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網膜・硝子体

ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)

1. ポリープ状脈絡膜血管症とは

Section titled “1. ポリープ状脈絡膜血管症とは”

ポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy; PCV)は、脈絡膜の異常分枝血管ネットワーク(branching vascular network; BVN)とその末端に生じるポリープ状血管拡張病変を特徴とする疾患である。5) インドシアニングリーン蛍光眼底造影ICGA)でポリープ状の脈絡膜血管の拡張を示す加齢黄斑変性AMD)のサブタイプの一つであり、網膜色素上皮RPE)下に橙赤色球状病変を形成し、漿液性・出血性の色素上皮剥離(PED)を引き起こす。

1980年代に「特発性出血性RPE剥離」として初報告された5)。現在ではパキコロイドスペクトラムに属する疾患の一つとして位置づけられており、中心性漿液性脈絡網膜症CSC)やパキコロイド新生血管症PNV)と連続するスペクトラムを形成する。5, 6) 今後、疾患概念がさらに変わる可能性が指摘されている。

50〜65歳の男性に多く発症する。アジア人全体では滲出型nAMD患者の22〜62%を占め、5) 滲出型AMDの約半数がPCVとされる報告もある。11) 欧米白人では約10〜20%にとどまる。5) 2050年までに世界で65歳以上人口が15億人を超えると推計されており、nAMD・PCV患者の増加が見込まれる。5)

Q ポリープ状脈絡膜血管症は加齢黄斑変性(AMD)と同じ疾患か?
A

ポリープ状脈絡膜血管症はnAMDのサブタイプとして分類されることが多いが、病態・治療反応性・遺伝的背景に違いがある。nAMDよりも出血が多くIRFは少ない傾向にある。現在もパキコロイドスペクトラムとして独立した疾患概念とすべきかが議論されている。5, 6)

ポリープ状脈絡膜血管症における造影検査所見とOCTによる漿液性色素上皮剥離の経過
Nam SW, et al. Response to brolucizumab treatment for refractory serous pigment epithelial detachment secondary to polypoidal choroidal vasculopathy. BMC Ophthalmol. 2022. Figure 2. PMCID: PMC9749193. License: CC BY.
Aはポリープ状脈絡膜新生血管を示す蛍光眼底造影とインドシアニングリーン造影であり、B・C・Dは治療経過に伴う漿液性色素上皮剥離(PED)と網膜下液(SRF)の改善を示すOCT像である。本文「2. 主な症状と臨床所見」の項で扱う漿液性色素上皮剥離に対応する。
  • 視力低下中心窩を侵す病変では急性・進行性の視力低下をきたす。5)
  • 変視症(ゆがみ)黄斑部の滲出性変化に伴い直線が曲がって見える。
  • 中心暗点:病変が黄斑中心部に及ぶと視野の中央に暗い部分を自覚する。
  • 突然の視力悪化:大量の網膜下出血(SMH)が生じた際に発症する。出血性変化が強いのが特徴で、5年間でSMHを生じる割合は約10%と報告されている。5)

典型的なnAMDと比較すると、ポリープ状脈絡膜血管症では出血が豊富な一方、IRF(網膜内液)は少ない傾向がある。漿液性PED網膜下出血が多い点も特徴である。

臨床所見(医師が診察で確認する所見)

Section titled “臨床所見(医師が診察で確認する所見)”

眼底検査では橙赤色隆起病変が特徴的である。RPE下のポリープ状血管拡張として観察される。出血性PEDや漿液血性PEDを伴うことが多い。

PCV の特徴

橙赤色球状病変RPE下のポリープ状血管拡張。眼底鏡で橙赤色の球状病変として観察される。

出血性色素上皮剥離RPE下の大量出血による急峻な隆起。IRFは少ない傾向。

漿液血性色素上皮剥離:漿液と血液が混在したRPE剥離。

nAMDとの対比

PCV:出血多・IRF少・SMHを生じやすい。ICGA必須。ポリープ閉塞が治療目標。

典型的nAMD脈絡膜新生血管CNV)が主体・IRF多・出血少。FAでよく描出される。

OCT所見はPCV診断において重要な情報を提供する。5)

