眼軸長誤差
最大の誤差源:眼軸長は最も重要なパラメータであり、眼内レンズ度数を約2.5〜3倍変化させる。
圧迫誤差:接触法A-scanでは角膜圧迫により眼軸長が短く測定される。
長眼での過大評価:光学式では眼全体に一律屈折率を適用するため、眼軸長25mm超の眼では過大評価が生じる。

バイオメトリー(biometry:生体計測)とは、生物学に数学を応用する測定法の総称である。眼科領域では白内障手術における眼内レンズ(IOL)度数計算のために、眼の各部寸法を精密に計測することを指す。
眼の屈折力は主に角膜、水晶体、眼内透光体、および眼軸長(AL)によって決定される。白内障手術では混濁した自然水晶体を除去して眼内レンズに置き換えるため、術後に目標屈折を得るには事前に眼内レンズ度数を正確に計算しなければならない。
1949年にHarold Ridleyが初めて眼内レンズ移植を行った際、患者は約20Dの屈折誤差(refractive surprise)を生じた。その後1967年にFyodorovらがバージェンス式を用いて眼内レンズ度数推定を行ったことが現代計算法の出発点となった。1970年代には超音波Aモード法が確立し、以来計算式はより精緻化されてきた。
眼軸長・角膜屈折力(K値)・前房深度(ACD)・水晶体厚(LT)・角膜直径(白色輪部径:WTW)を測定する。これらのパラメータから有効レンズ位置(ELP)を予測し、必要な眼内レンズ度数を算出する。
バイオメトリー自体は検査法であり疾患ではない。計測精度が不十分な場合に術後屈折誤差(refractive surprise)が生じ、患者は以下の症状を訴える。
術後屈折誤差の主な発生源は3つである。
眼軸長誤差
最大の誤差源:眼軸長は最も重要なパラメータであり、眼内レンズ度数を約2.5〜3倍変化させる。
圧迫誤差:接触法A-scanでは角膜圧迫により眼軸長が短く測定される。
長眼での過大評価:光学式では眼全体に一律屈折率を適用するため、眼軸長25mm超の眼では過大評価が生じる。
角膜屈折力誤差
2番目の誤差源:K値1Dの誤差がほぼ1:1で眼内レンズ度数誤差に反映される。
測定範囲の問題:ケラトメーターは直径3.2mm域を測定するため、中央角膜の実際の屈折力と差が出ることがある。
屈折矯正手術後眼:前後面曲率比の変化により角膜屈折力が過大評価される。
ELP予測誤差
有効レンズ位置の予測誤差:眼内レンズが嚢内のどの位置に落ち着くかを術前に正確に予測することは難しい。
計算式依存:ELPの予測精度が各計算式の世代による差異の主因である。
ESCRSガイドラインは、眼内レンズ度数計算における誤差の3大発生源として眼軸長・角膜屈折力・予測眼内レンズ位置を挙げている。眼軸長・角膜曲率の測定精度はバイオメトリーの進歩によって向上したが、眼内レンズ位置の予測精度は使用する計算式に大きく依存する1)。
術後屈折誤差を増大させるリスク要因を以下に示す。
濃い白内障や固視困難眼では光学式での測定が難しい場合がある。ESCRSガイドラインは「成熟・高度白内障で光学式が適用できない場合は超音波バイオメトリー(A-scan・B-scan)を使用すること」を推奨している1)。熟練した術者が行う浸漬式A-scanでは、光学式との間に統計的有意差は認められないとの報告もある1)。
| パラメータ | 略称 | 意義 |
|---|---|---|
| 眼軸長 | AL | 最も重要。正常平均24mm |
| 角膜屈折力 | K | 2番目に重要。1:1で眼内レンズ度数に影響 |
| 前房深度 | ACD | ELP予測に必要 |
| 水晶体厚 | LT | 新世代式の追加変数 |
| 白色輪部径 | WTW | ELP予測・眼内レンズサイズ決定に使用 |
光学式バイオメトリーは部分コヒーレンス干渉法(PCI)を利用した非接触測定法であり、初期装置(IOLマスター)以来の標準的手法である。光学式バイオメトリーは接触(圧平)式Aモード超音波法に比べ、有意に高精度かつユーザー非依存の測定結果をもたらすことが示されており、術後球面等価値も目標屈折に近くなる3)。新形式のスウェプトソースOCTは従来のPCIよりもさらに多くの白内障眼で測定可能である3)。
