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その他

障害年金(眼疾患)の申請について

1. 障害年金(眼疾患)の申請とは

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障害年金は、国民年金・厚生年金の被保険者が疾病・外傷によって一定の障害状態になった場合に支給される公的年金制度である。眼疾患による視覚障害も対象に含まれる1)3)

請求の入口で重要なのが初診日である。障害認定日は、原則としてその初診日から1年6か月を経過した日、またはそれ以前に症状固定となった日とされる1)

受給要件として、初診日に年金保険料を納付していることが求められる。また、初診日の前日において保険料納付済期間が3分の2以上であることが保険料納付要件の基本である3)

Q 身体障害者手帳と障害年金は同じ制度か?
A

同じではない。手帳は福祉サービス利用の入口となる制度で、障害年金は公的年金制度である。判定基準、窓口、必要書類が異なるため、どちらか一方があっても自動的にもう一方が決まるわけではない。

Q 身体障害者手帳の等級と障害年金の等級は一致するか?
A

一致しない場合がある。身体障害者手帳と障害年金は判定基準が異なる制度である。手帳の等級が高くても障害年金の等級に該当しないことや、逆の場合もあり得る。それぞれ別途申請が必要である。

障害基礎年金

対象等級:1級、2級のみ。

位置づけ:国民年金(自営業・学生等)が対象の基礎的な年金。

補足:日常生活への制限が強い場合が中心となる1)3)

障害厚生年金

対象等級:1級、2級、3級。さらに障害手当金(一時金)もある。

入口:初診日に厚生年金保険の被保険者であることが要件の一つとなる3)

補足:厚生年金では3級や障害手当金の扱いもある1)3)

眼の障害の具体的な認定基準は次の通りである。

視力基準

1級:良い方の眼の視力が0.03以下、または0.04で他眼が手動弁以下。

2級:良い方の眼の視力が0.07以下、または0.08で他眼が手動弁以下。

3級:良い方の眼の視力が0.1以下1)

障害手当金:両眼の視力が0.6以下に減じたもの等が対象となる1)

視野基準

1級:両眼開放視認点数70点以下かつ両眼中心視野視認点数20点以下。

2級:両眼開放視認点数70点以下かつ両眼中心視野視認点数40点以下。

3級:両眼開放視認点数70点以下。障害手当金では100点以下や中心視野40点以下も基準となる1)

障害年金の申請にあたっては、次の確認が重要である。

  • 初診日:どの医療機関を初診とするかを確認する1)3)
  • 保険料納付要件:初診日の前日時点で保険料納付済期間が3分の2以上であることが必要である3)
  • 請求時期:障害認定日請求と事後重症請求では、受給開始の考え方が異なる3)
  • 眼科資料視力、視野、現症日、治療歴、病名の整合性が必要となる4)5)
  • 就労・生活状況:診断書では日常生活能力や労働能力の欄も重要である5)
Q いつ請求できるのか?
A

原則は初診日から1年6か月後の障害認定日以降である1)。ただし、その時点で基準に達していなくても、後に悪化して基準に達した場合は事後重症請求の対象となることがある3)

眼の障害用診断書では、視力、視野、現症日などを記載する4)。視野障害がある場合は、次の添付が重要である5)

  • ゴールドマン型視野計:視標が明確にわかる視野図。
  • 自動視野計:両眼開放エスターマンテスト結果と10-2プログラム結果。
  • 病歴との整合性:病名と視野障害の内容がつながっているか。
  • 日常生活・労働能力:数値だけでなく、生活機能の記載が必要5)

年金診断書作成の留意事項では、初診年月日と現症日の記入漏れに注意すること、視野障害がある場合は指定の結果を添付することが示されている5)

申請窓口は年金の種類によって異なる。障害厚生年金は年金事務所(日本年金機構)、障害基礎年金(国民年金)は市区町村窓口、共済年金は各共済組合が窓口となる。

実務上は次の流れで進める。

手順内容主な窓口
1初診日確認医療機関等
2受給要件確認年金事務所
3眼科受診・診断書取得医療機関
4病歴・就労状況等申立書の作成本人
5請求書一式の提出年金事務所等
6審査・認定→支給決定日本年金機構

障害厚生年金の公式案内では、受給要件として「初診日」「障害認定日の等級該当」「保険料納付要件」の3点が示されている3)。障害認定日に該当しなかった場合でも、その後重くなれば事後重症請求ができる3)

Q 障害認定日請求と事後重症請求の違いは何か?
A

障害認定日請求は、初診日から1年6か月後の時点で基準に該当していた場合の請求である。事後重症請求は、その時点では該当しなかったが、後に悪化して基準に達した場合の請求である3)

2022年改正後の眼の障害認定では、視力と視野の考え方がより整理された2)

  • 視力基準の変更:「両眼の視力の和」ではなく、「良い方の眼の視力」による認定へ変更された2)
  • 視野基準の整備:ゴールドマン型視野計に加え、自動視野計による基準が整備された1)2)
  • 症状限定の整理:求心性視野狭窄や輪状暗点といった表現より、測定数値で判定する方向が明確になった2)
  • 等級の追加整理:視野障害について1級や3級の基準が明示された2)

診断書の留意事項では、視野障害がある場合、ゴールドマン型視野計ならア欄、自動視野計ならイ欄に記載し、それぞれ必要な視野図や検査結果を添付するよう求めている5)

有期認定の場合は1〜5年ごとに更新診断書の提出が必要である。視力が改善した場合は等級が下がることもある。また、20歳前に初診日がある障害(先天性眼疾患等)は障害基礎年金の対象となり、所得制限が設けられている。

2022年1月1日の改正は、眼の障害の認定実務にとって大きな変更であった2)。検索結果には旧基準の説明も残っているため、古い情報を参照すると誤解しやすい。

Q 2022年改正で何が最も大きく変わったか?
A

視力では「両眼の視力の和」から「良い方の眼の視力」へ変わった点が大きい。視野では、自動視野計に基づく基準が新たに整理され、測定数値による判定が明確になった2)

  1. 日本年金機構. 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 [Internet]. 2022. Available from: https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/01.pdf
  1. 日本年金機構. 令和4年1月1日から「眼の障害」の障害認定基準が一部改正されました [Internet]. 2022. Available from: https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2022/202201/20220104.html
  1. 日本年金機構. 障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額 [Internet]. Available from: https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html
  1. 日本年金機構. 診断書(眼の障害用) [Internet]. Available from: https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/shougai/shindansho/20140421-22.files/01-1.pdf
  1. 日本年金機構. 障害基礎年金・障害厚生年金の診断書作成の留意事項《眼の障害》 [Internet]. Available from: https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/shougai/shindansho/20140421-22.files/01-3.pdf

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