  • ダブルレイヤーサインRPEとBruch膜が二重構造を示す所見。異常血管網の範囲で認められる。感度59%。5)
  • 急峻なRPE隆起:ポリープ病巣に一致してRPEの急峻な隆起がみられるのが特徴である。
  • ヘマトクリット徴候:出血性PED内の液体と血液の分離像。
  • ボーラ(thumb-like PEDRPE下の丸みを帯びたポリープ状急峻隆起。
  • APOIS基準OCT所見の組み合わせによりnAMDとの鑑別AUC 0.90を達成。5, 12)

脈絡膜が厚い症例が多いことが知られ、パキコロイドスペクトラムとの関連が注目されている。

  • ICGA:特徴的なポリープ状の脈絡膜血管拡張と異常血管網(ネットワーク血管)を認める。ポリープ病巣の検出が確定診断となる。5, 7)
  • フルオレセイン蛍光眼底造影FA:ポリープ病巣に一致した部分は比較的早期から過蛍光を示す。後期には萎縮病巣に一致してwindow defectを呈することが多い。

OCTAは非侵襲的に血管を描出でき、BVN(異常血管網)はICGAよりも明瞭に描出されることが多い。5) BNN 3タイプ分類が報告されており、PCV検出感度82.6%・特異度100%との報告がある。5) ただしポリープ病巣の検出には限界があり、ICGAには及ばない。PCVや網膜内血管腫状増殖(RAP)の病型診断についてはOCTAのみではまだ課題があり、マルチモダルイメージングによる診断が重要である。

ポリープ状脈絡膜血管症はRPE下に存在するtype 1脈絡膜新生血管CNV)の特殊型である。5, 8) 根本的な病態基盤はパキコロイド(pachychoroid)とされ、Haller層(外層脈絡膜血管層)の拡張とそれに伴うSattler層・脈絡膜毛細血管板の菲薄化が特徴的な状態である。5)

  • 渦静脈うっ滞脈絡膜静脈のうっ滞がHaller層拡張を引き起こす。拡張したパキベッセルに渦静脈が吻合しているケースが約90%に認められる。5)
  • 脈絡膜毛細血管板の虚血・閉塞脈絡膜毛細血管レベルの虚血が新生血管複合体(BVN)の形成を誘導する。5)
  • RPE・Bruch膜の損傷:慢性的な脈絡膜うっ滞によりRPEとBruch膜が障害を受け、プロテアーゼ活性の亢進を伴いながらポリープ状病変の形成につながる。5)

CFH(補体因子H)・ARMS2/HTRA1遺伝子多型との関連が報告されている。5) 典型的nAMDの感受性遺伝子と一部共通するが、非パキコロイド型(drusen-driven PCV、脈絡膜厚が正常)ではARMS2/HTRA1関連がより強い。5, 8) ANGPT2遺伝子のSNPやFGD6遺伝子のミスセンス変異もPCV発症との関連が示唆されている。5)

パキコロイド型と非パキコロイド型

Section titled “パキコロイド型と非パキコロイド型”

PCV眼の約半数は正常な脈絡膜厚を示す。5) パキコロイド型は若年傾向でCSC様特徴が多く、脈絡膜血管過透過性を伴い、抗VEGF抵抗性を示すことがある。非パキコロイド型はドルーゼン主導型(AMD様特徴)であり、ARMS2/HTRA1関連が強い。5, 8)

脈絡膜毛細血管板の血流欠損(CCFD)はPCV患眼のみならず健常僚眼でも増加しており、パキコロイドが局所的ではなく全身的な素因として働く可能性を示唆する。5)