AAO白内障PPPは、光学式バイオメトリーが黄斑部が後部ぶどう腫の傾斜壁上に位置する場合でも「屈折性眼軸長」を測定するため、標準的超音波Aモード法より正確であることを述べている。さらに眼内シリコーンオイルがある場合でも光学式の方が使いやすいとされる3)。
光学式バイオメトリーの限界として、全体眼に一律の屈折率を適用することが挙げられる。高度近視眼では硝子体ゲルの体積比率の関係で真の眼軸長を過大評価し、標準計算式では眼内レンズ度数が過小評価となる。眼軸長が25mm超の眼ではWang-Koch調整が適用できる(ただしBarrett Universal IIやHill-RBFなどの新世代式には適用不要)3)。
超音波Aモード法は機械的振動波を使用し、パルスが角膜から網膜へ移動する時間を計測する。音速は媒質によって異なり(水晶体・角膜では約1641m/s、水様液・硝子体では1532m/s)、正常有水晶体眼の平均は1555m/sである。接触法(applanation)は角膜を圧迫するため眼軸長が人工的に短縮されやすく、測定精度はオペレーターの技量に大きく依存する3)。浸漬法(immersion)ではプローブが直接角膜に触れないため圧迫誤差を回避できるが、位置合わせの制御が難しい。
角膜屈折力の計測には手動ケラトメーター、自動ケラトメーター、コンピュータービデオケラトグラフィ、シャインプルーフカメラ(ペンタカム等)、前眼部OCTが利用される3)。
標準的なケラトメーターは中央角膜が完全な球面であるとの仮定に基づき、前面曲率から後面曲率を推定する(前後面曲率比固定)。この仮定は屈折矯正手術後眼では成立しなくなる。正常眼における平均角膜前面曲率半径は7.5mm(約44.44D)、後面は前面より平均1.2mm小さい。
眼内レンズ度数計算式は理論式・回帰式・両者の混合式に大別され、「世代」で分類される。
現在最も重要な変数は**有効レンズ位置(ELP)**の予測であり、各計算式の世代的進化の核心はELP予測精度の向上にある。
各主要計算式の変数を以下に示す。眼軸長・角膜屈折力に加え、各式が使用する追加変数に違いがある3)。
| 計算式 | 追加変数 | 特徴 |
|---|---|---|
| Barrett Universal II | ACD・LT・WTW | 理論光線追跡+データ駆動型 |
| Haigis | ACD | 3変数二重回帰分析 |
| Hill-RBF | ACD・LT・WTW | AIによるパターン認識 |
| Hoffer Q | なし | 個人化前房深度定数を最適化 |
| Holladay 1 | なし | Surgeon factorでACD導出 |
| Holladay 2 | ACD・LT・年齢・WTW・術前屈折 | Holladay 1を非線形回帰で更新 |
| Kane | ACD・性別・LT・角膜厚 | 理論光学+回帰+AI |
| SRK/T | なし | 理論光学+回帰分析の融合 |
SRK式(Sanders・Retzlaff・Kraff)は現在では推奨されないが、変数との関係理解に有用である(P = A − 0.9K − 2.5AL)。
国内では第3世代のSRK/T式が汎用されているが、眼軸長や前眼部形態に応じて複数の計算結果を比較することが望ましい。白内障手術希望者の約15%に眼軸長と角膜屈折力による均整が整っていない眼球が認められる。
新世代式(Barrett Universal IIなど)はAI・回帰・理論光学を統合しており、特に異常眼軸長眼での精度向上が報告されている。理想的な正視(emmetropia)は全症例の約80%でしか達成されないことが課題であり、このため研究者はレイトレーシングソフトやAIベース計算法(Hill-RBF、Kane、Pearl-DGSなど)の開発を続けている4)。
