表在型ドルーゼン
外観:乳頭面上に黄白色〜桃色の結節が見える
視野障害:可視ドルーゼンのある眼の71%に視野欠損
NFL変化:ドルーゼンが密集する象限に一致した局所的菲薄化。びまん性の場合もある
診断:眼底検査で比較的容易に同定可能

視神経乳頭ドルーゼン(optic disc drusen; ONHD)は、視神経前部の篩状板に硝子様物質が沈着し石灰化した粒状の構造物である。先天性の疾患であるが、幼少期には目立たず、健診や他疾患を契機とした眼底検査で偶然発見されることが多い。
検眼鏡的には表在型と埋没型に分類される。
有病率は0.34%(臨床研究)〜2%(剖検研究)である。わが国での発生率は0.04%と欧米よりやや低い。3/4の症例が両眼性であり、常染色体優性遺伝(不完全浸透)の関与が示唆されている。
緑内障の鑑別診断において、視神経乳頭ドルーゼンは非緑内障性の視神経乳頭異常として考慮すべき疾患の一つである1)2)。
異なる疾患である。加齢黄斑変性のドルーゼンは網膜色素上皮下に蓄積する沈着物であり、黄斑部に生じる。視神経乳頭ドルーゼンは視神経乳頭内の軸索変性に伴う石灰化沈着物であり、発生部位・成因・臨床的意義のすべてが異なる。
通常は無症状で経過する。緩徐に進行するため視野障害を自覚しにくい。まれに以下を訴えることがある。
表在型ドルーゼン
外観:乳頭面上に黄白色〜桃色の結節が見える
視野障害:可視ドルーゼンのある眼の71%に視野欠損
NFL変化:ドルーゼンが密集する象限に一致した局所的菲薄化。びまん性の場合もある
診断:眼底検査で比較的容易に同定可能
埋没型ドルーゼン
外観:乳頭浮腫状で境界不鮮明。偽乳頭浮腫を呈する
視野障害:偽乳頭浮腫のみを呈する眼の25〜30%に視野欠損
NFL変化:レッドフリー撮影ではNFL変化を示しにくい
診断:超音波Bモード・CT・OCTによる石灰化の検出が必要
正確な病因は不明であるが、軸索の変性副産物であると考えられている。
ドルーゼンは加齢とともに増大し、NFLの菲薄化と視野欠損の両方が経時的に緩徐に進行する。年1.6%程度の視野狭窄の悪化が報告されている。
乳頭ドルーゼンは視神経乳頭の混雑(crowding)を誘発し、まれに50歳未満の患者でNA-AIONの発症と関連することが報告されている3)。
視神経乳頭の隆起・陥凹欠如・境界不鮮明を確認する。充血の欠如、乳頭表面の微細血管異常がない点がうっ血乳頭との鑑別点となる。散瞳下での眼底検査を含む包括的な評価が必要である2)。
| 所見 | 乳頭ドルーゼン | うっ血乳頭 |
|---|---|---|
| 色調 | 黄白色 | 赤色 |
| 生理的陥凹 | 消失 | 保存(初期) |
| 出血 | まれ | あり |
乳頭ドルーゼンでは充血がなく、乳頭面上の毛細血管拡張や出血を認めず、乳頭上の血管を明瞭に追うことができる。確定診断には超音波Bモード検査での石灰化検出やOCTが有用である4)。蛍光眼底造影では乳頭からの色素漏出を認めない点がうっ血乳頭との鑑別点となる。経過観察で乳頭所見に変化がないことも偽乳頭浮腫の確定に重要である。
ドルーゼンそのものを治療する方法はない。合併症に対する管理・治療が主体となる。
現時点で乳頭ドルーゼンを消失させる治療法はない。ドルーゼンは加齢とともに増大する傾向がある。ただし視覚障害は通常軽度であり、急激に視力が低下することは少ない。定期的な検査で合併症の早期発見と管理を行うことが最善の対応である。
視神経乳頭ドルーゼンの超微形態学的研究では、以下の過程が示されている。
ドルーゼンは2〜3個の小結節から最大40〜50個の集合体まで様々である。
視野障害の原因として、ドルーゼンによる視神経線維への直接圧迫、視神経乳頭の虚血、軸索流障害が考えられている3)。乳頭ドルーゼンの大きさや局在と視野は必ずしも一致しない。
ドルーゼンは軸索輸送の変化により蓄積した石灰化物質の集合体であり、視神経乳頭の混雑を悪化させる。これがまれにNA-AIONの発症と関連し、特に50歳未満の患者でその傾向が強い3)。多施設後方視的研究では、50歳未満のNA-AION患者の50%以上にOCTで乳頭ドルーゼンが同定された3)。
OCTは埋没ドルーゼンと表在ドルーゼンの両方を非侵襲的に検出できる画像診断法として、現在のゴールドスタンダードと位置づけられている4)。断面画像による埋没ドルーゼンの同定やPHOMSの検出が可能であり、従来の超音波Bモード検査では見逃されていた非石灰化の埋没ドルーゼンの検出にも有用である。
視神経乳頭ドルーゼンは慢性進行性の視神経疾患であり、年1.6%程度の視野狭窄の悪化が報告されている。NFLの菲薄化は臨床的に可視化されるドルーゼンの程度と相関し、多くの場合、視野欠損に先行して現れる。
乳頭ドルーゼンは、まれにNA-AIONの発症と関連する。特に50歳未満の患者では、ドルーゼンが視神経乳頭の過度な混雑を誘発し、虚血のリスクを高める可能性がある3)。
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