  • 脈絡膜炎後の二次性PCV:結核性脈絡膜炎による慢性的なRPE・Bruch膜損傷が素地となることがある。炎症から約20年後にPCVを発症し、アフリベルセプト3回投与で視力6/9から6/6に改善した症例が報告されている。1)
  • COVID-19ワクチン後の急速進行:3回目接種後16時間で症状が出現し、2週以内に大量SMHへと急速進行した症例(79歳男性)が報告されている。4)

PCVはポリープ病巣と異常血管網から構成される。現在の診断基準では以下のように分類される。

  • 確実例眼底検査で橙赤色隆起病変が認められ、ICGAでポリープ状病巣を検出すること。7)
  • 疑わしい所見ICGAで異常血管網のみを認める場合。再発性の出血性・漿液性RPE剥離を認める場合。

EVEREST研究グループが定めたICGAに基づく診断基準が国際的に広く用いられている。7, 10) 以下のいずれかを満たすものをPCVと診断する。

  • 眼底検査で橙赤色球状病変を認める
  • ICGAで結節状過蛍光病変(polyp)を認める
  • ICGAで異常分枝血管ネットワーク(BVN)を認める

インドシアニングリーン蛍光造影(ICGA)

Section titled “インドシアニングリーン蛍光造影(ICGA)”

ICGAがPCV診断のゴールドスタンダードである。5, 7) 脈絡膜血管の描出に優れ、ICGの長波長特性によりRPE下の出血・液体・脂質越しにも血管構造を可視化できる。5) 早期過蛍光のポリープ状病変とBVNを同定する。

各検査の特性を以下に示す。

検査法主な所見特記事項
ICGABVN・ポリープゴールドスタンダード5, 7)
OCTダブルレイヤーサイン・ボーラAPOIS基準AUC 0.905, 12)
OCTABNN3分類・感度82.6%非侵襲的5)
FA早期過蛍光・window defectCNV描出に有用

OCTのみによるPCV鑑別にはAPOIS基準(APOIS PCV workgroup)のAUC 0.90が報告されている。5, 12) ダブルレイヤーサインはICGAを施行しない施設でのスクリーニングに有用であるが、感度は59%にとどまる。5) ICGAが利用できない状況ではOCTOCTAの組み合わせが代替となりうるが、治療方針決定(PDT追加の判断など)にはICGAが依然として重要である。

Q ICGAを行わずにPCVと診断できるか?
A

OCTOCTAの進歩によりICGA非依存の診断支援が可能になりつつあるが、現時点ではICGAがゴールドスタンダードである。APOIS基準でAUC 0.90と高い識別能が示されているものの、治療方針(PDT追加の判断など)のためにもICGAは依然として重要な検査である。5, 12)

2012年の厚生労働省研究班による治療指針では、視力に応じた治療選択が推奨されている。

  • 視力良好例(0.6以上)抗VEGF薬単独療法を考慮する。
  • 視力0.5以下:光線力学療法(PDT)単独療法またはPDT抗VEGF薬併用療法が推奨される。

PCVではポリープ状病巣の退縮が治療後の再発に関係する。ラニビズマブではポリープ完全退縮率が20〜30%であったが、アフリベルセプトでは40〜50%と高率であることから、近年は視力に関係なくVEGF阻害薬単独療法を用いる機会が増えている。9)

抗VEGF薬硝子体内注射がPCVの第一選択治療である。5, 9)

アフリベルセプトラニビズマブよりも高いポリープ閉塞率を示す。PLANET試験ではアフリベルセプト単剤とアフリベルセプトPDT併用の比較において、アフリベルセプト単剤のPDT併用に対する非劣性が証明された(1年成績)。9) ポリープ閉塞率は単剤群でも85%以上に達した。3, 9)

Vellaら(2021)は、ラニビズマブ6回投与で無効だったPCV症例にアフリベルセプト1回投与を行ったところ、SRF(網膜下液)が完全消失したことを報告した。3)