なお、旧世代の回帰式(SRK-II・SRK・Binkhorst・Hoffer)はもはや使用すべきでないとされている6)。
新世代式間の平均絶対誤差(MAE)の差はわずかであり、通常眼では術者の好みで選択可能である6)。ただし眼軸長の範囲により精度が異なるため、以下の使い分けが推奨される。
短眼軸眼(22mm以下)
Hoffer Q式とHolladay 2式の精度が高い。20mm以下ではHolladay 2式が最も優れているとされる。
ACD<2.5mm:一部の計算式はELPを過小評価するため、Hoffer Q式が推奨される6)。
長眼軸眼(24.5mm以上)
24.5〜26.0mm:Holladay 1式の精度が高い。
26.0mm以上:SRK/T式・Holladay 1式・Holladay 2式の精度が高い。Wang-Koch眼軸長調整を併用すると改善する6)。
新世代式(Olsen・EVO・Kane・Hill-RBF・Barrett II)はすべての眼軸長で正確とされる6)。
眼内レンズメーカーが提供するレンズ定数(A定数)はあくまで推奨値であり、実際に使用するバイオメトリー法との整合性が保証されているわけではない。術者の実際の術後屈折成績に基づいた定数最適化、または複数術者のデータを集積したオンラインデータベース(ULIB:User Group for Laser Interference Biometryなど)の活用が有益である3)。
光学式バイオメーターを使用する場合は光学式専用の眼内レンズ定数を用いること。IOLMaster使用時は信号対雑音比(SNR)≥5の測定値を採用する。
角膜乱視がケラトメーターで直乱視2D以上・倒乱視1.5D以上の場合に乱視矯正眼内レンズの適応を検討する。乱視矯正眼内レンズは角膜弛緩切開と組み合わせた場合を含め、非乱視矯正眼内レンズより残余乱視が少ないことが2016年のシステマティックレビューとメタ解析で示された3)。
計算にはメーカー提供のオンラインカリキュレーターまたは光学式バイオメーター内蔵のHaigis-T式・Barrett Toric式の使用が推奨される。これらは測定値を直接取り込めるため入力誤差のリスクが低い。術前角膜乱視1D以上の症例は白内障手術患者の約1/3に認められ、トーリック眼内レンズの潜在的適応は多い。
主要なトーリック計算式として、Barrett Toric式(角膜後面乱視を経験的に考慮)、Kane Toric式(AI・回帰・理論光学の複合アルゴリズム)、EVO 2.0 Toric式(理論的な角膜後面乱視と厚みレンズモデルを統合)がある。Kane Toric式は他の式と比較して平均絶対予測誤差が有意に低いとの報告がある。
トーリック眼内レンズの軸ずれには注意を要する。1度の軸ずれで約3%の乱視矯正効果が減少し、30度の軸ずれで矯正効果は消失する。
屈折矯正手術(LASIK・PRK・RK)は角膜前後面の曲率比を変化させる。ケラトメーターは前面曲率のみから後面を推定するため、術後眼では角膜屈折力を過大評価する。また多くの眼内レンズ計算式はELPを眼軸長と角膜屈折力から予測するが、矯正手術後はこの関係が変化するため計算式にも誤差が生じる(屈折矯正手術後眼への対応参照)。
現代の計算式のほとんどはFyodorovの理論式に基づく:
P = (1336/[AL−ELP]) − (1336/[1336/{1000/([1000/DPostRx] − V) + K} − ELP])
この式で術前に測定できない唯一の変数がELPであり、後継式(Holladay、Hoffer Q、SRK/T、Haigisなど)はいずれもELP推定の精度向上を目指している。
無水晶体眼:超音波速度が1532m/sとなり、2つの水晶体スパイクが消失して単一スパイクに置き換わる。毛様溝固定の場合は計算上のACD値を0.25mm減じる。
偽水晶体眼:人工レンズ内の超音波速度は眼内レンズ素材による(PMMA: 補正係数+0.45、シリコーン: −0.56または−0.41、アクリル: +0.30)。偽水晶体眼での眼軸長再測定には光学式が推奨される。
