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視覚障害者手帳の申請と認定の流れ

視覚障害者手帳は、身体障害者福祉法に基づく身体障害者手帳のうち、視覚障害を対象とするものである。交付主体は都道府県知事、指定都市市長、中核市市長である1)。対象となるのは、一定以上で永続する視覚障害である1)

障害の程度は、身体障害者福祉法施行規則別表第5号の等級表に基づき、1級から6級まで定められている1)2)。視力障害と視野障害のどちらでも認定の対象となり得る。

Q 手帳は病院が発行するのか?
A

病院が直接交付する制度ではない。眼科で診断書・意見書を作成し、それを居住地の自治体窓口へ提出して申請する流れである1)7)

2. 主な対象者と認定のポイント

Section titled “2. 主な対象者と認定のポイント”

視覚障害の認定では、視力と視野が中核となる。視力は最も適正なレンズを用いた矯正視力で判定する3)。視野はゴールドマン型視野計または自動視野計で評価する3)

視力基準

1級:視力の良い方の眼が0.01以下。

2級:視力の良い方の眼が0.02以上0.03以下、または良い方が0.04で他眼が手動弁以下。

3級:視力の良い方の眼が0.04以上0.07以下、または良い方が0.08で他眼が手動弁以下。

4〜6級:0.08以上0.1以下、0.2と他眼0.02以下、0.3以上0.6以下かつ他眼0.02以下などに区分される2)

視野基準

2級:周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度28度以下、または両眼開放視認点数70点以下かつ両眼中心視野視認点数20点以下。

3級:周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度56度以下、または両眼開放視認点数70点以下かつ両眼中心視野視認点数40点以下。

4〜5級:周辺視野角度80度以下、両眼による視野の2分の1以上欠損、両眼中心視野角度56度以下、両眼開放視認点数70〜100点以下などで判定する2)3)

補足

7級単独:7級障害が1つだけでは手帳の対象外である。

重複障害:7級が2つ以上ある場合、または7級と6級以上が重複する場合は対象となり得る3)

判定方法:ゴールドマン型視野計と自動視野計の結果は混在できない3)

Q 視力が比較的よくても、視野障害だけで認定されるか?
A

認定され得る。現行基準では、ゴールドマン型視野計による周辺・中心視野、または自動視野計による両眼開放視認点数と中心視野視認点数で判定する仕組みが明確化されている2)3)6)

申請前に確認したいポイントは以下の通りである。

  • 指定医の確認:診断書・意見書は身体障害者福祉法15条指定医の記載が必要である7)
  • 矯正条件の確認:視力判定は原則として最良矯正視力で行う。普段の眼鏡やコンタクトで足りない場合は、検査前に調整が必要となる3)
  • 視野検査法の確認:ゴールドマン型視野計と自動視野計のどちらで判定するかを意識する。結果の混在はできない3)4)
  • 制度改正の把握:2018年7月1日から自動視野計による認定基準が明文化された。古い説明と混同しないことが重要である6)
  • 自治体窓口の確認:窓口名称、写真の条件、代理申請時の書類は自治体で差がある7)

横浜市の申請案内では、次の書類が基本とされている7)

書類主な内容備考
診断書・意見書所定様式15条指定医
顔写真4cm×3cm1年以内
本人確認書類免許証等窓口確認
マイナンバー番号確認代理申請可

眼科的検査では、次の項目が重要である。

  • 視力検査:最良矯正視力で判定する3)
  • 視野検査:ゴールドマン型視野計または自動視野計を使う3)
  • 視野図の整備:どの視標か、どのプログラムかがわかる結果が必要となる3)4)5)
  • 病歴整理:再認定、等級変更、障害追加では前回認定との比較が重要になる7)

全国の流れは概ね次の順である。

手順内容主な窓口
1眼科受診指定医
2診断書作成医療機関
3申請提出自治体窓口
4審査更生相談所等
5手帳交付自治体

横浜市の案内では、手帳のお渡しは申請日から概ね2か月後とされている7)。また、手帳交付日が他制度の基準日となる場合があるため、診断書完成後は速やかな申請が勧められる7)

Q 申請から交付まで、どれくらいかかるか?
A

自治体差はあるが、横浜市では申請から概ね2か月後の交付と案内されている7)。再認定や追加資料が必要な場合は、さらに時間を要することがある。

6. 認定実務で見られるポイント

Section titled “6. 認定実務で見られるポイント”

認定実務では、単に数値を見るだけではなく、検査条件と記録の整合性が確認される。

  • 矯正視力であること屈折異常がある場合は、最も適正なレンズによる矯正視力で判定する3)
  • ゴールドマン型視野計:Ⅰ/4視標で周辺視野角度、Ⅰ/2視標で中心視野角度を判定する3)
  • 自動視野計:両眼開放エスターマンテスト120点、10-2プログラム68点で評価する3)
  • 混在不可:ゴールドマン型視野計と自動視野計の結果を組み合わせて1件の認定に用いることはできない3)
  • 疑義への対応:傷病と視野障害の整合性、古い検査結果、視標の読み違いは疑義の対象となり得る4)5)
Q 古い視野検査結果だけで申請してよいか?
A

最終的には自治体と指定医の判断になるが、現在の障害状態を反映した検査結果が望ましい。特に視野障害では、検査法や添付資料の形式が現行基準に合っているかが重要である3)4)

7. 最新の制度改正と確認ポイント

Section titled “7. 最新の制度改正と確認ポイント”

視覚障害認定では、2018年7月1日施行の改正が大きな節目である6)。この改正で、自動視野計による基準が明確化され、両眼開放エスターマンテストと10-2プログラムを使った判定が制度上整理された3)6)

  1. 厚生労働省. 身体障害者手帳制度の概要 [Internet]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/content/001679529.pdf

  2. 厚生労働省. 身体障害者障害程度等級表 [Internet]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/content/0000172197.pdf

  3. 厚生労働省. 身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)について [Internet]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/content/000615256.pdf

  4. 厚生労働省. 身体障害認定基準の取扱い(身体障害認定要領)について [Internet]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/youryou_all.pdf

  5. 厚生労働省. 身体障害認定基準等の取扱いに関する疑義について [Internet]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/content/000345050.pdf

  6. 厚生労働省. 「身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)について」の一部改正について [Internet]. 2018. Available from: https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000205739.pdf

  7. 横浜市. 身体障害者手帳の申請のご案内(新規・再認定・等級変更・障害追加) [Internet]. Available from: https://www.city.yokohama.lg.jp/kenko-iryo-fukushi/fukushi-kaigo/fukushi/annai/techo/kofu/20170224145242.files/0018_20221104.pdf