PDTは特にポリープ閉塞に有効な治療法である。処方例を以下に示す。

  • ビスダイン:6 mg/体表面積(m²)を10分間で静脈内投与
  • レーザー照射:注射開始から15分後に689 nm、600 mW/cm²、83秒間
  • 照射サイズ:造影所見に基づく病変最大径+1000 μm
  • 治療後2日間は直射日光からの遮光を要する

PDTVEGF阻害薬の併用では、PDT前(1週間以内)とPDT同日(遮光下)にVEGF阻害薬を投与する方法がある。

試験名治療法主要アウトカム
EVEREST IPDTラニビズマブ併用ポリープ閉塞率77.8%10)
EVEREST IIPDTラニビズマブ+9.6文字 vs 単独10)
PLANETアフリベルセプト単剤PDT非劣性証明9)

EVEREST I試験では、PDTラニビズマブ併用またはPDT単独での病変閉塞率が77.8%であったのに対し、ラニビズマブ単独は26.7%にとどまった。10) EVEREST II試験(RCT)では、PDTラニビズマブ群がラニビズマブ単独群に比べ24週時点で9.6文字多い視力改善を示した。10)

PDTに代わる低侵襲な選択肢として、577 nmマイクロパルスレーザーの有効性が報告されている。

Jafarら(2024)は577 nmマイクロパルスレーザー(デューティサイクル5%、400 mW、200 μm、200 ms)をPCVに施行し、12週後にSRFが完全消失した症例を報告した。視力は20/60から20/25に改善した。2)

大量のSMHを生じた症例には硝子体手術による血腫除去が必要となることがある。5)

Sasajimaら(2022)は、COVID-19ワクチン3回目接種後に急速進行したPCV(79歳男性)に対し、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA 12.5 μg/0.05 mL)+SF6ガス1.2 mLを用いた硝子体手術を施行した。術後13日目にSMH・SRFの減少を認めた。4)

Q アフリベルセプトとラニビズマブのどちらを選ぶか?
A

アフリベルセプトはポリープ完全退縮率40〜50%とラニビズマブ(20〜30%)を上回る。PLANET試験ではアフリベルセプト単剤によるPDT非劣性も証明されており、現時点でPCVの第一選択抗VEGF薬として推奨される。3, 9)

6. 病態生理学・詳細な発症機序

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パキコロイドスペクトラムにおける位置づけ

Section titled “パキコロイドスペクトラムにおける位置づけ”

PCVはパキコロイドスペクトラム(PSD)に属する疾患の代表である。5, 6) PSDにはパキコロイド色素上皮症、パキコロイド新生血管症PNV)、中心性漿液性脈絡網膜症CSC)、乳頭周囲パキコロイド症候群PPS)が含まれる。5) 近年、末梢滲出出血性脈絡網膜症(PEHCR: peripheral exudative hemorrhagic chorioretinopathy)もパキコロイドスペクトラムに追加され、PCVの末梢性表現型として位置づけられている。5, 13) PCVはRPE下に存在するtype 1 CNVの特殊型であり、脈絡膜毛細血管板の虚血を基盤として異常血管網が形成される。

Haller層に存在する拡張した大径脈絡膜血管(パキベッセル)が病態の中心をなす。5) 上下渦静脈間の吻合がPSD眼の約90%で認められ、水平watershed zoneの消失をきたす。5) この渦静脈うっ滞がHaller層拡張→Sattler層・脈絡膜毛細血管板の菲薄化→毛細血管レベルの虚血→新生血管複合体形成という段階的な変化を引き起こす。5)

慢性的な脈絡膜うっ滞により以下の変化が段階的に生じる。

  • RPEの代謝障害と機能不全
  • Bruch膜のプロテアーゼ活性亢進による構造破壊5)
  • 異常分枝血管ネットワーク(BVN)の形成
  • ポリープ状拡張病変の出現

脈絡膜には網膜のような毛細血管複合体がなく、拍動性の血流に直接さらされる。このためCNV先端が拡張してポリープを形成しやすい。5) また、脈絡膜毛細血管板の血流欠損(CCFD)はPCV患眼のみならず健常僚眼でも増加しており、パキコロイドが両眼性の全身的素因として働く可能性が示唆されている。5)