後部硝子体手術後・シリコーンオイル充填眼:最も一般的な2種のシリコーンオイルは音速が異なる(1050m/sと980m/s)。光学式での測定が超音波法より正確であり、さらに眼内シリコーンは両凸眼内レンズ移植時にマイナスレンズとして機能するため眼内レンズ度数を3〜5D調整する必要がある。
屈折矯正手術後眼には主に3種類の誤差が生じる。
各方法のLVC後・RK後への適応を以下に示す。
| 方法 | LVC後 | RK後 |
|---|---|---|
| 臨床履歴法 | ○ | × |
| CL-オーバーレフラクション法 | ○ | ○ |
| 中央リング・トポグラフィー法 | × | ○ |
角膜前後面の直接測定機器としては、Pentacam(回転式シャインプルーフカメラ、TrueNetPowerマップおよびHolladay Report等価K値を算出、臨床履歴データがない場合の代替法)、前眼部OCT(角膜前後面屈折力の直接測定、光線追跡ソフトOKULIXとの併用が可能)、Orbscan(スリットスキャニング+プラチドディスク、角膜混濁による後面測定アーチファクトに注意)が利用できる7)。
過去データに依存しない方法でも30〜68%の症例が目標球面等価度数±0.5D以内に収まるようになっており、過去データを要する方法がゴールドスタンダードではなくなりつつある6)。複数の方法を組み合わせた場合に最も精度が高く、MedAE 0.31〜0.35D、±0.5D以内の割合66〜68%が報告されている7)。
各術式既往別の予測精度は以下の通りである7)。
| 術式既往 | ±0.5D以内の割合 |
|---|---|
| 近視LASIK/PRK後 | 0〜85% |
| 遠視LASIK/PRK後 | 38.1〜71.9% |
| RK後 | 29〜87.5% |
放射状角膜切開術(RK)後眼では、ASCRSポストRK 眼内レンズ計算機が有用である。臨床履歴法はRKでは段階的な中央角膜平坦化(遠視化ドリフト)が生じやすいため不正確になることが多い3)。RK後眼ではさらに以下の点に注意が必要である7)。
Zengら(2022年)は、RK後にPRKまたはLASIKを重ねた患者2例を報告した5)。角膜前後面曲率半径比(B/F比)が増大した症例(Case 1、RK+PRK)ではBarrett True-K(no history、post-RK)が最も正確であり(実際使用IOLとの差が1D以内)、B/F比が減少した症例(Case 2、RK+LASIK)ではShammas・Haigis-L・Barrett True-K(no history、post-LASIK/PRK)が精度良好であった。
Zengらはこの知見から、重複屈折矯正手術後眼ではB/F比(正常眼では約84%)が眼内レンズ計算式選択の重要指標となる可能性を示唆した5)。
小児眼、特に乳幼児眼はALが短いため誤差が増幅される。また眼の成長に伴う近視化シフト(myopic shift)を考慮した低矯正戦略(undercorrection)が必要となる2)。
小児眼では以下の点が成人眼と根本的に異なる。
Rathodら(2025年)の系統的レビューでは、小児眼内レンズ計算において以下が明らかになった2)。
眼内レンズ計算精度に関する複数の研究を統合すると、新世代式(Barrett Universal II・Kane)は旧世代式(SRK/T等)に比べて特に2歳以上・AL >21mmの小児で高い精度を示した。一方、AL <22mm眼ではHolladay 2やSRK/T・Hoffer Qが有用とする報告も多く、統一見解は得られていない2)。
AL・K測定は小児では最も影響の大きいパラメータであり、接触式A-scanは角膜圧迫により眼軸長を平均0.24〜0.32mm短く測定するため、可能であれば浸漬式A-scanが推奨される2)。WTW径が9mm未満の眼への眼内レンズ移植は後部癒着・続発緑内障などのリスクから避けることが推奨されている2)。
