主な症状進行速度
抗リカバリン急激な重度視力低下急速
抗エノラーゼ非対称な中心視力低下緩徐

腫瘍細胞が正常では免疫特権を持つ網膜タンパク質を異所発現し、これに対する自己抗体が産生される。分子擬態(molecular mimicry)が重要な役割を担う1)。主要な自己抗体は以下の通りである。

  • 抗リカバリン抗体:代表的なCAR関連抗体である。悪性腫瘍なしで陽性となることもある2, 4)
  • 抗α-エノラーゼ抗体:比較的頻度が高い。
  • その他:抗炭酸脱水酵素II(CAII)、抗トランスデューシンβ、抗TULP1、抗アレスチン、抗GAPDHなど多数の自己抗体が報告されている。

ICI(免疫チェックポイント阻害薬)によるCAR/MAR

Section titled “ICI(免疫チェックポイント阻害薬)によるCAR/MAR”

ICIは免疫チェックポイントを解除し、自己免疫性の眼有害事象の背景となる。網膜症状が出る場合は、薬剤関連眼有害事象と腫瘍関連AIRの鑑別が重要である3)

小細胞肺癌が最多であり、乳癌・消化器癌・婦人科癌・腎癌・膵癌・リンパ腫が続く。MARの場合は悪性黒色腫が主な原因腫瘍となる。

Cancer Associated Retinopathy image
Cancer Associated Retinopathy image
Maria Pefkianaki; Rupesh Agrawal; Parul Desai; Carlos Pavesio; Mandeep S Sagoo. Bilateral Diffuse Uveal Melanocytic Proliferation (BDUMP) associated with B-cell lymphoma: report of a rare case. BMC Cancer. 2015 Jan 30; 15:23 Figure 4. PMCID: PMC4320603. License: CC BY.
Spectral domain OCT (Heidelberg) scans of right (A) and left (B) eyes showing presence of retinal pigment epithelial disturbances with excrescences at level of retinal pigment epithelium and presence of subretinal fluid in the left eye.

確立された診断基準はなく、臨床所見・電気生理学的検査・自己抗体検査・全身の癌スクリーニングを組み合わせて診断する。

診断上最も重要な検査である。CARとMARの鑑別にも不可欠である。

  • CAR:暗順応(桿体系)・明順応(錐体系)ともにa波・b波が低下する。
  • MAR:negative 網膜電図(a波は正常またはほぼ正常だがb波が著減)が特徴的であり、双極細胞障害を反映する。

APECED(自己免疫性多内分泌腺症-カンジダ症-外胚葉形成不全症)に関連した2歳児の報告では、網膜電図が記録不能で、OCTにてELM・EZの消失が確認されている2)

網膜自己抗体は健常者やnpAIRでも陽性となることがあり、単独での確定診断は不可能である。抗体価は変動するため3回以上の測定が推奨される。

  • OCT:外層消失(EZ・視細胞層)の確認に有用1, 2)
  • FAF:傍中心窩の高蛍光リングが特徴的2)
  • ICI使用中の評価:眼炎症、薬剤関連眼有害事象、腫瘍関連AIRを並行して鑑別する3)

全身の癌精査として胸部X線・CT・血液検査・腹部CT・PET・大腸内視鏡・乳房・泌尿生殖器の評価を検討する。50歳以上でRP類似の眼底所見があり家族歴がない場合は、全身検索を念頭に置く4)

以下の表にCAR・MARの主な鑑別点を示す。

特徴CARMAR
障害細胞視細胞双極細胞
網膜電図所見a波・b波低下negative 網膜電図
原因腫瘍肺癌など多様悪性黒色腫
Q 抗網膜自己抗体が陽性ならCARと診断できるか?
A

抗網膜自己抗体陽性のみではCARの確定診断とならない。健常者やnpAIRでも陽性となることがあり、抗体価も変動する。網膜電図・OCTFAFなどの電気生理学的・形態学的所見、および全身の悪性腫瘍の有無を総合して判断する必要がある。

Q CARとMARはどのように見分けるか?
A

網膜電図所見が最大の鑑別点である。CARでは桿体・錐体系ともにa波・b波が低下するのに対し、MARではnegative 網膜電図(a波正常・b波著減)を呈する。また、MARでは悪性黒色腫が原因腫瘍となることが多く、CARでは小細胞肺癌などが多い。障害される細胞もCARが視細胞、MARが双極細胞と異なる。

確立された治療ガイドラインは存在しない。治療の目標は完全回復ではなく機能の安定化であり、進行を抑制することに主眼が置かれる1)

  • 全身ステロイド:改善例の報告があるが、癌免疫を抑制するリスクがあるため慎重投与が求められる。
  • 免疫抑制薬:シクロスポリン・アザチオプリン・アレムツズマブなどが用いられる。
  • リツキシマブ(抗CD20抗体):AIR 16例(CAR 6例を含む)を対象とした報告では、併用療法で77%の眼が安定〜改善を示した。
  • IVIG(静注免疫グロブリン):自己抗体の中和を期待して使用される。一定の効果報告がある。
  • 血漿交換:自己抗体の除去を目的として行われる。