パキコロイド型 vs 非パキコロイド型

Section titled “パキコロイド型 vs 非パキコロイド型”

パキコロイド型PCVは若年傾向でCSC様特徴が多く、脈絡膜血管過透過性(CVH)を伴い、抗VEGF抵抗性を示すことがある。5, 8) 一方、非パキコロイド型(drusen-driven PCV)はAMD様特徴を示し、ARMS2/HTRA1リスクアレルとの関連が強い。5, 8) 両者は異なる臨床経過と治療反応性を示すため、治療戦略の個別化が求められる。

炎症による直接的なRPE・Bruch膜の損傷がPCV発症の素地となり得る。1) 結核性脈絡膜炎から20年の経過後にPCVが発症した症例では、慢性的な炎症による組織損傷の蓄積がPCV発症に関与したと推察されている。1)


7. 最新の研究と今後の展望(研究段階の報告)

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新世代抗VEGF薬(ブロルシズマブ・ファリシマブ)

Section titled “新世代抗VEGF薬(ブロルシズマブ・ファリシマブ)”

ブロルシズマブ(VEGF-Aへの高親和性単鎖抗体)は既存の抗VEGF薬と比較して非劣性の視力改善と優れた解剖学的アウトカムを示している。5) ファリシマブ(VEGF-A/Ang-2二重阻害)とともに、治療間隔延長(treat-and-extend; T&E)を可能にする候補薬として注目されている。6) いずれも長期データの蓄積が待たれる段階である。

抗VEGF薬の持続放出デバイスであるPDSは、頻回の硝子体内注射に代わる選択肢として開発が進められている。5) PCVを含むnAMD患者の治療負担軽減に寄与する可能性がある。

Treat-and-Extend(T&E)プロトコール

Section titled “Treat-and-Extend(T&E)プロトコール”

T&Eは初期の固定投与後に個別の再燃リスクに応じて投与間隔を延長する方式である。6) PCV患者への応用で注目されているが、最適なプロトコールはまだ確立されていない。

OCT所見に基づくAI診断(APOIS基準)がAUC 0.90のnAMD-PCV鑑別能を示した。5, 12) TIGER試験では、OCTAとAIを活用した新たな診断・治療反応評価システムが検討されている。5)

パキコロイドスペクトラム概念の普及に伴い、PCVをnAMDのサブタイプとして捉えるか独立した疾患として捉えるかの議論が続いている。6, 8) パキコロイド型PCVと非パキコロイド型(drusen-driven)PCVでは脈絡膜厚・治療反応性・長期予後が異なることが示されており、14) 両者を鑑別したうえで抗VEGF単独か PDT 併用かを個別に判断する治療戦略の精緻化が今後の主要課題である。


PCVの予後はポリープ状病巣の退縮度と密接に関連する。アフリベルセプトによる完全ポリープ退縮率は40〜50%であり、ラニビズマブの20〜30%を上回る。9) ポリープが完全退縮した症例では再燃リスクが低下するが、不完全退縮例では液体貯留の再増加が高頻度で起こるため、定期的な画像評価が欠かせない。

治療が奏効し滲出性変化が消失した後でも、ポリープ破裂による突然の大量網膜下出血(SMH)が生じることがある。5年間でSMHを生じる割合は約10%と報告されており、5) 視覚症状の急変時には速やかな受診を繰り返し指導する。中心窩下大量出血では視力予後が不良であり、tPA+ガス置換術などの外科的介入を要する場合がある。

パキコロイド型PCVは抗VEGF抵抗性を示しやすく、PDT併用の必要性が高い。5, 8) 一方、非パキコロイド(drusen-driven)型はAMD様の慢性進行経過をたどる傾向があり、長期にわたる維持投与が必要となる。5, 8) いずれのサブタイプでも再発が多く、治療終了後も定期的なOCTICGA評価を継続することが重要である。



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