術中合併症
強膜穿孔:発生率0.08〜5.1%。多くは後遺症なし。2)5)
眼心臓反射:発生率67.9%。洞性徐脈が最多。心静止0.11%。6)7)
筋紛失(PITS):発生率1/4,500(成人)。小児0.02%(1/5,000)。外科的緊急事態。2)
筋滑脱:発生率1/1,500。修正手術例の10.6%に認められる。2)
誤手術:1/2,506。誤った眼または筋への手術。8)

斜視は眼鏡・アイパッチ・プリズム・視能訓練で改善しない場合に、手術が推奨される。斜視手術は非常に安全で効果的な術式である。ただし、いかなる外科手術にも合併症は発生しうる。
視力を脅かす重篤合併症のリスクは特に低い。1) 重篤合併症(強膜穿孔・重症感染・筋滑脱/紛失・強膜炎)の推定発生率は1/400であり、そのうち予後不良は1/2,400と報告されている。2) 多くの合併症は軽微で、自然軽快または局所薬物治療で改善する。1)
再手術率は疾患により異なるが、一般的に20〜30%とされる。
合併症は発生時期により以下の3つに大別される。
重篤合併症(強膜穿孔・重症感染・筋滑脱/紛失・強膜炎)の推定発生率は1/400、そのうち予後不良に至るのは1/2,400である。2) 多くの合併症は軽微で自然軽快または局所治療で対処できる。1)
合併症の発生時期(術中・早期術後・晩期術後)に分類して示す。
術中合併症
強膜穿孔:発生率0.08〜5.1%。多くは後遺症なし。2)5)
眼心臓反射:発生率67.9%。洞性徐脈が最多。心静止0.11%。6)7)
筋紛失(PITS):発生率1/4,500(成人)。小児0.02%(1/5,000)。外科的緊急事態。2)
筋滑脱:発生率1/1,500。修正手術例の10.6%に認められる。2)
誤手術:1/2,506。誤った眼または筋への手術。8)
早期術後合併症
術後感染:結膜下膿瘍・眼窩蜂窩織炎 1/1,100〜1/1,900。眼内炎 1/30,000〜1/185,000。2)5)
角膜デレン:発生率2.2〜18.9%。再手術・移行術でリスク上昇。3)4)
前眼部虚血:発生率1/6,000。3筋以上の同時手術でリスク上昇。2)
アレルギー反応:周術期使用材料・薬剤への過敏反応。
晩期術後合併症
過矯正・低矯正:追加手術で対応。2)
化膿性肉芽腫:発生率2.1%。2)
結膜封入嚢胞:発生率0.25%。2)
外科的壊死性強膜炎(SINS):発生率1/4,000。成人に多い。2)
網膜剥離:発生率1/10,000〜1/40,000。2)5)
主な合併症の発生率をまとめる。
| 合併症 | 発生率 |
|---|---|
| 術後感染(蜂窩織炎) | 1/1,100〜1/1,900 |
| 筋紛失 | 1/4,500(成人) |
| 前眼部虚血 | 1/6,000 |
| 眼内炎 | 1/30,000〜1/185,000 |
外眼筋牽引による迷走神経刺激で徐脈や血圧低下が起こる。発生率は67.9%と高頻度だが、操作を中止すれば通常は回復する。6) 心静止は0.11%にとどまる。7) 頻回に起こる場合は静脈内アトロピン投与で対処する。
合併症ごとの主なリスク要因を示す。
再手術では結膜瘢痕・強膜穿孔・角膜デレンのリスクが上昇する。3)4) 修正手術例の10.6%に筋滑脱が認められたとの報告もある。再手術率は一般的に20〜30%であり、初回手術前から説明が重要である。
合併症ごとの診断アプローチを示す。
主な術後合併症の治療をまとめる。
| 合併症 | 治療法 |
|---|---|
| 結膜炎 | 抗菌点眼 |
| 眼窩蜂窩織炎 | 全身性抗菌薬 |
| 眼内炎 | 硝子体内抗菌薬 |
| 前眼部虚血 | アトロピン+ステロイド点眼 |
| 角膜デレン | 眼軟膏による角膜保護 |
| 化膿性肉芽腫 | 局所ステロイド→外科的切除 |
同手術中に速やかに回収を試みる。局所麻酔下の手術であれば全身麻酔に切り替えて処置する。内直筋は他の筋との結合組織がなく眼窩深部に引き込まれやすいため、確保が困難なことがある。回収不能な場合は筋移行術を選択する。
各合併症の発症機序を以下に示す。
2025年の遡及的研究では、術後抗菌点眼薬の処方が感染率を低下させなかったことが報告された。術後感染予防における抗菌点眼の必要性については、今後さらなる検討が必要とされている。
ケタミンを主麻酔薬とすることで、眼心臓反射・術後悪心嘔吐・術後不穏が減少することが報告されている。麻酔管理の改善により合併症リスクの低減が期待される。
一部の症例において、ボツリヌス毒素注入による化学的除神経が斜視矯正に有効であることが報告されている。外科的手術に代わる選択肢として研究が進んでいる。