小児への低矯正戦略の代表的な提唱値を以下に示す(Khokharらのプロトコール)。
これは眼球成長に伴う近視化シフトを見越した設定であり、成人時に正視に近づけることを目指す2)。
小児眼軸長測定に関するTrivediらの無作為化研究では、接触式測定値は浸漬式に比べて平均0.24〜0.32mm短かった。小児眼は角膜・強膜剛性が低いため圧迫誤差が生じやすく、浸漬法が推奨される2)。
現時点では統一見解がない。2歳以上・AL >21mmの小児ではBarrett Universal IIやKane式の精度が高いとされる一方、AL <22mmの短眼ではHolladay 2やSRK/T・Hoffer Qが有用とする報告も多い2)。近視化シフトの個人差も大きいため、低矯正戦略と長期フォローアップを組み合わせることが重要である。
Hill-RBF法(人工知能によるパターン認識)は実測データから眼内レンズ度数を推定するアルゴリズムであり、解剖学的パラメータに依存せず機能する。Rastogiら(99眼、4〜18歳の小児)の検討では、Hill-RBF法はBarrett Universal II・SRK/T・Holladay 1・Hoffer Q式と同等の予測精度を示し、小児眼科における有力な選択肢として注目されている2)。
今後のAIベース式は、各集団の正常バイオメトリーデータを活用することで小児を含む特殊眼においても現行式を上回る精度が期待される2)。
Suzukiら(2025年)は、眼軸長30.0mm以上の極端な軸性近視80眼を対象にAI駆動型眼内レンズ計算式の精度を後方視的に評価した8)。Kane式とHill-RBF式は従来のSRK/T式に比べ有意に低い平均絶対誤差(MAE)を示した。±0.5D以内の割合はSRK/T 26.3%、Barrett Universal II 45.0%、Hill-RBF 55.0%、Kane 65.0%であり、AI駆動型の優位性が示された。眼軸長32mm以上のサブグループでは、Hill-RBFのMAEが0.49D、KaneのMAEが0.44Dと最も良好であった8)。
2021年に発表されたAI計算式であり、機械学習を用いて角膜後面曲率半径や理論的レンズ位置を予測する。新しい眼内レンズモデルへの再学習が不要である点が特徴であり、トーリック眼内レンズや屈折矯正手術後にも対応可能とされる。エビデンスの蓄積が待たれる。
完全に公開されたアルゴリズムを有し、機器に依存しないトーリック計算機能を統合した計算式である6)。アルゴリズムの透明性という点で独自の位置づけにある。
OCTデータに基づく光線追跡(Anterion-OKULIX)は、近視LVC後眼においてBarrett True K no-history式と比較して算術的予測誤差が有意に低い(−0.13D vs −0.32D)との報告がある7)。光線追跡法は角膜全面の形状データを直接利用するため、屈折矯正手術後眼への適用においても理論的優位性が期待される。
眼全体に一律の屈折率を使用する従来法に対し、各セグメント(房水・水晶体・硝子体)に個別の屈折率を適用する「セグメント式眼軸長測定」が研究されている。短眼では最大0.29mm大きく、長眼では0.50mm小さく表示されるとされ、長眼・短眼のサブグループにおいてHaigisを除く多くの計算式でMAE(平均絶対誤差)の有意な改善が報告されている。現在、ARGOS(サンテック社)がセグメント方式を実装している。
一方の眼内レンズを永久的に嚢内に置き、もう一方を一時的に毛様溝に置く「Piggyback 眼内レンズ」アプローチが提唱されている。一時的眼内レンズは患者が成人になった後に取り出すことで術後屈折の調整を可能にする2)。実用化に向けたさらなる長期データが必要である。
Optiwave refractive analyzerなどを用いた術中波面収差測定は、成人の通常白内障手術において従来のバイオメトリーと同等の術後成績が得られるとの報告がある。小児への適用可能性は現時点では不明確であり、さらなる研究が求められる2)。