局所療法:デキサメタゾン硝子体内インプラント(Ozurdex)

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Bordinら(2023)の報告では、経口ステロイドおよびテノン嚢下ステロイドが無効であり、全身性免疫抑制薬が忍容不能であった症例に対し、Ozurdexを6ヶ月ごとに投与した結果、機能的な安定化が得られた1)

Ozurdexは3〜4ヶ月にわたる持続的な薬剤放出により局所炎症を制御し、血液網膜関門(BRB)の再構築に寄与すると考えられる。抗リカバリン抗体価のモニタリングでも、Ozurdex投与後に抗体価の低下が確認された1)

抗IL-6受容体抗体(トシリズマブ・サリルマブ)は、難治性の嚢胞様黄斑浮腫を伴うnpAIRへの応用が報告されている1)

原発腫瘍の切除・化学療法・放射線治療を行っても、すでに体内に循環している自己抗体のため視力の改善は得られないことが多い1)。腫瘍治療は全身管理として実施するが、それのみで眼病変の改善を期待するのは困難である。

APECED関連の網膜症例では、免疫抑制療法を行っても網膜変性の進行が止まらなかったことが報告されている2)

Q 癌の治療を受ければ目の症状も改善するか?
A

原発腫瘍を治療しても、すでに体内で産生・循環している自己抗体は消失しにくいため、視力の回復は得られないことが多い1)。腫瘍治療は全身管理として不可欠だが、眼病変への改善効果は限定的である。治療の目標は視機能の安定化に置くべきとされている。

6. 病態生理学・詳細な発症機序

Section titled “6. 病態生理学・詳細な発症機序”

腫瘍細胞が正常では免疫特権部位(網膜)にのみ発現するタンパク質を異所発現すると、免疫系がこれを認識して自己抗体を産生する。この分子擬態が網膜障害の起点となる1)

抗リカバリン抗体は細胞内に侵入し、カルシウムホメオスタシスを障害してアポトーシスを誘導すると考えられる。CARでは桿体・錐体の両視細胞が同時に障害される4)

MARは異なる機序を持ち、双極細胞の膜タンパク(TRPM1)に対する自己抗体が関与する。障害細胞の違いが前述の網膜電図所見の差異(CARはa+b波低下、MARはnegative ERG)として現れる。

ICIによる自己免疫網膜症の機序

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ICIはT細胞応答を増強し、自己免疫性の炎症を誘発しうる。眼科領域ではぶどう膜炎、眼炎症、ドライアイなどの有害事象が報告されている3)

ICI使用中に網膜症状を認めた場合は、薬剤関連眼有害事象、腫瘍随伴自己免疫性網膜症、腫瘍転移を臨床経過と画像検査で鑑別する。


7. 最新の研究と今後の展望(研究段階の報告)

Section titled “7. 最新の研究と今後の展望(研究段階の報告)”

デキサメタゾン硝子体内インプラント(Ozurdex)の局所療法としての可能性

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全身性免疫抑制療法が困難な症例に対する局所治療の選択肢として、Ozurdexが注目されている。Bordinら(2023)の症例報告では、6ヶ月ごとの反復投与で機能の安定化が得られ、抗リカバリン抗体価の低下も確認された1)。投与後の自己抗体モニタリングを組み合わせることで、治療反応の評価が可能となる可能性がある。

ICIの普及に伴い、薬剤関連眼有害事象をCAR/MARと鑑別して扱う必要性が高まっている3)。早期診断と適切な介入プロトコールの整備が今後の課題である。

トシリズマブ・サリルマブなどの抗IL-6受容体抗体が、難治性嚢胞様黄斑浮腫を伴うAIRに対して使用されており、CARへの応用も検討されている1)

CARラットモデルにおいてカルシウムチャネル遮断薬が有効であることが示されており、抗リカバリン抗体によるカルシウムホメオスタシス障害への介入として今後の研究が期待される。

AIRE遺伝子変異に起因するAPECEDでは、幼少期から自己免疫性網膜症を発症する症例が報告されている2)。Sakaguchiら(2021)の報告では2歳時に網膜電図が記録不能となっており、早期介入の重要性が示唆されるが、有効な治療法は未確立である2)


  1. Bordin FL, et al. Intravitreal Dexamethasone Implant in Autoimmune Retinopathy. Case Rep Ophthalmol Med. 2023;2023:5670538.
  2. Sakaguchi H, Mizuochi T, Haruta M, Takase R, Yoshida S, Yamashita Y, Nishikomori R. AIRE gene mutation presenting at age 2 years with autoimmune retinopathy and steroid-responsive acute liver failure: a case report and literature review. Front Immunol. 2021;12:687280. doi:10.3389/fimmu.2021.687280.
  3. Fang T, Maberley DA, Etminan M. Ocular adverse events with immune checkpoint inhibitors. J Curr Ophthalmol. 2019;31(3):319-322. doi:10.1016/j.joco.2019.05.002.
  4. Singh D, Tripathy K. Cancer-Associated Retinopathy. In: StatPearls. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2024.

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